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シカゴポストロック再訪 Bosco+Jorge

2000年前後からアメリカのフォークシーンが注目を集め、アメリカンゴシック名の下にリリースされた中にこのアルバムがある。

かつてハリー・スミスが編纂したアンソロジー・オブ・アメリカン・フォークミュージックが98年にCD化、その続編がテーブル・オブ・ジ・エレメンツがリリースされ関心の高さを示した。(2014年にアナログでバラ売りでリイシューされた)。

戦前戦後のカントリーブルースやフォークが60年代初頭にリヴァイバルされ、ロックミュージックに大きな影響を及ぼした事とは別に、ジョン・フェイヒーやレオ・コッケらのタコマレーベルを拠点にしていたフォークミュージックがジム・オルークや、タウン・アンド・カントリー、そしてこのボスコー・アンド・ジョルジにとって大きな源として存在していた。

ジム・オルークはジョン・フェイヒーが表現していたコラージュ、ミュージック・コンクレート的表現を含めてフォロワーとして描いていたものの、ボスコー・アンド・ジョルジュはジョン・フェイヒーよりもレオ・コッケのプレイアビリティを引き継ぐフォロワーだった。

ジム・オルークとタウン・アンド・カントリーはフォークの中に潜むミニマリズムを見出したものの、ボスコー・アンド・ジョルジはフォークの側にとどまった表現に収まっていて、そこの差を見ると同じアメリカンゴシックという枠組みの中でも違ったヴィジョンがあったのだと思う。

ウィンダムヒルレーベルにも通じるアメリカンフォークの通奏低音が、かのシカゴの地でも花開いていた事の証明となる。

ある種のニューエイジのひとつの形として。

https://itunes.apple.com/jp/album/bosco-jorge-bosco-jorge-bosco-jorge/182126918


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