見出し画像

日英の次期戦闘機開発計画が統合?

◉アメリカと共同開発予定だった次期戦闘機ですが、イギリスとの共同開発に変わったのは、驚きでしたが。次期戦闘機と言っても主力戦闘機ではなく、いわゆる支援戦闘機。現在のF-2戦闘機の後継機ですから、性能的にはF-22やF-35には及ばないけれども、値段がある程度安くて多目的に使えて、日本の防衛状況や防衛コンセプトに合ったもので、なおかつ国の航空産業育成にもプラスになることが大事ですからね。そうなると、方向性はだいたい決まってきますよね。イギリスの次期戦闘機テンペストと、似てくるのは必然でしょう。

【やっぱ似てきた? 日本の次期戦闘機と英「テンペスト」新コンセプト 開発計画“統合”の可能性】乗りものニュース

イギリスが新戦闘機「テンペスト」の新たなコンセプトモデルを公開。日本の次期戦闘機のイメージと似ているうえに、展示場所は日本ブースの隣でした。両機の開発が統合される可能性はあるのでしょうか。

https://trafficnews.jp/post/120853

ヘッダーは、日本の防衛庁が配布した次期戦闘機のイメージ画です。

■日本と英国は海洋国家■

日本とイギリス、共通するのは島国ということ。しかも、大陸に隣接する。こういうのは、インド半島の横のスリランカや、アフリカ大陸の横のマダガスカル、アメリカ大陸の横のキューバとか、けっこうあるんですが。東南アジア各国も、中国大陸に接しますしね。しかし世界的な経済大国で、海軍が強いという点では、日本とイギリスは似ていますね。というか、明治時代の日本海軍は、イギリス海軍お影響が大きく、カレーライスとかもイギリス経由ですからね。

島国というのは領海が広く、しかも敵国から攻撃されたときの防御にもなれば、逆に足枷にもなる部分が。それこそ、戦闘機は墜落したらパイロットは脱出できても溺れ死んだり、サメに食われる危険性が。だから、航続距離が長いタイプってのは、パイロットにとってはすごく安心感があるんだとか。ゼロ戦も、とにかくその航続距離の長さが大変にパイロットに好評だったそうで。うちの田舎は海軍の航空隊の吉が合ったので、そこらへんは剣道の恩師とかにも聞いた記憶が。

■欲しいのは脚の長い双発機■

そうなると、スピードとか格闘戦闘能力を多少犠牲にしても、航続距離が欲しい。そうなると、エンジンがひとつの単発機は、実はあまり好まれないんだそうで。F-14やF-15、あるいはF-22のような双発機が、日本としてはほしい。片方のエンジンがトラブルでダメになっても、もう片方のエンジンでなんとか帰還できるという点でも、領海が大きく戦闘は海上でという島国としては、これは譲れない。F-35はその点では大出力のジェットエンジンとはいえ、単発機ですからね。

日本は、ゼロ戦の昔からエンジンパワーにかけるんですよね。これは車のエンジンもそうで、やはり大出力のエンジンという点では、アメリカには遠く及ばない。ようやく、F-22のエンジンレベルに追いつきましたが、F-22の試作機って1990年ですからね。自分は保守派ですが、国粋主義者は大嫌いですから、彼我の実力差を認めない人間とは、議論になりませんから。軍事予算が日本の15倍ぐらいあって、軍事研究の歴史も蓄積も桁違いで、ノーベル賞級の科学者が世界中から集ってるんですから、当然ですね。

■海洋国家と半島国家の類似点■

で、アメリカのように潤沢な予算はないから、1機種で多目的に使えるマルチロール機が、日英共に重要。戦闘機にもなれば、爆撃機にもなり、なんなら偵察機にもなる。日本の零式艦上戦闘機とか、F-4ファントムとかは、そういう戦闘機でしたが。F-2も対艦番長と呼ばれるように、対艦攻撃に適した戦闘機であり爆撃機。日本やイギリスのような国は、海からの攻撃がありますから、これは当然ですね。ミサイル防衛とは別に、敵の揚陸艦や空母打撃群を食い止めないとだめ。

そうなると、日本もイギリスもコンセプトが似てくるのは当然ですね。記事にはイタリアとイギリスの関係強化が書かれていますが。半島国家のイタリアも、三方が海ですから日本やイギリスとコンセプトは似てきますよね。そういう意味では、韓国とか北欧の半島国家も、引き込めると、さらに良さげ。ここらへん、韓国に対して含むところがある国粋主義者や嫌韓房もいるでしょうけれども、こういうのはもう共同開発でないと良い機体は造れませんから。

■各国のハイ・ロー戦略■

アメリカは戦闘機はハイ・ロー戦略があり、高価で強力な戦闘機と、安価で汎用性の高い戦闘機という組み合わせで、質と量を担保しているのですが。昔は空軍はF-15とF-16の組み合わせでしたし、海軍はF-14とF-4の組み合わせでしたし。今だとF-22とF-35Aという組み合わせですし。アメリカの圧倒的な軍事力を維持するため、F-22は他国に輸出禁止ですからね。第6世代戦闘機の開発も進んでいますし。であるならば、西側の他国は、F-35の下のロー担当の戦闘機ぐらいは、自国で開発させてくれよと。

今後の共同開発を考えれば、自由主義陣営の親分であるアメリカとしても、子分の国の航空産業がある程度育つのは、認めてやらにゃあと。F-16レベルの戦闘機ぐらい、自国開発させてやるか、ってなもんでしょう。どうせ、宇宙産業ではアメリカの圧倒的優位性はありますし。そこらを見越して、安倍元総理とかがアメリカに話を付け、イギリスとの話をまとめたのかな、と。日米英ともに、悪くない話ですからね。でなければ、エリザベス女王から皇室へ、弔文が届くはずもなく。

■どうなる次期戦闘機開発■

では、次期戦闘機はどうなるか? わたしゃ専門家どころか、軍事ヲタでもないですから、要ワカランですが。F-35の開発コンセプトが、参考になりそうな。F-35は機体の基本設計を共通させつつ、空軍用のA型と海軍用のB型、正規空母が持てない国用のB型という3機種を用意しましたが。日英の次期戦闘機も、ステルス戦闘機としての設計の基本所は共通させつつ、エンジンは自国開発のものでも他国のものでも積める汎用性をもたせ。

ミサイルなどを収容するウェポンベイも、ある程度の柔軟性があって、自国開発のミサイルを各種搭載する柔軟性をもたせ。アビオニクス部分はアメリカの技術を入れつつ。でも目指すはステルス版F-16であって、日本が独自開発すればアメリカにも負けない戦闘機が生み出せるとか、石原慎太郎氏的な妄想が通用するはずも無し。MRJの体たらくを見ても、日米の実力差は大きいのですから。日本は塗料やら素材の面で、強みを活かせればいいでしょう。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ


売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ