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共同通信社の劣化

◉いや、あの……ヒロポンことメタンフェタミンは戦後も1951年に禁止されるまで、日本では合法だったんですが……。一部では有名な話ですが、漫画版の『サザエさん(連載期間1946年4月22日 - 1974年2月21日)』では、磯野家の常備薬として登場します(※この記述は正確ではないとの指摘をいただきました。詳細は追記で後述)。戦後になって依存症になる人間が続出して禁止されましたが、六代目笑福亭松鶴とか一升瓶に溶液を入れて、芸人仲間と打ち比べをしていたことが、著書に残っていたりと、身近な存在でした。なにを新発見みたいに書いてるんでしょうか?

【これだけあった〝特攻隊員に覚醒剤〟外道の証拠】47News

 太平洋戦争末期、米艦に零戦機などで突っ込み、時に〝軍神〟とあがめられたり、時に「無駄死にだった」と切り捨てられたりもした特攻作戦の悲劇。出撃前の特攻隊員には覚醒剤「ヒロポン」が与えられていた。この問題は真正面から研究された様子がないが、大阪の元中学教員の相可文代さん(71)は、勤労奉仕で覚醒剤入りのチョコレートを包む作業に従事した女学生の実体験を知ったことをきっかけに独自に調べ、このほど冊子にまとめた。
 覚醒剤と知らされず服用し命を散らした若者らの悲哀と、上官や国家体制の無責任さ。志願制とは名ばかりの死への強制の中で、最後には薬物も使った特攻作戦はまさに「統率の外道」(大西滝治郎海軍中将)だ。「祖国に命をささげた美談のように語られるが、実際には覚醒剤による高揚感に満ちないと敵艦には突入できなかった」と相可さん。「実証」にこだわった研究を、冊子の記述と相可さんの言葉からたどる。引用は原文のままとした。(共同通信=真下周)

案の定、SNS上では失笑の嵐です。共同通信社と時事通信社は、本来は配信記事を書く会社なんですが、近年は妙に政治的に偏向した記事が多くなっていたのですが、こういう記者が社内で増えているんですかね? 朝日新聞を早期退職した記者とかが、再就職先として迎え入れられているとか? 内実はわかりませんが。ちなみに、ベトナム戦争映画『プラトゥーン』などでも描かれているように、戦場では普通に合法的に配布されていました。

現代でも割と最近まで、米軍のパイロットにはデキストロ・アンフェタミン、通称スピードが投与されていましたしね。日本では覚醒剤やめますか、それとも人間やめますかで危険性が浸透しすぎた部分がありますが。アルコールも、全員が依存症になるわけでもなく。戦場と薬物の問題はもちろん批判されるべきですが、こういう無知からくるトンチンカンな記事は、かえって議論を混乱させるだけで、よろしくないですね。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

■追記■

『サザエさん』でのヒロポン描写の件ですが、あれは長谷川町子先生の『似たもの一家』という作品だそうです。お詫びして訂正いたします。正確には長谷川町子『似たもの一家(1949年から週刊朝日にて連載)』のエピソードです。ただ、登場人物はサザエさんでもお隣の伊佐坂先生で、隣家のトンダ家はキャラクターを使い回してるので、ほぼワカメ・タラ・サザエの三人と同じキャラクターです。

掲載誌が週刊朝日というのも、驚きですが。サザエさんのアニメの方にも、この『似たもの一家』のエピソードは流用されているようで、姉妹作品というかパラレルな作品ですね。掲載時期も被りますし。いいずれにしろ、既にサザエさんでヒットを飛ばした長谷川町子先生が、朝日新聞の週刊朝日にてこういうネタを書いても、別に問題が無かったというのは、当時の状況を端的に知る手掛かりですね。ありがとうございます。

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ