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ビル・ゲイツ氏が第四世代炉建設へ

◉日本の狂信的な反原発運動と異なり、普通に地球環境対策を考える欧米のエコロジストは、地球温暖化と二酸化炭素排出量を抑えるなら、現状では原子力発電が妥当と、普通に言いますからね。ビル・ゲイツMicrosoft会長も、ずっと原発推進派です。

【ゲイツ氏の原子力ベンチャー、次世代炉建設へ ワイオミング州で】ロイター通信

[ワシントン 2日 ロイター] - 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が会長を務める原子力ベンチャーのテラパワーと電力会社パシフィコープは、米ワイオミング州にナトリウム冷却型の次世代原子炉第1号を建設する。同州のマーク・ゴードン知事が2日、明らかにした。
ゲイツ氏は約15年前にテラパワーを立ち上げ、「ナトリウム」と呼ばれる次世代原子炉の開発を支援してきた。パシフィコ―プは著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイの傘下企業。今回建設されるナトリウム原子炉実証プラントの詳しい建設地は年末までに発表するとした。

このビル・ゲイツ会長に対しても、支離滅裂な陰謀論をコピペしまくる、頭のおかしい人がTwitterなどで見かけますが。普通に、第四世代原子炉の推進をしているだけですから。

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■ナトリウム冷却高速炉■

ロイターの元の記事が、原子力発電所にあまり理解がないため分かりづらいですが、たぶん文中に出てくるのは第四世代炉の『ナトリウム冷却高速炉(Sodium-cooled fast reactor 略称SFR)』のことでしょう。反原発派は技術が現時点で止まっていると無自覚に思い込んでいますが、第四世代原子炉は、暴走とメルトダウンを防ぐ工夫がされたものが多く、ナトリウム冷却高速炉もそのひとつです。Wikipedia先生の記述がよくまとまっているので、下記に引用しますね。

ナトリウム冷却高速炉は液体金属高速増殖炉と一体型高速炉(IFR)の二つの近い関係の原子炉建設の設計案である。
目標は増殖したプルトニウムによってウラン使用の効率を増加させ、超ウラン同位体が発電所から離れる必要性を除去することである。この原子炉設計では高速中性子で駆動される無減速の炉心が用いられ、超ウラン同位体を消滅、或いは燃料とする事が可能であるように設計されている。加えて廃棄サイクルから長半減期の超ウラン元素を取り除くことに利用でき、また炉心がオーバーヒートした際に炉の燃料は膨張し、連鎖反応は自動的に減速する。この特徴から受動的安全を得ているとされる。一体型高速炉は燃料サイクルに特徴付けられる原子炉のために設計されている。この炉の原型炉は建設されているが、しかしながら、同様の炉を他所にも建設する前に計画中止になっている。

ここらへんの説明とか、その記者が原子力発電について勉強しているのかいないのか、判断する基準となります。元朝日新聞の鮫島記者とか現役の三浦記者とか、反原発の本は読み漁ってるのでしょうけれど、技術については勉強していないように見えます。個人の感想ですが。ここで液体ナトリウムというと、高速増殖炉もんじゅの冷却材として使われていたのがナトリウムで、それだけで騒ぐ人が出てきそうですが。

■第四世代炉の課題と可能性■

第四世代炉は、超高温ガス炉がもっとも早く実現しそうですが、アメリカでは2029年とされています。中国では今年、商用実証炉が稼働して一歩リードですが、中国の超高温ガス炉は日本の実験炉よりも高温が出ないなど、技術的には万全かどうかは、よくわかりませんが。ビル・ゲイツ会長のナトリウム冷却高速炉は、商用稼働はもうちょっと先の商用原子炉なんですが、それでも今からこうやって投資してるのですから、本気度が伺われます。

ナトリウム冷却高速炉
ナトリウム冷却高速炉(なとりうむれいきゃくこうそくろ、英語:Sodium-cooled Fast Reactor、略称:SFR)とは冷却材として液体金属ナトリウムを使う減速材のない高速炉である。
原子力開発の初期から存在する炉型であり、世界初の原子力発電に成功したEBR-I(冷却材はナトリウムカリウム合金)も含まれる。高速増殖炉と言われる原子炉の殆どがこの炉型である。第4世代原子炉の炉型の一つに選ばれている。
液体金属ナトリウムを使う利点は、中性子をあまり吸収しないため中性子経済が良く、燃料増殖が可能であること、沸点が高いため水炉のように炉を高圧に耐えるようにする必要が無いこと、配管の腐食性が低いこと、熱伝導性がよいため除熱能力が高いこと、水とほぼ密度が等しいため水ポンプ技術がそのまま使え、大型化が可能であることが挙げられる。
欠点は、酸素や水との反応性が高いこと、ボイド反応率が正、不透明であるため燃料交換時等のメンテナンス性に難があることが挙げられる。

科学技術は日進月歩で、そこはmRNAなどのようにずっと顧みられていなかった研究が、とつじょ脚光を浴びることもあるわけで。また、こういう分野は今は総合的な技術の連携が重要。日本が強い素材研究とか、やはり原子力発電所にはイロイロと重要なようで。でも、反原発派は技術は現状のままで止まったままという、官僚のような発想をしていますね。「2位じゃダメなんですか?」とか、永遠に現状が維持されるという発想も、ある意味で歪んだ国粋主義なんですが。

■再生可能エネルギーは補助的■

もちろん、こういう選択肢はどんどん増やしておくに越したことはなく、電力の確保も多様な方が良いのは間違いないです。しかし、司法を海に囲まれてるため多湿で、日照量が世界的な平均から大きく落ちる日本に太陽光発電は不向きです。それで山林を切り開いて敷設して、そっちの自然破壊・環境破壊に無頓着とか、お話になりません。夜になれば発電できないですし、ベースの電源にはなりえません。あくまでも、補助的な電力と理解すべきでしょう。

また、風力発電は高緯度にあり、安定して偏西風が副ヨーロッパならでは。ドイツとか、ほとんどの地域が樺太と同じぐらいの高緯度で、最北端は樺太より北です。日本は、北海道まで達する台風は少ないですが、それでも意外に旭川まで被害を持たらす台風が来ます。逆に言えばほとんどの地域が台風の直撃を受けるのですから、風力発電は不向きな土地柄です。こちらも、素材研究で花ぜんされるにしても、不安定さは変わらず。過剰な期待を寄せる人は、勉強不足です。

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