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実は弱かったアノマロカリス?

◉アロマノカリス……じゃないアノマロカリス。実際の英語の発音はアノマロキャリィスに近いようですが。カンブリア紀の頂点捕食者として有名な生物であり、当時としては確かに圧倒的な体格を誇っていたのですが……。どうもそこまで強くなかった疑惑が。しかし現代の地球を見ても、もっとも身体が大きいのは陸上だと草食動物のゾウであり、海中だとオキアミなどの大型プランクトンが主食のシロナガスクジラ ですからね。

【アノマロカリスあまり強くなかった!?三葉虫を襲うと「腕が折れる」と判明】ナゾロジー

約5億年前のカンブリア紀に存在した「アノマロカリス」は、最も有名な古生物のひとつです。
当時の生態系の頂点捕食者であり、硬い三葉虫でもバリバリ食べていたと考えられてきました。
しかし新たな研究の結果、アノマロカリスは硬い獲物を食べるのには不向きだったことが判明したのです。
アメリカ自然史博物館(AMNH)によると、アノマロカリスの歯や2本の付属肢では、岩のように硬い三葉虫の殻を砕くことはできず、逆に破損する可能性が高かったという。

https://nazology.net/archives/129357

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、三葉虫の化石です。

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軟骨魚類でも、ジンベイザメが最も大きいな種ですが、こちらもプランクトンが主食。恐竜を見ても、最大のグループはディプロドクス科やブラキオサウルス科などの雷竜で、草食動物ですからね。海の中だけ、肉食動物が最大体長というわけではないでしょうし。アノマロカリスもあんがい、当時は豊富にいた海底の軟体動物とかを、大量に食べて巨大化していただけ……なのかもしれませんね。

三葉虫は三葉虫で、これだけ大量の化石が残っているのですから、大繁栄した生物なのは間違いなくて。当時の山羊や羊みたいな存在だったのか。さらに、化石に残りやすいということは、それだけ固い外骨格を有していたという証拠ですから。簡単にバリバリと食べることが出来たわけでもないようで。そして、比較的弱い外骨格の生物とか、化石も残りづらかったでしょうしね。

恐竜だって、化石が残りやすい巨大なタイプが目立ちますが、平均すれば猫や犬ぐらいの大きさが、主流だったとか。カンブリア紀の、多種多様な生物の研究はかなり進んでいますが、まだまだこれから新発見が続いて、どんどんと謎が解明されていくのでしょう。進化というのは壮大な、推理小説のようなものですから。こうやって新たな説が出てきて上書きされて行くのは、本当に楽しいですね。

個人的にはアノマロカリスは、その形状が頭足類のイカに似ているなと、つくづく思います。コウイカとかが泳ぐ姿は、体側のヒレを使っていて、まさにアノマロカリス。触腕は、アノマロカリスは2本のエビに似たものですが。イカも10本の脚のうち、2本は触腕として特殊ですからね。これも一種の収斂進化。軟骨魚類のサメと、広硬骨魚類のマグロと、爬虫類のイクチオサウルスと、哺乳類のイルカが、どれも似た形状をしてるのと同じ。

さて、そうなるとアノマロカリスがジンベイザメ やシロナガスクジラのような生態的地位ならば、ホホジロザメ やシャチのような生態的位置の、カンブリア紀のモンスターがいるはずです。そういう部分でも、イロイロと研究が進むと、面白そうですね。地球の生物史は、絶滅と収斂進化を繰り返しながら、少しずつ変わっていっているという印象ですから。進化は壮大な推理パズル。

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