「葬送のフリーレン」
週刊少年サンデーで連載中の漫画、「葬送のフリーレン」現在4巻まで発売。
2021年のマンガ大賞受賞が先日発表されて、更に盛り上がりそうです。
ファンタジー漫画かなと手に取って読み始めました。
派手ではなく、むしろ淡々と日々と年月を感じる作品は、少年週刊誌では珍しいかと。
「魔王を倒した勇者の死後、エルフの魔法使いの生き様を紡ぐ。
ずっと、エンディングが続いているような物語」
気になった方は、こちらの作者さんのツイートにて、1話と2話が公開されています。
10年の旅路の果てに、勇者が魔王を倒してから50年。
勇者達も年老い、大変だった事も忘れ去るには十分な時間。
けれど、歳をとらないエルフには50年もほんの昨日。
10年間の旅などまして。
それなのにその10年の日々と心の交流は、彼女の中で今も鮮やかに息づいていて、折に触れ思い出されて。
その時には分からなかった言葉が、心が響く。
自分にとっては、まだ忘れることすらない昨日なのに。
実家の仏壇に伯母の遺影がある。
二十歳でこの世を去った見知らぬ写真の中の伯母は、どこかわたしと似ていて。
祖母は折に触れ、長女である伯母の話をしていた。
とても美人だった、成績が良かった、優しかった、祖母の自慢だった伯母。
美空ひばりと同じ年だったそうで、テレビに美空ひばりが映ると「あの子も生きていたら…」と言っていた祖母。
祖母が亡くなって数十年、実家の仏壇の伯母の隣には、祖母と父が並んで。
もう伯母の話をしてくれる人はいなくなってしまった。
語り継がれるとはなんだろう。
どんな悲しみも時が風化させ押し流し。
それでも残るものは。
残されたものにできる事。
そう、わたしは忘れない、覚えているよ。
そんなわたしも、いずれは彼岸に去るのだけれど。
誰かの思い出話になれたらいいな。
聞いた人が笑ってしまうような、呆れてしまうような。
そんなとりとめない事を感じさせる、今一番好きな漫画のご紹介でした。
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