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よこただいすけ詩集

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個展に際し残してきた感情の記録、のようなものたちです。
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2024年5月の記事一覧

BOOKS

伝わらなかった言葉がある 伝わらなかった想いがある 臆病者はただ、偽りの海に沈んでいく 息を止めてみてはじめて 呼吸をしていたことに気づく 鏡の中にはもう誰もいない それでも 最期の瞬きが真実になるように せめてその存在が明らかになるように また言葉をつづり 想いを書き留める 2022.2

loop

窓のむこうに 月 夜風につつまれ 冬の香りが見え隠れ 近づけない 届かない 思いを映す鏡は粉々に なす術なく立ち尽くし 肩落とす地表に 月 すくい上げた両手に大粒の涙 歪みちぎれる光の波は やがて暗闇に覆われ 窓のむこうに 月 2019.11

Library

うるさいなぁ と いつも 思います 煩わしいなぁ と いつも 思います 生きる というのは 人 というものは ひとりで ひっそりと 過ごしていたいのに 好きなことをして 微笑んでいたいのに 孤独なんて 最高なのに うるさいなぁ と いつも 思います 煩わしいなぁ と いつも 思います こんなにも 世界は 美しいのに 2019.7

owl

光の届かなくなった暗闇。 まっ暗だけど、ボクにはよく見えます。 こそこそ、ちまちま、絵を描きます。 こそこそ、ちまちま、字も描きます。 いろんなことから解放されてあとは寝るだけ。 いろんなことを手放して。 いろんなことを諦めて。 「心の闇」なんていう表現はネガティブな印象が強いけど、 実はそれこそがその人の本来の姿だったりして。 こそこそ、ちまちま、絵を描きます。 こそこそ、ちまちま、字も描きます。 自由時間のはじまり、はじまり。 2018.9