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ケンちゃんとけんみん

1番好き、というか1番食べる頻度が多い食べ物が豆腐だ。
外食をすることがなければ昼と夜に必ず1パックずつ食べている。
9割方冷奴として食べる。醤油や薬味はかけない。
子供の頃はかけていたが、豆腐の甘みを醤油のしょっぱさが打ち消している気がして、いつの間にか素で食べるのが普通になった。

何もかけないで食べる前提なので、味がしっかりしている豆腐が好きだ。
今までずっと個人的No. 1の豆腐として君臨していたのが「特濃ケンちゃん」だ

※検索したらサジェストで離乳食とかでてきた(冒頭の写真)

上の記事で取り上げられてるのはより小さいサイズだが、同じ「男前豆腐」からでている豆腐だ。
名前の如く濃厚な食感で、甘みが強い。その上で多くのスーパーに置いているので入手しやすいのが素晴らしい。

今も自宅の冷蔵庫にはこれが2セットはストックされてないとそわそわする。
これを3パック108円で販売してくれるサミットは本当にサイコーだなと思うし、180円とか値付けしちゃう東◯ストアのことは正直軽蔑している。
まいばすでそんなに高くない値段で手に入るので、まだ食べたことない方はぜひ食べてみてほしい。

買い出し先のスーパーの決定にも干渉してくるくらい「ケンちゃん」に束縛される時を長く過ごしていたが、最近は新しいパートナーができた。

昨年の8月に引っ越したのだが、新居の目と鼻の先に個人経営の豆腐屋がある。
googleマップの口コミが1件もないのだが、毎日(日曜含む)店を開けている。それも朝の5時前に。

お店をやっているのは80代半ばの老夫婦。
買いに行くと小柄で元気なおばさんが都度パックに豆腐を詰めてくれる。
おじさんは無口だが、たまにニコニコしながら美味しく食べるためのワンポイントアドバイスをくれる。
お店の中に窓仕切りの部屋がさらにあって、時間によってはちゃぶ台でおだやかにご飯を食べているのだった。

そんな和ましい豆腐屋さんなのだが、通常のもめん・きぬの他に売っているのが「けんみん豆腐」
どこかの県発祥の豆腐なんだろうと思って検索をかけたが、「健民」という漢字を書くらしい。
かろうじて昔ながらの豆腐屋さんが言及している記事が見つかっただけだった

まあ専門的なことはよく分からないのだが、もめんときぬの中間の製造法で作られるらしい。
しかしこれがいいとこ取りで抜群においしい。
もめんほどパサついてない一方、ちゃんと大豆の粒感が残っており、しっかり固形物を食べている感がある。

そもそも個人でやってる豆腐屋は、市販のものとは全然違う。にがりが利きが強い。
初めて食べた時は苦酸っぱさが強くてクセがあるな、という感想だったが、今はこの苦酸っぱさがないと物足りない。なんか健康的なものを食べてる感も良い。
食べるたびに「これが本当の豆腐だ」と分からされている気がしてくる。

そんなわけで毎日朝の犬の散歩に行くがてら「けんみん」を買って食すのが我が家の習慣になった。

こうして「けんみん」が定着した一方、実はいまだに「ケンちゃん」も健在だ。
むしろ、食感も味もまるっきり違うので、かえって以前よりも「ケンちゃん」を美味しく味わえている。

安い、美味い、健康的、料理不要。ああ素晴らしき豆腐ライフ。
個人経営の豆腐屋さんは中々ない気がするのでさておき、これを読んだ人が「ケンちゃん」を試してみようと思ってくれたら、なによりでございます。


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