4年 水の温まり方の指導について

4年生で学ぶ、水の温まり方でよくご質問をいただくことがあります。それが

「水の温まり方を調べる実験、水の中に何を入れたらクルクル対流する様子が見られますか?教科書の削り節だと全然クルクル回ってくれないんですよぉ〜」


結論から言いますと

「対流=くるくる回って温まる」ではないです!つまり、くるくる回らなくて良いのです。むしろ回らない方がいいくらいです。


順を追って説明します。まず、水の温まり方を正しく調べるにはサーモインクを使うのが最も分かりやすいのでサーモインクを使って水の温まり方を調べてみます。すると…

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分かりますかね?上に温まったピンク色の液体が溜まっています。やがてこのピンクは上から順に全体に広がり全体をピンク色へと変えていきます。つまり水の温まり方は

「温まった水が上に移動し、やがて全体が温まる」

という結論になるはずなんです。別に水がクルクルとビーカー内を回転しているなんて結論はいりません。 

では、なぜ多くの先生が回転にこだわるのか…それは水の温まり方=対流=くるくる回る という潜在意識のせいだと考えられます。

昔のお風呂で考えてみましょう。温まった水がくるくる回りながら全体を温めてくれるなら、棒などでお湯をかき混ぜる必要なんてないはずですよね。

このことからも水の温まり方はクルクル回転しながら温まるわけではないことがわかります。

つまり、温まった水の動きを確認するために必要な要素は、水の中に入れたトレーサーが上へ移動するというところだけなんです。回転なんていりませんー

ちなみに対流をwikiで調べると

対流(たいりゅう、英語: convection)とは、流体において温度や表面張力などが原因により不均質性が生ずるため、その内部で重力によって引き起こされる流動が生ずる現象である。

って書いてあり、回転なんて言葉は一言も入ってきません。


ちなみに温めたビーカー内の水の動きを詳しく調べたことがあるのですが、これがまぁ、加熱の具合によりまちまちです。

回転することもあれば、ビーカー内の側面にぶつかり訳の分からない激しい動きになることだってあります。でも、温まり方はやはり上から順に全体に広がっていくんですよね。

というわけで、何がいいたいのかというと、実験ではサーモインクを使ってみた現象をそのまま考察し、結論にもっていくのが一番分かりやすいと思います。

ちなみにサーモインクの代わりに、洗濯用洗剤のエマールを用いる方法もあります。温度がだいぶ高くないと変色しませんが〈70度程度〉、この方法もおすすめです。

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