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エネルギー問題あれこれ

■潮流発電の可能性■

エネルギー問題は国の大事、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。ということで、脱第三世代原発派の自分ですので、代替エネルギーの問題には興味は、普通の人よりありますから。いくつか見かけたエネルギー問題関連の報道を、まとめてみますね。先ずは潮流発電。コチラも地熱発電などと同じで、場所を選ぶ発電方法ですが、四方を海に囲まれた島国日本というのは、内陸国にないメリットがありますので。

【原発2基分の潜在性 「潮流発電」を再生エネの一翼に、長崎・五島で実証実験】産経新聞

 春の暖かな陽光が波間できらきらと照り返す。エメラルドグリーンの海は底まで見通せるほど透き通っている。長崎県五島市・奈留島沖の海域「奈留瀬戸」。穏やかな海面とは裏腹に海中の潮流は速い。これを利用する「潮流発電」の実証実験が始まった。天候に左右される風力や太陽光と比べ、潮の干満によって生じる潮流は安定性が高く、発電量は満ち引きに連動する。日本が政策を総動員して目指す「脱炭素」に向けた貴重な再生可能エネルギーになり得るとの期待が高まっている。

九州だと下関市と九州の間にある関門海峡とかも、潮流発電の好適地とされてた記憶が。干潮と満潮の差が激しい有明海とかも、可能性はありそうですね。少なくとも、山を丸裸にしてソーラーパネルを敷き詰める、なんて環境破壊しまくりの愚策よりも、マシでしょう。ただ、大規模な発電力は記事で言うほどあるのか、そこは繰り返し書きますが、不明です。あと、干潮時と満潮時のピークでは、発電量は減るでしょうし。

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■水素エンジンの可能性■

続いて、水素エンジンの話題。自動車に関しては、TOYOTAが力を入れていますが。船舶とか列車とか、大型の運搬用の機器で、燃料の積み込みとその管理に余裕があるモノの方が、便利でしょうね。特に船舶は大型船であればあるほど、余裕がありますから。海洋国家日本、コチラにも期待です。もっとも水素に関しては、割と可能性を感じています。もっとも、それは主たるエネルギー源というより、副次的なエネルギーとしてなんですけどね。

【脱炭素の答えは水素? 船の水素エンジン開発で新会社設立へ 川重・ヤンマー・J-ENG】乗り物ニュース

 世界の物流を担う海運業界では、「脱炭素」「排出ガスゼロ(ゼロエミッション)」の流れが急速に加速。2050年には内航海運のゼロエミッションを達成するという目標が立てられています。現時点で、次の燃料としてLNG(液化天然ガス)船の実用化が進んでいますが、「その次」はバッテリーになるのか、はたまた、炭素を含まないアンモニアや水素になるのかが模索されています。

何度か書いていますが、第四世代原子炉は、いろんばタイプが研究されています。その中で、もっとも実用に近いのが、超高温ガス炉。小型モジュール炉とも呼ばれますが、メルトダウンしにくい構造で、その名の通り高温のガスが発生するタイプ。これを利用しての製鉄や、石炭液化、水素精製などが可能とされます。こことの絡みで、第四世代原子炉で水素を生成して、それを船舶や自動車の燃料、あるいは火力発電に回す可能性が拓けます。

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■人工光合成の可能性■

そして、人工光合成。これは、TOYOTAの系列の研究所が一気に発電効率を7%台に引き上げ、実用化の目安と言われる10%までググッと迫ったのが大きいですね。しかも、葉緑体による光合成がデンプンや果糖などの炭水化物を合成するのに対して、コチラはギ酸を作るってのが、興味深いです。ギ酸は水素を含むので、ここから水素を取り出して燃料にするという。ちなみに、下記にリンクしたこちらの記事は、分かり易くて良いですね。

【「人工光合成」トヨタ系研究所が世界を一歩リード! その「夢の技術」とは?】新潮社フォーサイト

2021年4月、「豊田中央研究所が世界最高水準の人工光合成に成功」というニュースが大きく報じられた。SDGsやCO₂削減といった言葉が世に溢れる中、この件は科学系のニュースとしては珍しいほどの反響があった。「人工光合成」は現代化学の最重要テーマの一つであり、アメリカでは1億ドルレベルの予算がつけられたプロジェクトが複数走っている。日本では、2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏も人工光合成のプロジェクトを立ち上げた他、東芝やパナソニックも力を入れている。なぜ、世界中が注目する「夢の技術」と呼ばれるのか。『炭素文明論』の著者が、その意義と今後の展望を、ごく基礎的なところから解説する。

今後の技術と思われてたのが、一気に実用化が見えてきたのは大きいですね。エコロジカルという点でも、期待は大きいです。もちろんコチラも、問題はあります。そもそも高温多湿で雨が多い日本は、日照時間が短いんですよね。秋田県とか、カリフォルニア州の半分ぐらいしかないほど。なので、日本国内の発電より、砂漠地帯があるような広大な国で人工光合成でエネルギーを作って、それを輸入したり、地産地消するのはあり。

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■エネルギー問題は総合的に■

さて。エネルギー問題は、バラ色の解決方法があるわけでは無いです。ただ、昔読んだブルーバックスなどにも、オイルサンドやオイルシェールが利用できるようになれば、石油の枯渇はさほど心配いらないと、ちゃんと書いてあったんですよね。オリノコ川や南米の埋蔵量にも言及してあったような。石油がもうすぐ無くなるぞ〜という、オオカミ少年の内実にも言及されていて、お手軽な新書でも、ちゃんとした研究者はちゃんと書いてるわけで。

総合的に、いろんな代替エネルギーを探し、研究し、検討するのが大事。でないと、先ず脱原発の結論ありき、先ず脱炭素社会の結論ありきで選択肢を狭めても。みんなで貧しくなろうとのたまっていた上野千鶴子東京大学名誉教授が、いざとなったら日本はワクチンも開発できない劣化した、二流国に転落したと、騒ぎ出すダブルスタンダードの醜態を晒すわけで。科学を克服するのは科学。地道な研究者の努力に、可能性はあると言うことで。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ



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