中国が台湾侵攻する日
◉中国の、台湾併合の野望。数年前までは、そこまで現実味はなかったのですが、新疆ウイグル自治区や香港での言論弾圧の狂気を見るに、現実味はありますね。ただ、中国の歴史や近年のアメリカの戦略を見ると、武力衝突があるのか、といえば微妙です。
自分は軍事の専門家でもないので、中国がどこまで本気なのか、アメリカがどこまで本気なのか、それは解りません。でも、この10年の動きを見て思うことを、ツラツラと書いてみようかと。
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■覇権国家はひとつだけ■
トランプ大統領が、米中対立を高めたとリベラル界隈に言われますが。トランプ大統領は基本的に、ブラフを嚙まして、有利に交渉を進める商売人。そのブラフを額面どおりに受け取っても仕方ないです。オバマ大統領と民主党政権が中国を増長させたのは事実ですが、オバマ大統領時代に既に脱中国を、志向していた風情がありますから。トランプ大統領再選でもバイデン政権でも、基本的な方向は変わらなかったでしょうし。
アメリカは政権の交代に関係なく、オレンジ計画のように、長いスパンで、仮想敵国の計画を用意する部分がありますし。そもそもTPPは、対中国経済包囲網の側面がありますから。軍事面はクアッド、経済面はTPPと。そもそも唯一の覇権国家アメリカは、二次大戦以降は第2位の大国を仮想敵国として潰してきましたし。ソビエト連邦に日本、次が中国と言うだけで。そして局地戦はともかく、強国とは武力では直接やりあわない。
■戦わずして勝つが上策■
ソビエト連邦を崩壊に追いやったのは、レーガン大統領に裏で指南していたニクソン元大統領とされます。ソ連を軍拡競争に巻き込み、経済的に疲弊させて潰す。孫子の兵法の理想〝戦わずして勝つ〟を実現したわけで。それは、プラザ合意以降の日本も同じです。バブル崩壊以降の舵取りに失敗した部分はありますが。日本の増長は許さん、というアメリカの強い意志。であるなら対中国の戦争も、経済戦争になるでしょう。
数年前の総務省の予想では、2020年に米中の経済圏は逆転するはずでしたが。現実問題、中国は内需だけで経済が回る状況には、なっていません。中華経済圏としては、アメリカ経済圏と欧州経済圏に対抗できるか、表面の数字と内実が解らないので微妙。新型コロナウイルスのせいで、数年前の予想はボロボロになってしまっていますし。ということで、中国の内実はますます不明です。
■十倍ならば囲めの兵法■
中国の場合は毛沢東主席の昔から、強い相手とは戦わない、というのが基本にあります。戦力で圧倒できると踏んだ時以外は、博打はしたがらない。夷を以て夷を制すとか、中華で兵法が発達したのは、基本的に戦争に弱いからです。北方の遊牧民族には、漢の高祖劉邦からして勝てませんでしたから。秦・隋・唐・元・清と征服王朝ですし。結果、戦力が十倍ならば囲めの兵法が基本に。勝てると思って読みを間違い、中越戦争を起こしたりはしましたが。
朝鮮戦争は、このままだと米軍に押し切られそうだったので、義勇軍として本格参戦しましたが。例外的。台湾侵攻をやるとしたら、電撃作戦で短期的に占領できる目算がついたら、やるかもしれませんが。ミサイルの飽和攻撃で、台湾を焼け野原にする気はないでしょうし。空母でベトナムやフィリピンを圧迫して、セコく削っていく戦法が基本。それは、尖閣でも同じなんでしょうけれど。
■太平洋抑止構想と日本■
現実問題、アメリカのF-15は未だに公式には撃墜されたことはなく。いわんやF-22やF-35と中華戦闘機との性能差は大きいですしね。台湾はアメリカから、F-16の供給を受け、米軍と自衛隊の連携で、守りは問題ないでしょう。世界の軍事費の半分をアメリカ一国で賄い、もっとも多くのノーベル賞科学者を抱える国力の差は、現実より巨大です。記事にあるこの予算獲得も、経済戦争のカモフラージュに思えますし。
日本が自主防衛の枠を広げても、アメリカのコントロール下に置かれるのは確実で、戦前のような軍事大国にはならない……というかなれない。アメリカが中国を、ソビエト連邦のように叩いたら、たぶん次に台頭してくるのはインド経済圏。日本は3位から5位のポジションで、アメリカ親分に睨まれない程度に、立ち回るのが吉でしょうね。中国が解体され分割されたら、アジア経済圏も変わるでしょうし。アメリカ経済圏・欧州経済圏・東アジア経済圏の三極を作れれば、日本はそれなりのポジションを構築できるかもしれませんが。
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