大型空母と小型空母、どっちが有利?
◉中国がウクライナから空母を購入し、自国でも二番艦山東、三番艦福建を建造するなど、海軍力の充実に注力しているせいで。日本でも空母を保有論が騒がしいですが。アメリカのような原子力空母を運用するには、莫大な軍事費が必要ですから。日本の国力にあった現実的な運用が重要でしょう。その意味では、戦前の日本やアメリカの空母運用は貴重な教訓として、現在を考えるヒントになるでしょう。温故知新、ということで。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、空母赤城の自動カラー写真だそうです。
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■カタパルトが変えた戦略■
詳しくは、リンク先の全文を読んでいただくとして。空母は、理想的には大型空母を多数持つ、です。実際アメリカは東京タワーとほぼ変わらない全長の原子力空母を、10隻も運用しています。湾岸戦争では原子力空母ではない旧式のタイプも加わっていましたね。さらにアメリカ級の強襲揚陸艦も、12隻の配備が計画されています。こんな運用は日本には無理ですから。だから戦前の日本は、中型空母に舵を切ったわけで。
アメリカ真珠湾攻撃で空母の有効性を認識すると、週刊空母の勢いで建造を始めるのですが。その空母の多くは小型空母に属するタイプなんですよね。でも小型空母でも、カタパルトがあるかどうかって、大きいんですね。このカタパルトはアメリカの研究が他より頭一つ上にあり。現在の件原子力空母でも、蒸気カタパルトの技術を持っているのはアメリカだけ。中国の空母福建は電磁カタパルトを実装するようですが、本当に可能かどうかは未知数。
今後は、日本が空母を持つか否かの議論がありますが。韓国のように見栄えを気にした一点豪華主義では、軍事は意味がありません。空母の運用には最低でも3隻を用意して、一隻は訓練用、もう一隻はメンテナンスに回さないといけませんし。またその場合、スチーム・カタパルトの技術を、アメリカから提供してもらうしかないでしょうし。原子力空母以外で使用可能かは、分かりません。自分自身は、空母を保有には否定的です。理由は後述します。
■空中給油機が鍵か?■
F-35Bは、カタパルトがなくても離陸できる、垂直/短距離離着陸機(V/STOL機)なんですが。武器を満載すると離陸できないので、搭載する燃料を減らして離陸するか、燃料を満タンにして武器を減らすか、どっちかを選択するしかないんですよね。アメリカの場合は、燃料を減らして離陸し、空中給油機で燃料を追加するといった手法があるようですが。アメリカ海軍では2021年12月20日、無人の空中給油機MQ-25が空母上での運用試験を行い、成功したようです。
日本のいずも型護衛艦を改修して、F-35Bを運用するとして。こういう空中給油機をうまく使った運用って、できるんですかね? アメリカのように無人機というわけにはいかないでしょうけれど。空母艦載用の空中給油機が日本の課題か。オスプレイのような機種を、空中給油用に改造できるかどうかは知りませんが。カタパルトの技術や空中給油の技術などなど、軍事というのは新技術の出現でイロイロ変わっていきますからね。
■強襲揚陸艦に期待■
「日本にも空母を!」とか言い出す人間がいますが。それは日本に対抗しようとして、搭載するヘリコプターの用意できないうちに強襲揚陸艦を作ってしまった韓国軍と一緒ですね。中国の空母の、たぶんに東南アジア各国に対する示威のメモ強いのですが。特に領土問題でもめている、ベトナムやフィリピンなどに対しては。でも現実的に考えれば、日本に必要なのは強襲揚陸艦であり、原子力空母の運用は人員の確保も大変で、ノウハウ的にも難しいでしょう。
南北に長い島国で、島嶼部が多い日本では災害救助の面からも、強襲揚陸艦は、使い勝手がいいでしょうし。ウェルドックを持ち、津波で港が壊れたような地域でもホバークラフトで上陸できるので。災害救助の際には、医療用のユニットを搭載できるようで。まずはアメリカ級かワスプ級に近い、45000トンぐらいの強襲揚陸艦を導入することでしょう。あるいは、いずも級を4隻に増やすか。その場合はエレベーターの位置を、再設計して。
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