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犬肉食禁止と文在寅大統領

◉完全にレイムダックと化した文在寅大統領ですが、ここにきて犬肉食禁止を法制定する動きを見せているようです。自分は、絶滅危惧種を食うのはともかく、科学的な根拠なく他国・他民族の食文化に口出しするのは、エスノセントリズムなんですよね。少なくとも、自分の価値観の押し付け。そもそも、犬肉食は韓国だけでなく、中国や台湾、東南アジアでも広く見られる食文化です。日本だって、鎌倉・室町時代には盛んに食され、江戸時代も存在した食文化です。

【愛犬家の文在寅大統領が突然「犬肉食禁止」と言い出した理由】NEWSポストセブン

 任期満了まで8か月を切った韓国・文在寅大統領の発言が、同国内で波紋を広げている。9月27日の金富謙首相らとの定例会合で、食文化として根付いてきた“犬肉食”を禁じる法制定について、「検討する時が来た」との見解を示したからだ。愛犬家からは歓迎の声が上がる一方、「民族の食文化を冒涜している」との批判もある。
 韓国では古くから犬肉スープの「補身湯(ポシンタン)」や、スライスして茹でた犬肉の「スユク」といった料理が滋養食として珍重されてきた。街には専門店もあるが、その数は年々減少しているという。

ヘッダーのイラストはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。内容的に、普通の犬の写真やイラストは、使用拒否されるでしょうから。

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■愛護の皮を被ったエスノセントリズム■

自分は犬より猫が好きですが、愛犬家が何故か知り合いに多く、まぁそういう人は犬肉食文化は嫌いですが、それでも「それが好きな人にあーだこーだ言う気はない」って人が一定数います。上原善広氏の『被差別の食卓』でも指摘されていますが、食文化というのは容易に差別に転化するんですね。そもそも、宗教的なタブーと食は結びついています。ムスリムの豚やヒンディ教徒の牛とか、ユダヤ教徒の鱗のない魚や奇蹄目への禁忌が有名ですが。

それは鯨にしろ馬にしろ、同じなんですけどね。自分はむしろ、特定の宗教が自分たちの教えを広める地均しとして利用してる疑いさえ持っていますけどね。シーシェパードがシェパード(牧者=キリスト教では迷える子羊を導くキリストの意味)や信仰の杖を団体のマークに入れておきながら、宗教とは無関係でぇ~すとか、誰が信じるのか。キリスト教徒側から「紛らわしい真似をするな」という声が多数は出ないことからも、消極的賛成ではないかと疑う次第。

■韓国国内の犬肉の法的問題■

ちなみに、日本書紀に記された天武天皇5年の肉食禁止令で、五畜として牛・馬・犬・猿・鶏が挙げられています。昔の日本人は豚を食わず、代わりに猿を食べていたんですねぇ。豚肉の普及って意外と遅く、西日本と東日本で差がある理由でもあります。生類憐れみの令も、尾張藩の武士の日記『鸚鵡籠中記』を読むと、地方ではあんがい無視ていますし、薩摩藩とか江戸時代も普通に食べていますからね。モンゴル人が馬を食うように、親密さと食文化は別かと。

韓国の問題点は、実はこの伝統の犬肉食の文化を、グレーゾーンに置いてごまかしてることなんですよね。普通は、牛・豚・鶏などは食品衛生法みたいなものが各国にあり、流通にあたっては伝染病や食中毒を起こさないように、各種の制限や規定があります。動物保護法第7条も犬の食肉用屠殺を明示的に禁止していないんだそうで。韓国における犬は食肉でもないが食べるのを禁じられず、物愛護法の埒外にも置かれて、でも年間100万頭が消費されています。

■犬肉食は伝統文化か?■

食肉として把握されていないので、2016年で200万頭から300万頭という説もあります。100万頭だと中型犬1匹当たり15~20キロぐらいの肉だとすると、1500~2000万キロ=1万5000~2万トン。日本の馬肉生産量は5000トン前後、消費量が1万2000トンちょいなんですが、それと比較してもなかなかの消費があります。200万頭から300万頭だとすると、最高で6万トンになります。日本と韓国では人口が2.4倍以上違いますから、これで年寄りが食ってるだけの特殊な文化って、言えますかね? 

ちなみに日本では牛肉は127万トン、豚肉が242.1万トン、鶏肉が216.7万トンの消費量のようです。鯨肉は1964年の15万4000トンをピークに減り続け、2017年の消費量はわずか3000トンほどに落ち込んでいます。それでも、日本の食文化を守るため、IWC(国際捕鯨委員会)を脱退しました。世界から孤立するだの、松岡洋右の国際連盟だったに匹敵する暴挙だとか、批判されましたが。お母さん食堂やKuTooや夫婦別姓裁判同様、世界はそこまでクジラに関心はないということでしょう。

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