見出し画像

GPIFを英経済誌が高評価

◉イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズが、GPIF( Government Pension Investment Fund:年金積立金管理運用独立行政法人)を、世界中の高齢化社会が学ぶべき教訓があると、高く評価していました。日本のマスコミ、特に左派系はGPIFの資産が減った時だけ 報道しますが、5年10年のスパンで見ると、実に手堅く着実に、利益を出していますから、当然といえば当然なのですが。JBpressに翻訳が掲載されていたので、ご紹介。

【過去最大の儲けを生んだ日本の政策実験、年金運用の改革から世界中の高齢化社会が学ぶべき教訓】JBpress

 経済規模の大きな先進国の財政資源を、1年につき国内総生産(GDP)1%相当額増やせる政策を想像してみてほしい。

 この政策はまるで魔法だ。

 増税も、歳出削減も、資産売却も、後に返済が必要になる借り入れも行わないのに、カネがどこからともなく湧いてくる。

 資金繰りに困っている世界各地の政府にはとても魅力的に映るだろうが、いくらなんでも話がうますぎる。

 ところが、そのうますぎる話が本当に存在する。

 日本が擁する世界最大の年金運用基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)において2014年に行われた改革がそれだ。為替リスクと株式リスクを取ったことが奏功したのだ。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81073

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉



■132兆4000億円■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。GPIFの、最新のグラフを以下に貼っておきます。こうやって見ると安倍政権が始まった 2013年(正確には2012年末に発足)以降の数値が、素晴らしいですね。それ以前は20兆円もなかったぐらいの収益額が、第1次安倍政権下で3倍ほどに増え、今やさらに倍以上の132兆4000億円の累積額に。こういう団体ですから、 かなり手堅い運用のはずなのですが、それでもすごい数字ですね。

https://www.gpif.go.jp/

そういえば、経済評論家の上念司氏も文化放送のラジオ番組で、日銀の為替相場介入のうまさを、褒めていましたが。案外運用や為替などそちらのプロフェッショナルが、政府や日銀やGPIFには多いのか? 

■安倍政権の大改革■

日本の左派系メディアは、安倍晋三元総理の功績を認めず、むしろ貶める方向で、アラ探しを繰り返すのですが。英フィナンシャル・タイムズ紙の評価は、ニュートラルでまっとうに見えます。まぁ、日本の新聞記者は広く浅くで、政治も経済も外交も軍事も、プロフェッショナル と呼べる人間が少なく。特に経済関係はひどいですね。なにしろ日本経済新聞ですら、しばしば 突っ込みを入れられる始末ですから。自分も経済はさっぱりですが、フィナンシャル・タイムズ紙の分かりやすいです。

 安倍晋三元首相が2014年に着手した改革は、運用資産の大半が国内資産(特に、全体の60%が日本国債)で占められていたGPIFのポートフォリオを、株式が50%、国外資産が50%をそれぞれ占めるように組み替えるというものだった。

GPIFの運用資産額は、安倍元総理が改革に着手した2014年の137兆円から、現在は226兆円と165%もの伸びを見せています。もしも、安倍政権での大胆な組み替えがなかったら、運用資産額は168兆円にとどまっていた可能性があったとのこと。いやまぁ、168兆円も、十分にすごい数字に思えるのですが。でも、この改革で58兆円がさらに上乗せされ、この額は日本のGDPの約10%に相当するとの指摘。

「まさに史上最大の利益をもたらした資産配分見直しに違いない。」とフィナンシャル・タイムズ紙、絶賛に近いですね。朝日新聞や毎日新聞の記者が読んだら、頭に血が上って、血の涙を流しそうですが。大減税に国民会皆年金制度、最低賃金制度、国民皆保険制度、アジア各国との戦後補償、国連での米英の核実験批判と、高度成長期を準備した各種政策を実行した、外祖父の岸信介に負けない実績です。

■資金運用の時代へ■

もちろん、円安の恩恵もあったとは思います。でも、マスコミは円安になったらネガティブに騒ぎ、円高になったらネガティブに騒ぎと、不安アオリ産業でしかないのですが。こういう形での、運用の実績は、日本人の意識を変えるかもしれません。英フィナンシャル・タイムズ紙の記事の、小見出しにもなっている「慎重なバランスシート活用と投機の違い」というのが、大事ですね。博打を打つような投機的な運用ではなく、手堅く手堅く運用した結果、これだけの結果を出したのですから。個人でも、手堅い運用で老後の資金を地道に増やすのは、有りでしょうね。

 第5に、GPIFのポートフォリオ組み替えは、ほかの資産プールにも応用できるかもしれない。

 例えば、アジアには必要額を大幅に上回る外貨準備を維持している国が多く、日本もその一つだ。

 もし日本政府が円安を逆手にとって米ドルの準備を一部売却し、その資金で債務を一部消却する――かなり賢明な手法だ――ことを好まないのであれば、外貨準備の一部を株式に切り換えたり、外貨のままGPIFに譲渡したりすることもできるだろう。

同上

前から書いていますが、アメリカとかの大学は、授業料や寄付金を元に大学基金の資金運用で、かなりの利益を出しています。日本の大学――特に経済学部がある私立大学は、資金運用で利益を出して授業料据え置き、みたいなことをやれば、それこそ受験生も増えるでしょうに。アメリカの大学の資金運用自体は、専門部署や専門の投資会社が行っていますが、どこを使うかで、教授陣の優秀さが証明できますしね。日本人には、株とかは博打のイメージがありますが、こういう部分で意識を変えていかないと、難しいでしょうね。イギリスが金融にシフトして持ち直したように、老大国になりつつある日本もまた、金融が経済の軸の一つになっていくのでしょう。


◉…▲▼▲インフォメーション▲▼▲…◉

noteの内容が気に入った方は、サポートで投げ銭をお願いします。あるいは、下記リンクの拙著などをお買い上げくださいませ。そのお気持ちが、note執筆の励みになります。

MANZEMI電子書籍版: 表現技術解説書

MANZEMI名作映画解題講座『ローマの休日』編

MANZEMI文章表現講座① ニュアンスを伝える・感じる・創る

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ