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日本ビクターの業務用VHS 3in1ダビング機BR−7040(その2)仕様

その1 登場前夜から続く)

 VHSダビング機のカセットオートチェンジャーの分野では松下さんが先行していて、VTRのフロントに装着するカセットチェンジャーを既に発売していました。
 松下のカセットチェンジャーは、オートチェンジャーの上部に次に記録するカセットを3巻積んで、下には記録の終わったカセットを3巻置いておけるものでした(数はうろ覚え)。
 ビクターも対抗して開発を始めたわけですが、なんせ主力のVTRが薄型メカの3in1。
上下にメカが積み重なっているので、カセットを置く場所がありません。

 上にむりやり2段待機のカセットを置く、前に突き出してカセットを置く、記録済みのカセットは横から斜め下に落とす、カセットを回転させる、などなど、試行錯誤や試作を繰り返し、ようやく

「待機のカセットは上に1個のみ保持、記録済みのカセットは横に排出してやはり1巻のみ保持」

という仕様が決まりました。

 待機も記録済みもそれぞれ1巻のみしか保持できないのですが、2時間の映画をダビングしている間に記録済みのカセットを回収し、次の新しいカセットを配ってもらえばいいだろうということになりました。

 ちなみに、発売後に実際の作業を見せてもらうと、バイトのおにいちゃんたちが山のようにカセットを抱えて回収したり配ったりといった状況で、2,3本置けるようにしてもまとめて配ったり回収するのは大変、1本置ければ十分といった様子でした。

 VTRの構成としては、BR-7030からメカユニットのフロントパネルとカセットハウジングだけを新しいものとして、フロントパネルのフックにカセットオートローダーを引っ掛ける構成。本体との通信はフロントパネルにコネクターを設けることにしました。

 VTR本体は、システムコントロールのソフトウェアは新しくなりますがその他のハードウェアはBR-7030と共通、短期間での商品化と量産によるコストダウンを狙ったものでした。

その3 カセットハウジング編 へ続く)

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