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中国空母打撃群が南西諸島攻撃の訓練

◉南西諸島とは、大隅諸島→吐噶喇列島→奄美群島→沖縄諸島→先島諸島(宮古列島と八重山列島)→尖閣諸島と連なる島嶼部のこと。沖縄諸島の東に離れて大東諸島も含まれますが。自分にとっては、故郷・鹿児島県の島々も含まれますので、穏やかではないですね。中国の威嚇ですが、台湾でもアメリカの下院議長が訪台したら、訓練と称して軍事的内閣をして、日本の排他的経済水域内にミサイルを着弾させてきましたから。アメリカがどこまで、台湾有事の情報を掴んでいるかはわかりませんが、いつ攻撃してきても備えておくのが兵法の常道ですから。

【中国空母打撃群が「南西諸島攻撃」訓練…習氏指示で安保3文書決定の日に開始】読売新聞

 【北京=大木聖馬】今月16日から沖縄県南方の西太平洋で活動している中国軍の空母「遼寧」を中心とする空母打撃群が、日本の南西諸島への攻撃を想定した訓練を実施していることがわかった。中国政府関係者が明らかにした。 習近平シージンピン 国家主席が、日本政府の「国家安全保障戦略」など安保3文書の閣議決定に時期を合わせて訓練を開始するよう指示したという。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20221221-OYT1T50235/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、後に空母に改装される巡洋戦艦赤城の写真を、自動でカラー化したやつだそうです。

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■大陸国家と海洋国家■

中華空母打撃群ですが。実力的には、アメリカの原子力空母を中心とした空母打撃群とは、実力は比較にならないでしょうね。そもそも、艦載機がどの程度の実力かさえ、わかりませんが。空母遼寧と山東はスキージャンプ方式ですし、最新の空母・福建は電磁カタパルトを搭載する予定ですが、これも未知数。ハッキリ言えば、1894-95年の日清戦争で海軍が大打撃を受けてから、中国は事実上の海軍は壊滅状態が、長く続きましたし。

その歴史に関して言えば、戦後からようやっと再建してきたわけで。ただ、艦艇の数はガンガン揃えていますけどね。これは自国の造船産業を育てるという意味もありますし、雇用対策の面もあるでしょう。韓国の造船業にも、そういう側面がありますからね。歴代の中華王朝というのは典型的な大陸国家であり、陸軍中心。海洋国家としての側面は非常に薄いです。この点において、陸軍国家と海洋国家の両方を兼ねるアメリカとは、差があります。

■島嶼部が多すぎる日本■

日本にとって怖いのは、実は空母打撃などではなく。この鹿児島から沖縄にかけての膨大な数の島に、北朝鮮の工作船よりももっと高性能な艦艇で、もっと多くの数で個別に侵攻してきたら、どこまで防御できるかという問題はありますね。日本には無人島6432島があり、有人島数は416島ありますから。その中で南西諸島の総数は198島(薩南諸島38島・琉球諸島160島)あります。有人島は18島と47島で、65島です。思った以上に多いですね。

ここを個別に攻撃された場合、防御が分散されてしまい、かなり厳しいといえば厳しいんですよね。もちろん海上自衛隊や海上保安庁としては、それなりの備えはしているでしょうけれど。四方を海に囲まれた日本は確かにそれが防御壁にもなりますが。林子平が『海国兵談』で「江戸の日本橋より唐、阿蘭陀まで境なしの水路なり」と喝破したのが1791年、231年経っても防衛論というのは、そうそう変わらないものです。

■ノウハウは段階的に吸収■

自分が強襲揚陸艦の配備に期待するのは、コレがあるから。すぐ空母空母という人間がいますが。現在の日本の軍事費では、軽空母でも運用は手に余りますから。そもそも、そういうノウハウは段階的に身につけていかないと難しい部分があります。日本が空母を所有していたのはもう77年前。その頃の空母と現在の空母では、運用のノウハウも全然違いますからね。中国は一足飛びに空母に手を出しましたが、これには疑問です。

その意味では日本が全通甲板の艦艇において、おおすみ型輸送艦→ひゅうが型護衛艦→いずも型護衛艦 と段階的に大型化に移行して行ったのは、正しいやり方に思えます。多分次のステップは、ウェルドックを備えた強襲揚陸艦がベストの選択であり。星のや使用目的などを考えると、空母に手を出すよりも強襲揚陸艦を4隻体制にする方が、災害救助の使用なども含めて日本に於いては合理的に思います。

■中華空母は怖くない?■

ウクライナ侵攻でバレた、ロシアの軍事技術からすれば。F-35Bを20機艦載した強襲揚陸艦に対して、中華の空母打撃群は24-36機を艦載できますがたぶん、相手にならない可能性が高いです。第4世代機である F−15でさえ、公式には一度も撃墜されたことがなく。ロシアの最新鋭の第5世代戦闘機でステルス機でもあるSu-57でさえ、格闘戦においては負ける可能性が十分あるわけで。ところがF-35はF-15に模擬戦で完勝していますから。

しかし。コレが小型の工作船や特殊潜航艇で島嶼部に上陸し、住民を人質にとったら。日本のアホなマスコミは、人命第一だ中国の言うことを全部飲め、と言い出しかねない危うさがあります。尖閣列島にしても、中国の漁船が大挙して押しかけていますが。その中に漁船に偽装した工作船を紛れ込まされたら。真に警戒し恐れるべきはこちらに思います。素人考えですので、専門家の方の島嶼部防衛のご意見とか知ることができれば、ありがたいですが。

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