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特定少年に死刑
◉山梨県甲府市で、2人の殺人と放火、居合わせた女性への殺意を持った障害などで逮捕された犯人の、地裁判決が出ました。三上潤裁判長は主文後回しで、判決は死刑。本来は、死刑を先に宣告すると、被告は頭が真っ白になって心ここにあらずになるので、主文後回しにして、犯人に自分の罪と向き合ってもらうという面があったようですが……。主文後回しだと、もうだいたい死刑だなとわかりますから、主文後回しの時点で被告の頭には、入ってこないでしょうね。
【「特定少年」の被告に死刑判決 当時19歳 殺人放火事件で甲府地裁】朝日新聞
甲府市で2021年、全焼した住宅の焼け跡から夫婦の遺体が見つかった事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた当時19歳の無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の判決が18日、甲府地裁であった。三上潤裁判長は「強い殺意に基づく執拗(しつよう)かつ残虐な犯行だ。被告が19歳だったことを最大限考慮しても、死刑を回避する事情にはならない」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。
(中略)
判決によると、被告は21年10月12日、甲府市の会社員(当時55)方で、会社員とその妻(同50)をナイフで突き刺すなどして殺害。次女の頭をなたで殴ってけがを負わせ、住宅に放火して全焼させるなどした。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、
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■未成年でも死刑■
特定少年ということがマスコミでは強調されていますが、そもそも犯行当時未成年だった人間は、連続ピストル射殺事件(警察庁広域重要指定108号事件)を起こした永山則夫死刑囚や、光市母子殺害事件の犯人とか、犯行当時は19歳ですが、死刑判決が出ています。マスコミや反死刑制度の方々は、年齢にこだわった論陣を張っていたので、未だに拘っているのでしょう。でも、永山基準がそもそも変ですから。なので甲府地裁で陪審員の判断も死刑も、普通にありえまから。もちろん、高裁や最高裁でひっくり返る可能性もありますが。
それよりも個人的には、更生の可能性が低い、と判断されたのが大きいですね。自首している点が情状酌量になり得なかった点が、死刑回避の決め手になり得なかったのは、驚きではあります。これは今後、凶悪事件の犯人の自主を促す部分が、誤解されますね。単純に自首したから減刑とはならないのは、良く考えれば当然なんですが。しかしながら刑事ドラマで、立てこもり犯とかに投降と自首を勧める説得シーンとかで、そういう思い込みは一般大衆にありますから。
■マスコミの限界■
この件に関してはX(旧Twitter)の、女たちのデータベース広場アカウントの詳報が、大手マスコミよりも細かな情報を拾ってくれています。朝日新聞のダイジェスト的な記事と比較すれば、犯人の情報量がまったく違います。マスコミとしては、あまり報じたくない部分であろうことが、わかります。なるほど、こういう凶悪な言動を繰り返したのならば、死刑はやむなしという部分はあります。なんというか、人間として思考の飛躍の仕方が、京都アニメーション放火殺人事件の犯人と、類似しているなぁと。
驚いたな、甲府市殺人放火事件の遠藤裕喜被告、死刑判決か
— 女たちのデータベース広場 (@females_db_park) January 18, 2024
いや妥当すぎるけど未成年だったから無期懲役止まりだと思ってた
当時19歳の遠藤被告、同級生女性に告白
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フラれる
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ティファニーなどのブランドものを勝手に送りつけストーカー化
↓… pic.twitter.com/HSzs7kVnSH
驚いたな、甲府市殺人放火事件の遠藤裕喜被告、死刑判決か
いや妥当すぎるけど未成年だったから無期懲役止まりだと思ってた
当時19歳の遠藤被告、同級生女性に告白
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フラれる
↓
ティファニーなどのブランドものを勝手に送りつけストーカー化
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執着され恐怖した女性、再度デートの誘いを断りLINEをブロック
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遠藤被告、既読がつかずショックを受け逆恨み
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女性を拉致強姦拷問して逃亡しようと画策
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待ち伏せていると、女性が友人と一緒に現れる
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この友人を男性と見間違い、親しくしている様子を見て「裏切られた」と思い込む
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計画変更、さらにダメージを与える案を練る
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女性の住所を調べる
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深夜、女性の自宅へ侵入
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女性の両親をめった刺し、刃は臓器まで達するほど深くこの時点で失血死
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物音を聞きつけ2階から様子を見にきた次女もナタで頭を殴りつけられる
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次女、姉(女性)を起こし2階窓から飛び降り避難
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放火され、自宅から火の手があがる
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このとき女性は犯人に気づかず
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遠藤被告、「人をころしてしまった」と泣きながら自首__
この事件は全国初の【特定少年】として実名が公表された
「なんで家族なの?」「私が死ねばよかった」と悲痛な思いを法廷で語る女性、傍聴席では鼻をすする音が響いた
遠藤被告は最後まで謝罪することはなく、泣きながら「家族から邪魔者扱いされた」と語り、「社会に戻る気がない」「控訴はしない」
いかがでしょう? ハッキリ言って、マスコミはもうネットに負けているんですよね。速報性でもインターネットで負け、専門性でもインターネットに負け。中途半端なゼネラリストのマスコミに、役割は失われつつあります。だって、時事通信社や桜ういろう通信社のベタ記事と、大手マスコミの記事に大差がないんですから。死刑判決であろうが無期懲役であろうが、判決の日は前もって解ってるんですから、それに向けてちゃんと調べて、必要な情報を整理する時間貼ったはずなのに。
■近代法は復讐法■
この件で、死刑制度は犯罪の抑止効果はないとか、またぞろ言い出す人がいますが。死刑制度は、犯罪抑止のためにあるのではありません。近代法のルーツは、ハンムラビ法典にあります。「目には目を、歯には歯を」の言葉で知られるハンムラビ法典ですが。これは、目を潰されたからと言って相手の命を奪うような、過剰な復讐を禁じているんですよね。復讐法というと、誤解されがちですが。実はやっていい復讐の範囲を制限するのが、近代法の原点でもあるんですね。
相手から受けた損害と、同じだけの報復をするというこの考えは、『同害報復(タリオ)』と呼ばれ、罪の重さによって罰則が決まる罪刑法定主義の、起源とされます。犯罪抑止のために、復讐法はあるのではありません。被害者本人や遺族の、復讐感情を満たすためにあるのです。その復讐感情を放棄させるのは、宗教の守備範囲であって、法律はそういう基準を示す存在です。死刑制度に反対するのも、思想信条の自由ですが。人間の感情というものを軽視しては、難しいでしょうね。
自分なら、いったん恩赦なしの終身刑の制定とトレードで死刑を廃止し、その上で恩赦の条件を増やしたり、減刑のルールを模索するでしょうけれど。日本の死刑廃止論者は、死刑の廃止よりも国の権力を弱める反政府活動が真の目的ですから、「現行法で対応可能!」の一点張りで、聞く耳を持ちませんからね。二段階革命論ならぬ、二段階死刑廃止論があってもいいのに。
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