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アンモニアが発電燃料の本命か?

◉さてさて、昨日は豊田中央研究所の人工光合成のニュースを書きましたが。そちらにも大いに期待しつつ、それだけにオールインするのは危険ですからね。第四世代原子力発電と併せて、個人的に期待するのはアンモニア火力発電。風力発電や太陽光発電、波力発電といった再生可能エネルギーにはほとんど期待できませんが、むしろ古くて新しい、こちらの火力発電所の燃料に期待です。

【ジェラが懸けた「アンモニア」が、水素を抑えて発電燃料の本命になり得る理由】ダイヤモンド・オンライン

水素に窒素を加えて製造されるアンモニアを発電燃料として着目したのが、東京電力と中部電力の火力発電部門と燃料調達部門が統合した国内最大の発電事業者、ジェラである。特集『1100兆円の水素バブル』(全8回)の#5では、水素よりアンモニアが“本命”となる可能性を秘めている理由に迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

元記事は有料記事ですので、そこには触れず、アンモニア火力発電の可能性について、アレコレ。過去に書いたこととも重複しますが、重要なことなので何度でも書きますm(_ _)m

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■連環するエネルギー政策■

アンモニア。古代エジプトで、アモン神を祀る神殿の近くで、アンモニウム塩が採れたからだそうで。Sal Ammoniac(アモンの塩)とラテン語で呼び、コレが後にアンモニアの語源になったとか。それぐらい古くから知られた物質ですが、逆に言えば、それだけありふれた品ゆえ、貯蔵法法や利用方法も、かなり研究された存在ですから。単体だと火が消えやすいので、石炭と混ぜて燃焼が吉。

で、冷却材に水を使わずメルトダウンが起きづらい構造の第四世代原子炉の高温ガス炉。発生する高温を利用して、石炭の液化が期待されます。アンモニアを利用した火力発電所は、第四世代原子炉とも実は密接な関係があるわけで。しかも、高温ガス炉は水素生成でも、期待されているようですから、石炭-アンモニア-水素-原子力は、実はそれぞれに密接な関係があるわけです。

■問題は実用化の時期■

これに、豊田中央研究所の人工光合成の蟻酸。コチラもまた、いったん蟻酸を作って、そこから水素を取り出すという点で、新たな連環に加わったのが面白いですね。とはいえ現実的には、高温ガス炉は2029年ごろの稼働を、アメリカは目指しています。中国では今年、商用実験炉が稼働しますが、商用原子炉まではまだハードルがあるでしょうから。近未来の技術と呼んで良いでしょう。

それは、人工光合成の研究にしても同じでしょう。そもそも、目標の変換効率10%にまだ達していませんし。例えそこを短期間で達成できても、大規模な設備を作って蟻酸の大量安定生産となると、まだまだ先の話。現在のメガソーラー発電のように、環境破壊したら本末転倒です。例えば、休耕田で発電とか、洋上プラントで発電とか、高温多湿で国土の狭い日本では難しい面もあるでしょう。

■期待される水素利用■

そうなってくると、現在の火力圧電書の応用で実現可能なアンモニア火力発電所は、だいぶ現実的な選択肢と言えるでしょうね。将来の、高温ガス炉の実用化を念頭に、石炭・水素・アンモニアを念頭に置いた火力発電所の研究と開発は必須。ガスタービン発電機の研究が進めば、転換も早そうですし、そこに期待ですね。石炭とアンモニアという、昔から知られた物質が主役というのが面白いですが。

あと、アンモニアって元々、水素の貯蔵物質として、期待されていたんですよね。アンモニアはNH3、窒素1個に水素が3個くっついた構造ですから、水のH2Oより水素が多いわけで。高温を加えて、水素が分離できますから、超高温ガス炉はここでも生きてくるわけで。小型モジュール炉になる超高温ガス炉は、火力発電所と併設しておけば、緊急停止に陥ったときにも、送電線を無駄に遊ばせずに済みますね。

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