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ロシア海軍旗艦モスクワ沈没の意味

◉今日の時点で、Twitter の軍事クラスターは、この情報に半信半疑でした。それも当然でしょう。旗艦、フラッグシップというのは海軍の象徴ですから。マレー沖海戦で英国東洋艦隊が潰滅し、戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスが轟沈し、イギリスは大混乱に陥ったのですから。日本だと戦艦三笠や長門、大和型戦艦が沈没したのと同じ。まさか……という思いがあったようですが。しかしこの件、ロシア海軍だけの問題ではないです。

【ミサイル被弾の旗艦「モスクワ」ロシア国防省が沈没したと発表】NHKニュース

ロシア軍は、ウクライナ東部で攻撃を続けていて、このうち要衝マリウポリではウクライナ側も抵抗し、激しい戦闘になっているとみられます。
一方、ウクライナ側がミサイルで攻撃したとしているロシア海軍の黒海艦隊の旗艦について、ロシア国防省は沈没したと発表し、ロシア軍にとって大きな痛手とみられます。
ロシア国防省は14日、ウクライナ東部のドネツク州や南部のオデーサ州などでミサイル攻撃を続け、ウクライナ軍の武器庫などを破壊したと発表しました。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、横須賀港の米軍のミサイル駆逐艦だそうです。

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■張り子の虎の中華海軍?■

そもそもソビエト連邦時代、海軍の艦艇の多くは、ウクライナで造船されていました。中国の空母遼寧も、ウクライナから購入されたヴァリヤーク級空母ですしね。今回の旗艦モスクワ沈没の理由は、造船でノウハウを持っていたウクライナ側が、弱点や盲点を突いた可能性があります。揚陸艦の沈没に続いてロシア海軍、赤っ恥です。これでは現場の士気は下がる一方で、ウクライナ側はやったぜイケるってなもんでしょう。

そして、この件で一番ショックを受けているのが、中国海軍でしょう。中国はなんだかんだ言って、ソ連-ロシアの軍事技術に大きく依存してきましたから。それは空軍の戦闘機にしてもそうですし、陸軍の戦車もそう。そして海軍もまた、ロシアの空母をウクライナ経由で入手し、金にあかせて二番艦三番艦と建造したのですが……。それが張り子の虎である可能性が、グッと高まってしまった訳です。

■空軍も陸軍も■

ロシア空軍の戦闘機も、意外なほどにその弱さを晒していますし。エンジンの問題とか、本当にステルス戦闘機なのかとか、もともとあった疑惑が噴出しています。はっきり言えば、F-22やF-35の最新型ステルス戦闘機でなくても、F-15やF-16、F-18レベルでロシア製の戦闘機は十分に撃破出来る可能性が高い、と。いよいよ中国製の艦載機など30機とかあっても、いずも型護衛艦搭載のF-35B数機で倒せてしまう可能性。

こうなってくると、中国陸軍の戦車部隊も、ジャベリンを装備した歩兵によって簡単に壊滅させられてしまう可能性さえ。世界第二位の経済大国に躍り出た、その金を使って急速に軍備を拡充させている中国ですが。それでも、丹念で見てもアメリカ軍の軍事費とはまだまだ大きな差があります。今夜この半世紀、アメリカはずっと世界の軍事費の半分を一刻で消費していたような、超大国ですから。研究開発の積み重ねがそもそも他国と圧倒的に違います。

■アメリカの底力■

ロシアの GDP は、ブラジル異常韓国以下のレベルでしかありません。それは言うなれば、日本だと最下位に近い島根県の経済規模と同じぐらいの北朝鮮が、核開発や大陸間弾道弾の開発においては、日本が手を出せない領域に踏み込んでいるのと似ています。選択と集中によって、特定の分野だけ国力に見合わないレベルに突出させることはできても。そもそもの総合力が全然違うんですよね。日本でもバブル景気の前後に、ジャパンアズナンバーワンというお世辞を真に受けた間抜けな国粋主義者が大量に出ましたが。

アメリカという国はその意味において、地力が全然違うんですよね。極端な話、アメリカで不人気のラグビーという競技であっても、もし必要があって絶対に勝たなければならない状況に追い込まれたら、アメフトやバスケットボールや野球などから人材を選抜し、1年間徹底的に強化したらオールブラックスにさえも100点差をつけて圧勝できるぐらいの人材を抱えている、そんな国ですから。中国は今回のウクライナ侵攻で、自国の実力に気づかされたのではないでしょうか?

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