ヤ○ザさんとパトカー6台で痴漢を捕まえたお話②
前回のあらすじ
たわわなMY尻を揉んだ犯人を颯爽とチェイスし始めたところまで。→ https://note.mu/mohyako/n/nfa9004756459
とりあえず、大声を出せと教わったので
「ちーーーかーーーんーーーよーーーおおぉ!!!」
と叫びながらカツカツヒールを鳴らしながら走る私。
しかし、向こうは私がヒールだとタカをくくっているせいでしょうか…余裕を感じさせるペースで飄々と走っている…!! このままじゃ逃げられちゃう!?
「チーーカーーンーーよおおおお!!(・□・)」
「あ、そこのひと、通報お願いします!!(><)」
「たーーすーーけーーてぇぇーー!!(;□;)」
一通り思いつくことを叫びながら走り続ける私。
途中、心優しい女性が一緒にチェイスしてくれたけど、彼女は体力が尽きてしまって、結局置いていってしまいました…ごめんね。でも、本当にありがとう……
そんなこんなで10分ほど走り続けるも、ついに私が信号に引っかかり、相手の背中が見えなくなってしまいました………orz
でも、悔しくて。…あきらめきれなくて…。
もう、間に合わないと知りながら、それでもヨロヨロと犯人の消えた方向へと歩き続ける私。
と、その時、
向こうから走ってくるおじさま方が二人、こちらに向かって何か叫んでいます。
「ねーちゃん!何かあったん!?今向こうで若いにいちゃん達が逃げてたおっさん取り押さえてるよ!」
私「!!!!」
恐る恐る現場に向かう私……
……そこには、正座させられているおっさんと、腕組みをする屈強なお兄さん方が。
my尻「その人痴漢なんです!!」
おに①「マジか、まちがいない??」
おっさん「はい、やりました……」
my尻(あれ、素直じゃん…)
おに②「で、どうする?警察に引っ張ってもらう?」
尻「そのつもりです。逃げ方も手馴れていたし、ほかに被害者がいたらいけないので。」
おっさん「けいさつだけは、けいさつだけは、勘弁してください…」
おに①「あぁん?おまえ何したかわかってんの??
事務所連れてくぞコルアアアァ!!!」
尻「!??!」
しかし驚く尻を尻目に、このおっさんはとんでもない発言をしたのです……。
犯人「事務所のほうが……いいです。」
おに①&②「!?!?!」
おに①「いや、おまえ、事務所、だぞ……?無事に出られると思ってんの??」
若干うろたえ気味な鬼…じゃなかった、お兄さん…。
犯人「お願いします!!警察だけは!事務所に行きますから!!」
おに②「…とりあえず、その子に謝ったほうがいいんじゃない??俺らが決める事じゃないし」
犯人「お願いします!お願いします!!許してください」
尻「どうしよっかなぁ〜??(腕を組みながらノリノリモード)」
おに②「誠意をみせたら??」
犯人「許してください!!許してください!!」
ちょっと気持ちよくなってきた尻「本当に傷ついたんですよ?悪いと思ってるんですか??ちゃんと謝ってください」
犯人(灼熱のアスファルトにドゲザー!!)
「すみませんでした!!すみませんでした!!」
尻(あ、これ優越感……きもちいい〜〜////)
しかしその時。
ウヴーーー!!ウヴーーー!!
(あ、そういえば、通報お願いしてたんだった)
そこでとんでもないことに尻は気づきました。
道で出会った全員に通報をお願いしたせいで
パトカーが
6台きた…
🚓🚨🚔👮♂️🚓👮♀️🚔🚓🚨🚓
さすがの大ごと感に慌てる尻。
と、その時、パトカーから婦人警官が颯爽と現れ
わたしの元へやってきました。
「あなたですか??通報がたくさんあったのですが……大変でしたね、、辛かったでしょう」
尻「ウゥ、ヒックヒック、、怖かったよおおおお〜」
おに&犯人「!??!!」
そう、あまりにも大ごとになった為、土下座させて飄々としているのは流石にマズイかなと思い、咄嗟にあらゆる悲しかった事を思い浮かべて涙を流したのです…!!あぁ、アフリカの子供達ってなんて可哀想なの……??
そう、女は、私ですら……女優 。
ちなみに横目でチラッと見たら、男衆めちゃくちゃ困惑してました。。…女優でゴメンね?(テヘペロ)
婦人警官「さぁ、あなたも乗って。向こうで調書作りますからね」
尻「えっえっ、わたしも乗るのですか??」
婦人「うん。ここまでのことになったから、流石にね………」
婦人「あなた方が協力者の方たちですか?できれば向こうでおはなしを…」
おに①&②「俺たちはいいです!(ハミング)」
婦人「でも、目撃証言は大切なので」
おに①&②「俺たちは、、いいです…!!(かなり強い口調)」
婦人「ではここで必要なことは全て終わらせますので、協力者の方々はもう少しお付き合いください。」
(パトカーに詰め込まれる尻)「あの、じゃあ、後日にでも、せめてお礼を…」
おに「べつに、当然のことをしたからいいよ笑」
尻(…こんなさわやかな人が……ヤ○ザさん…なんだなぁ)
この時目を合わせて思ったのが、すごく瞳孔が黒いというか、開いていて…なんだか凄みを感じる目で、
若い爽やかなおにいちゃんなのに、
少しゾク…ッとした事を覚えています。
尻(……なにか、掟的なものもあるのかもしれないな…)
「そうですか、ありがとうございました。でも、このご恩は一生忘れません」
おに「そのセリフ、ガチで言われたの人生初だわw大丈夫?今からまだしばらくかかると思うけど、がんばるんだぞ!」
尻「ありがとうございます、ありがとうございます……ありがとう涙」
パトカーに連行される尻。
そしてパトカーの中って頑丈で、すごく物々しくてビビった…最初タクシー的な感覚でヒョイッと乗ったらめっちゃ横を警官に固められて焦った…
婦人警官「ごめんね、あなたが逃げないのはわかるんだけど、一応規則上、こうしなきゃなの」
尻「ひゃあい」(今までやってきた悪いことを思い出して震えている)
その後スイスイと警察署に着き、
取調室で何度か状況を繰り返ししゃべって、写真をパシャパシャ取られたりなんだかんだがあって終了。
ようやく釈放された頃には、もうとっぷり日が暮れていました………
いやぁ、久々のシャバの空気、美味しかったです…。
後日談1
コンビニにてごはんを買ってる時
近所の人「ねぇ、痴漢にあったって、大丈夫???」
尻「!?!?!?」
尻「え、あれ、なんで知ってるんですか??」
近所「いや、めっちゃ叫んでたから、町内で話題になってて」
尻「アワワワワワワ!?」
その後も何人かに同じ内容で話しかけられるも、みんなめっちゃ興味津々な感じがしていて、ちょっとだけ、傷ついた…
わかる、わかるんだけど、こういう内容のお話だから、そっとしておいて欲しかったんです……
後日談2
尻「よし、内容証明をだしてみよう」
尻はこの時行政書士になったばかり。
痴漢の損害賠償請求なんて範囲外なのでしたことはないけれど、なんていうか、そのままにしたくなかったのです。
当時まだ甘々な考えの人だったので、
「ひょっとしたらいたく反省しているのかもしれない。もし私だったら、きっと謝りたくなる。だから、これを送って、直に謝罪を申し入れてくれるなら…あの日ショックで捨てたお気に入りのスカート代金くらいで許してあげよう。ちゃんと和解しよう。」
終わりよければ全て良しじゃないけど、やっぱりおっさんと和解したかった。誰にでも魔が差す瞬間なんてあるもんね?
しかし。
無事に相手方に届いたという通知はきたけれど、待てど暮らせど返事は来ない…。
結局、そのまま、話す機会はなかった。
後から担当の警察官の人にきいたら、お仕事も止めることになって、身請け人の家族も来なくて、なんだか色々大変だったらしい、ということはわかりましたが、そこから彼がどのような運命を辿ったかは、わかりません。
そして今でもふと不安になるのが、
「わたしが土下座させたこと、取り調べの時に言ったのかな…」
ということ。
だって嘘泣きだったって、バレちゃうじゃんね??
後日談3
警察の人とお話しして教えてもらえたのが、
「あの日ね、君は尾けられてたんだよ。」
お昼だからって無防備に歩いてると、やはり良くないそうです。
一人歩きするときは、周りに気配がなくても後ろを振り返る癖をつけなさい。それだけで、警戒心の強い子に思われるからと教えてもらいました。
女性のみなさんも、気をつけて外出してくださいね。
そしておっさん、今何してるのかなぁ………
でも、この事件から数年間は、後ろに人が立つと叫びたくなる衝動が強くて、多分軽くトラウマになっていたし、お互いの為にも痴漢は本当によくない。どうか魔が差してもちゃんとお店に行ってますように……。せめて、それだけはあなたの為に祈ってます……。
〜fin〜
サポートしていただいたお金は、責任をもって真人間になるためのとさ資金とさせていただきます!!(…たぶん)