アルミイオン電池の可能性

◉アルミイオン電池が、急に注目を浴びているようです。人口太陽光発電でもそうでしたが、科学技術ってある日突然ブレイクスルーが起きるので、興味深いですね。今回は、出力自体は低いけれど、急速充電能力に注目が集まっているようです。

【アルミイオン電池がいきなり有望株に、年内にも製品をサンプル】日経XTECH

 オーストラリアGraphene Manufacturing Group(GMG)は2021年6月22日、同University of Queensland(クイーンズランド大学、UQ)と共同開発したコイン型アルミニウム(Al)イオン2次電池(AIB)の充放電サイクルデータの一部を公開するとともに、近い将来の製品化を想定した、評価用サンプル品の提供を2021年末までに始めると発表した。
(中略)
 オーストラリアの研究機関Australian Institute for Bioengineering and Nanotechnology(AIBN)による測定によれば、AIBの重量エネルギー密度は150~160 Wh/kgと、車載向けリチウム(Li)イオン2次電池(LIB)の6割ほどとさほど高くない。一方、出力密度は最大7kW/kgで、一般的なLIBの10倍前後。充電レートは12~60C、つまり1~5分と短時間で満充電まで充電できるとする。

エネルギー密度は6割ほどとのことですが、それだけあれば一般的な使い方では、充分ではないでしょうか? それよりも、これほどの短時間充電が可能なら、ガソリンスタンド感覚で充電が可能ですね。これは大きいです。

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■放電サイクルも優秀■

詳しくは、リンク先の記事を読んでいただくとして。単に急速充電と言うだけにとどまらず、〝充放電サイクルを計3000回まで繰り返しても、充放電自体による容量低下はほとんどなかったとする。〟ってのも大きいですね。これなら、かなりの期間、バッテリーを替えずに済むでしょうし。毎日充電でも10年は持つでしょうし、数日に一回程度なら、歯医者まで使い切る感じでしょうかね。まさに、画期的な技術と素材と言えそう。

6割ほどとの出力の弱さは、それこそ設計を工夫してバッテリー2本分搭載という形で対応できそうですし、そもそもバスとかトラックとか、大型の車両から搭載するなら、それほど問題はなくなるでしょうし、その間に乗用車などの利用が進めば、更に違うでしょうし。こういうのは、動き出すと多くの研究機関も参入して、さらなる発見や新技術が生まれますからね。そういう部分に、自分はワクワクします。高温超伝導もそんな感じでしたね。

■アルミニウムの有利な部分■

しかもそれが、アルミニウムというありふれた素材ってのは、大きいです。地上の元素って、酸素・珪素・アルミニウム・鉄・カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・チタンの純で多いのですが。アルミニウムってカルシウムやナトリウム(塩=塩化ナトリウムの主成分)よりも多いんですから。ただ、結晶化が難しく、鉱石のボーキサイトを原料としてホール・エルー法で生産されるの用になってようやく、人類の利用は20世紀になってから、本格化しますが。

流石に企業秘密が多く、あまり詳しい成分やら使用の情報は出てきませんが。それでも、こういう情報があると、かなり明るい希望が見てますね。ひょっとしたら、素材に貴金属や高額な合金が使われている可能性もありますが、そこは未来の課題ということで。しかし、日本は本来は素材研究分野が強く、リチウムイオン電池でもノーベル化学賞を吉野彰博士が受賞されたわけですが。こういう研究、もっと日本から出てほしいですね。

■三菱重工業もSMRに進出■

エネルギー問題関連ということで、メルトダウンしづらい構造の第四世代炉の、小型モジュール炉に三菱重工業が動いています。小型モジュール炉の出力は30万キロワットと、従来の100万~130万キロワットの3分の1から4分の1位かと弱いのですが、むしろ一箇所に集中しなくていい分、安全性は上がると思います。メルトダウンしづらいので、第3世代炉などのように硬い岩盤が不要で、反原発派の理想の「東京に原発を!」が実現するでしょう。

【小型原発の開発、日本勢動く 脱炭素へ実用化探る】日経新聞
原子力発電所の是非を巡る議論が続く日本でも小型原発を開発する動きが出てきた。三菱重工業は出力が従来の3分の1の原子炉を開発する。小型化して建設費を抑え、安全性も高めた。小型原発にはIHIなども米新興企業に出資して参画する。脱炭素につながる電源としての実用化への取り組みは欧米が先行していた。

リンク先の図のように、地下方式だと冷却水も動力を失っても上から注ぐだけで良いですからね。そもそも、メルトダウンせず自然停止する構造が、第読んでサイロには多いのですが。エネルギー関連のnotesを書きますが。どうにも、再生可能エネルギーの問題よりも、大規模な蓄電素材や蓄電方法の開発が、大事に思えますね。まぁ、一日の発電量を蓄電できるような大規模蓄電は、難しいのですが。期待したいです。

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