ほんとはもっとロックしたい


ほんとはもっとロックしたい。

ほんとはカラオケでバイトなんかして持ち前のユーモアで色んなピンチを切り抜けて、バイト仲間を冗談で笑わせたりして、
もちろん履歴書の「男・女」の欄にははみ出んばかりに油性のマッキーで男も女も囲ってグルグルと丸を書いて、
「男でもあり女でもある性別です」
なんて堂々と明るく軽やかに言えたらいいな、
なんて思う。

でも実際に想像したら
「え、じゃあトイレはどっち使うの?」
「男女でいろいろ違うんだけどどっちとして扱ったらいいの?」
とか
言われたら、答えられないかもしれないって思った。

トイレはずっと女子トイレで生きてきたから別に女子トイレがいいし、
でも男として扱われたらやっぱり力仕事とかも同じようにはできないし、背もどこに行っても女子の中でも一番小さいくらいだし、
野郎どもの更衣室に当たり前のように入れられたらとか、色々と不安になってしまう自分がいる。

いや当たり前だけど、不安になって。

だって実際今のを全部正直に答えたって相手は納得しないと思うしとにかく「めんどくさい」ってなると思うし、実際一人だけイレギュラーな人材がバイトでいるのは面倒で迷惑かもしれない、
とも思う。

やっぱり女に○をしようかな、、嫌だな。

具体的になにが嫌なのかと聞かれれば「制服が」とか「髪型やメイクしてないのを直すように言われたら嫌だ」とか

「そんなの制服が男女共通のところとか見た目も別に何も言われないところだってあるじゃん」

って昨夜母に言われたことを言われれば確かにそうだけど、となる。

でもそうだけどそれだけじゃないし…という思いがどうしてもモヤモヤと消えなくて、すでに申し込んだバイトの履歴書の性別の欄が埋められずにいるし、写真も男の自分と女の自分どっちの髪型で撮るか決めかねていて進まない。 

(女の自分はウィックなのでそもそも衛生面的にアウトかもしれないし、でもそうなったら男の自分が女の人として扱われ、女の人用の上下繋がってるエプロンで、
男性が着ない制服で働かなくてはいけなくなる。
ぐぬぬ………とか色々無限ループ)

進まない。どう進んでいいのか分からない。
せっかく頑張ってバイト面接まで申し込んだのに
母にポロッとしゃべってしまったら
「男女共通の制服のところで働けばいいじゃん」
とか言われてしまった。

でも職種とかも考えたら今の自分がなんとかできそうなのはやっぱり今申し込んでるやつだし、
制服が男女違うのは男性店員がその時居なかったのでネットで調べるまで見落としていた。


何を言ってもAIのように正論しか返してくれない母。
それが助かる場面だって数えきれないほどあるんだろうと思っていても言われるとモヤモヤが増幅してしまう。
いや、じゃあ言わなきゃいいじゃん。

でも言ってしまう。他に何か話せる人がいない。
いつも1週間くらいまでは悩みを自分一人で抱えたまま耐えられるんだけど、それ以上は言わずに一人で対処できたことがない。
いや、あっても後にとんでもなく自分の首を締める選択ばかりしてしまっている。



自立したい。自律したい。


どうしたらいいか、わからない。


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