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Apple創業とジョブズ

◉スティーブ・ジョブズが亡くなって、もう11年になりますか。あっという間ですね。でも、カリスマ経営者の代名詞のような人物が亡くなっても、Appleは相変わらず存在し、良い製品を作っていますから。カリスマによって劇的に状況が変わることを、私たちは夢想しがちですが。現実には、個人によって劇的に良くなることは少なく、逆に劇的に悪くなることは多いですね。自分の能力を過大評価した、カリスマになりたい症候群の人間によって。

【アップル創業まで何があったのか ジョブズという稀有な起業家の軌跡】日経ビジネス

偉大なる起業家の半生
 スティーブ・ジョブズ(以下ジョブズ)が、偉大な経営者であることに異論を差し挟む人は少ないだろう。1976年に米アップルコンピュータ(現アップル)を創業し、パーソナルコンピューターの黎明(れいめい)期に業界を席巻した実績は高く評価されている。85年、アップルで閑職に追いやられ、辞職したものの、ピクサー・アニメーション・スタジオを設立し、フルCGの3Dアニメーション映画で、米アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞の常連となった。
 その後、96年には、業績不振となったアップルに舞い戻り、宿敵ともいうべき米マイクロソフトからの支援を受けるなどして業績を回復させる。98年にはiMacの販売を成功させ、2007年にはiPhoneでデジタル機器の新たな分野を切り開くなど、大きなトレンドを生み出してきた。

https://business.nikkei.com/atcl/plus/00003/072000025/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■ジョブズの起こした情報流通革命■

これでも自分、30年もMacユーザーですからね。確かに、倒産寸前だったAppleに復帰したジョブズは、セグメントを4つに絞り、iMacの大ヒットからトランスルーセントブームをパソコン業界どころか家電業界にさえ波及させ、その後もiPodにiPhoneにiPadと、ヒット製品を世に問い、まさに世界を変えた部分はあります。ジョブスの死後、日本でも爆発的に普及したスマートフォンは、ついにテレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの旧メディアから、独占されていた情報を奪ったのですから。

これによって、情報の流通を握っていた旧メディアは、国民に知らせない権利・報道しない自由を駆使して、都合の悪い情報は隠蔽したり歌唱に報道し、逆に大したことない内容を針小棒大に報じて、政局に仕立てたのですが。スマートフォンの普及によって、極端な情報に飛びつくのは左右ともの10%ぐらいのもので、実際は80%の若者は、色んな情報や意見に接して、バランスの取れた意見を形成している方が多数派。その結果は、自民党の支持が若者ほど高く、立憲協賛者民の支持率が老人ほど高いという傾向でも明らか。

■ジョブズの垂直統合と流通革命■

思えば、Appleにとってジョブズ最大の功績は、Apple Storeではないかと自分は、前々から主張しています。これ自体は、販売代理店に払うマージンですら厳しくなったAppleが、直接販売することで利益を大きくしようとしたのですが。いわば、苦肉の策。でもAppleは、そういう苦境をおクビにも出さず、ドンキホーテのような圧縮陳列の真逆の、広々とした空間にオシャレなインテリアにと、パソコンとかに縁が遠い人間でも入れる雰囲気を重視。

立地も、日本の1号店が銀座であったように、ブランドイメージを考えてのセレクト。これが秋葉原や新橋だったら、だいぶイメージが違ったでしょう。メーカーが、流通まで自社のコントロール内に置くのは、当時は前例がほとんどないと、否定的でしたが。結果的に、Appleは自社で流通させるコントロール権を握ったのですから、これは大きいです。iPhoneで情報の流通革命が起きたように、自社でも流通革命を起こしたわけで。

■苦肉の策と背水の陣の結果論■

自分が関わりの深い出版業界も、Amazonが電子書籍によって全世界を相手に商売できるようになり、ついにPOD《プリント・オン・デマンド》によって、紙の本さえ個人が出版・流通できるようになったわけで。インターネットの出現によって、音楽・出版・映画・情報などの流通に革命が起きたわけですが。パソコンは持ち歩くには大きすぎた存在ですが、スマートフォンという携帯できる情報端末の出現によって、劇的に変わりましたね。もちろん、いい面も悪い面もありますが。

けっきょく、ジョブズは苦肉の策でやったことから、成功をつかんで結果的に世界を変えた、と。これは、写真植字(写植)の全盛時代、シェアの少なかったモリサワが、パソコン用のフォントに進出するしかなかった結果、DTPの時代の到来とともに、圧倒的シェアを誇っていた写真植字研究所(写研)を追い抜いたように。安定したところは冒険には出ず、やばいところが一か八か、乾坤一擲の勝負に出るわけで。そういう意味では、ジョブズのカリスマも、Appleの業績がもうちょっと好調だったら、発揮されなかったでしょう。

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