京都市長選挙雑感
◉自由民主党・立憲民主党・公明党・国民民主党が推薦した松井孝治氏が、僅差の勝利。まぁ、与野党相乗りですから、当然といえば当然なんですが。でも出口調査では、福山和人氏のほうが優勢だったのですが、さすがイケズな京都市民。本心は素直に明かさない。まぁ、迂闊に「松井候補に投票しました」とか答えたら、後をつけられて住所を突き止められ、どんな嫌がらせを受けるか、わかりませんからね。取り敢えず、無難な候補の名前をあげるのは、歴史のある都市の処世術。個人的には、思ったより村山祥栄候補と二之湯真士候補に、票が行ったなという印象です。無党派層の票が流れましたかね?
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、京都タワーの写真です。
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■反自民は政策に非ず■
接戦でしたが、実際は保守系候補が事実上の3分裂した結果、票が割れて苦戦しただけで。松井候補は元々、民主党政権のときは民主党の参議院議員で、どっちかといえば立憲民主党や国民民主党に近い候補で、自公が有能な候補に乗った感じ。日本維新の会と新党の教育無償化を実現する会が、元市議の村山祥栄候補を推すはずでしたが、取りやめに。前原誠司代表の地元が、京都でしたからね。けっきょく、維新が自主投票になったことも、混乱に拍車をかけました。
・武蔵野市長選挙
・八王子市長選挙
・京都市長選挙
これで、革新系は三連敗。福山和人候補は今回16万1203票で、前回が16万1618票、これが組織票の力ですかねぇ。でも、前回より票を減らしています。しかも前回の選挙より0.96ポイント高くなり、投票率はわずかとはいえ上がりました。投票数が上がったのに得票数が下がってと、左派の「投票率が上がれば革新系が勝つ」幻想を打ち破った点で、福山候補はいい仕事をしました。でも、福山候補の支持者というか、共産党支持者というか、反自民党勢というか、とにかくそういう人達が、いたく立腹です。
自民党とズブズブの市長か、共産党とズブズブの市長の、どちらを選ぶかで、京都市民は前者を選んだ、ということでしょう。反自民が自己目的化すると、もともと民主党系の政治家であった松井氏でも、こうやって攻撃する党派性丸出しの姿勢。この人達は、共産党支持で反自民党であって、本当に京都市のことなんか考えていません。だから、負けた途端に武蔵野市も八王子市も京都市も、罵詈雑言を浴びせるんです。そういう姿勢が、嫌われているのに。
■脱共産党が勝利の鍵■
群馬県前橋市長選挙では、保守王国群馬で革新系が勝利と、はしゃいです人もいますが。あれは京都市長選挙と同じで、保守系候補の分裂で票が割れたのが原因のひとつです。投票率も前回よりもダウン。また、連合群馬の推薦や共産党系の市民団体の支援を受けても、政党からの推薦は受けず選挙戦を展開し、無党派層の支持を得た小川候補が、漁夫の利を得た面が大きいです。つまり、共産党から距離を置いて、無党派層からの支持を得た点が大きいということ。そういう意味で、三連敗したのは共産党、と言えます。
これは、2021年衆院選・2022年参院選・2023年統一地方選挙で、もうすでに失敗と出ている野党共闘を推す、共産党シンパの破綻でもあります。無党派層という最大の票田にとって、無駄に攻撃的で口汚い共産党支持者から、距離を置くことが勝利への道だと、今後への戦訓となるでしょう。八王子市長選挙でも京都市長選挙でも、無党派層は第三極の候補に票が流れています。でも、候補を一本化したら、極右も極左も嫌いな無党派層は、別の候補に流れるだけです。立憲民主党は党内の旧社会党系や共産党シンパを切って、中道左派に回帰するのが良さ気。
■福家和人候補の見識■
さて、この福家和人候補ですが、過去にこんな発言をして、未だに撤回も謝罪もしていないようですね。汚染水なんて、放出していません。処理済みすいです。もっと言えば民主党政権では、朝日新聞は同じものを〝浄化水〟と呼んでいましたけどね。国際原子力機関(IAEA)の査察を受け、そのメンバーには中国や韓国の研究者も入っています。トリチウムなんて、世界中で自然生成され、福家和人候補の体内や体表にも、存在する程度のものです。科学音痴の市長が誕生しなくて、本当によかったです。
非科学的で、間違いだらけ。案の定、コミュニティノートが炸裂しています。さらに福家和人候補、慰安婦問題についてもこんな事も言っています。2021年の段階で、こんなこと言ってる歴史音痴が当選せず、ほんと良かったです。当選してたら、群馬の慰霊碑を京都にとか言ってたかもしれませんね。軍の関与とか不法性とか、とっくに破綻した言葉遊びを繰り返し時点で、吉見義明中央大学名誉教授の受け売り。歴史音痴でもありますね。その問題は、最終的かつ不可逆的に解決済みです。
掲げている政策『すぐやるパッケージ』もメチャクチャで、約110億円の財源も、宿泊税UPで年70億円・観光協力金の創設で年20億円・公共事業の見直しで年20億円=合計110億円は確保できると、机上の空論というか取らぬ狸の皮算用をしていますが。京都の人間ゆえ、ホテルの高さと質の悪さとか、知らないんでしょうねぇ。地元の人間はホテル、利用しませんからね。数は足りないし質は悪いしで、大阪にホテルを取って京都観光って状況も、理解していないのでしょう。木曽崇さんの指摘が、正鵠です。
科学音痴で歴史音痴で経済音痴、そして何より政治音痴。もうどうしようもないですね。事実上の保守3分裂で勝てないんですから、よほどのことでも起きないと、今後もなかなか勝てないでしょうね。共産党は今後、どんどん組織票を減らすでしょうし。京都市は危機を回避しました。
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