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森山周一郎さん死去

◉世間的にはジブリアニメ『紅の豚』のポルコ・ロッソ役と言うことになるのでしょうけれど。自分などはNHKアニメ『マルコポーロの冒険』のフビライ・ハーン役や、『刑事コジャック』でのテリー・サバラス役、オールドファンとしてはジャン・ギャバン役でしょうか。とにかく、一度聞いたら忘れられない、独特の声と存在感でしたね。重厚という言葉が、本当によく似合う声でした。

【俳優・声優の森山周一郎さん、肺炎で死去 86歳 『紅の豚』ポルコ・ロッソ役】オリコンニュース

映画『紅の豚』のポルコ・ロッソの声などで知られる、俳優で声優の森山周一郎さんが8日午後9時10分、肺炎のため埼玉県内の病院で亡くなったことが9日、所属事務所への取材で分かった。86歳。葬儀は家族葬にて執り行う。

昔のテレビ番組で、森山さんは小学生の頃からあの声質で、音楽の合唱の授業では、ハーモニーを乱すというので、みんなの輪から外されたとか。そんな変な声なのに、それが今は商売になるってのも不思議ですねと、苦笑されていた思い出。強い個性は、武器にもなるんですねぇ。まぁ、確かに小学生であの声は、ボーイソプラノの中では異色すぎるでしょうけれど。天性の重低音も小学生では宝の持ち腐れ。

そう言えば森山周一郎という名前は、みず谷なおき先生の名作『人類ネコ科』でも、主要キャラに使われていましたが、そうなるとあの声で再生されるから不思議。みず谷先生の出身地から、名古屋弁の高校生キャラクターでしたが。特徴の有る声ゆえ、汎用性はなかったでしょうし、でも森山さんにしかやれない声でもあったでしょう。その点ではやはり主役級か、重要な存在感のあるキャラが多い印象です。

『紅の豚』のポルコ・ロッソ役も、豚の外見と森山さんの声のギャップが面白いわけで。ベテランの良い声俳優だと、若本規夫さんなどもそうですが、良い声でメカ沢とか演じられると、それだけで面白いし、妙な説得力も出るんですよね。ポルコ・ロッソは押井守監督から、これは宮崎駿監督自身の投影と批判されましたが、してみると宮崎監督理想の声が、森山さんだったということですね。ご本人は低くも渋くもない声質でしたから。

86歳、昭和一桁の名優がまた一人、旅立たれました。森山周一郎さんのご冥福をお祈りします。合掌

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