韓国と油田とガス田と
◉韓国政府が慶尚北道浦項に、大規模なガス・石油埋蔵の可能性があると発表した件ですが、楽韓Webさんなどから速攻で否定的な意見が出て、内容的にも過去の歴史を踏まえた充実したものなので、特に扱う必要もないなと思ったのですが。韓国国内からも、疑問が出ていますし。そもそも、日本だって石油、産出しているんですよね。それも、かなり良質なヤツを。ただし、その量は微々たるモノですが。韓国から石油や天然ガスが出ても、不思議はないです。問題は、採算に乗るか。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、〝石油〟で検索したら出てきたイラストです。カワイイですね。
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■採掘できない地下資源■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。ちなみに、日本の地下資源の埋蔵量は、可採原油が747万キロリットル、可採天然ガスでは構造性が357億㎥・水溶性が8,248億㎥(資源量)とのこと。数字だけ見ると、凄い量に思えますが。日本で採れた原油の量は、2019年度で52.4万キロリットルとのこと。2022年度の原油輸入量は、1億5656万キロリットルとのこと。輸入量が産出量の298.77倍、全体の0.3%ですから、お話になりませんね。天然ガスの輸入量は7146万トン。新潟・千葉・北海道などで産出される国産天然ガスの割合は2.2%に過ぎません。
韓国にも油田があるのかもしれませんが、大きくは期待できないでしょう。なのに、こんなに大々的に報道しちゃうと、反動が怖いんですが。選挙で負けた尹錫悦大統領、焦っているのか? 石油自体は有機生成説と無機生成説があり、世界中のいろんな部分から出てくる可能性はあります。有機生成説だとすると、地球の約70%は海で、そこで生成されたであろう石油が、石炭より埋蔵量が少ないはずもなく。でも、その埋蔵量が韓国というか朝鮮半島や、その周辺海域にあるかと問われれば、たぶんないだろうなぁ……と。メタンハイドレートとは違いますしね。
■騒動は朴正煕政権でも■
コチラの意見が、実に重いです。地価資源の乏しい韓国には昔から、そういう石油願望はあり、朴正煕政権時代も、石油発見騒ぎがあり、そこから尻すぼみで終わったわけですが。そこは冷静な科学的見地から、否定的な意見を述べる人は、韓国にもいて。でも、事実を言うから嫌われ、憎まれ、パージされる。悲しいことです。正論を吐く人が、受け入れられないのは古今東西、世の常。しかもそれが、崔碩栄氏の叔父であったとは……。その卓見に、勉強させていただくことも多いですが、それはある意味で一族で育まれた、硬骨漢の部分があったようで。
戦前の日本も、「アメリカと戦争? 国力の差がどれぐらいあるのか、知らん田舎者が何を言ってるんだ」と正論を吐けば、袋叩きにされる雰囲気があり。昭和16年の夏、若手官僚などを集めて作られた総力戦研究所で、日米開戦のシミュレーションが行われ、緒戦は奇襲で勝利を得られても、やがては国力の差でジリ貧、最後はソビエト連邦が参戦してきて必敗と、恐ろしく正確な予想をしていたにも関わらず。戦争はやってみなくちゃわからないと、空気(ニューマ)に押されて開戦。願望と現実を切り分けるのが、理性というものなのでしょうね。
■海洋油田開発の困難さ■
韓国では、左派系のハンギョレ新聞も、今回の件には否定的です。けっきょく、もしあっても日本のメタンハイドレートと同じで、それが効率よく採集できなければ、絵に描いた餅なんですよね。海底油田は、一般の陸地の油田に比較して、試掘も採集も、格段に難易度が上がります。
地熱発電のことで、あれこれ調べていたら、温泉のボーリング調査でも、1本試掘するだけで莫大な金がかかり、原発を代替しようと思ったら全国に日本最大の地熱発電種である八丁原発電所レベルが、単純計算で444個所も必要。そんな場所を見つけようとボーリングをやれば、その100倍の試掘が必要で、調査費だけで数兆円。海洋油田調査となると、さらに莫大な金がかかりますから。夢のある話ですが、夢のままで終わる可能性が高いでしょうね。
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