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中尾彬さん急逝

◉昭和の名優が、また一人……。

【中尾彬さん急死、最愛の妻池波志乃がコメント「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまった」】日刊スポーツ

俳優中尾彬(なかお・あきら)さんが心不全のため亡くなったことが22日、明らかになった。81歳だった。所属事務所「古舘プロジェクト」が公式サイトで正式発表した。

サイトでは「弊社所属中尾彬が去る2024年5月16日心不全のため81歳で永眠しました」と報告。「これまで応援してくださったファンの皆様、多くの作品でお世話になりました関係者の皆様の生前のご厚誼に深謝いたしますとともに謹んでお知らせ申し上げます」と伝えた。

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202405220000551.html#goog_rewarded

俳優として、映画で最後に見たのが2019年の『翔んで埼玉』で、東京都知事の壇ノ浦建造役でしたか。やはり、貫禄があるので政治家やヤクザの親分などの役が、晩年は多かったですが。若い頃は、金田一耕助役も演じておられるんですよね(高林陽一監督版『本陣殺人事件』)。平成ゴジラシリーズでは、『ゴジラvsメカゴジラ』から『ゴジラ FINAL WARS』まで、司令官や政治家や艦長などの重鎮役で、ずっと出ていた印象です。北野武監督作品の常連で、『アキレスと亀』での主人公の父親役や『アウトレイジ ビヨンド』でのヤクザの幹部役、『龍三と七人の子分たち』でのコミカルな演技も、印象深いです。

中尾さんといえば、元は画家を志していたため、武蔵野美術大学油絵学科を中退し、フランス留学もされているそうで。俳優や歌手などが絵画を始めるのはよくあるのですが、美大に入るとは本格派ですね。そのため、芸術への造詣も深く。そういう美術系の番組にも出演されていた記憶が。というか、御本人もオシャレでしたからねぇ。個人的に印象深かったのは、薩摩焼の沈壽官窯を訪れ、そこで手捻りの皿を作られたのですが、これが素人目にもなかなかの出来で、当代の沈壽官さんも感心されていましたね。やはり芸術的なセンスは、他の分野でも発揮されるんですねぇ。

落語好きとしては、昭和の名人・古今亭志ん生の孫娘である、池波志乃さんの旦那さんというイメージも強いです。志ん生の長男が十代目金原亭馬生、次男が古今亭志ん朝。この馬生の長女が池波志乃さんで、ドラマでは祖母の役を演じたことも。二つ目の落語家・金原亭小駒さんは、馬生の次女の息子。志ん朝師の息子は落語家にならなかったので、美濃部家の血脈は繋がっており、中尾さんも十代目馬生のイベントとかには、よく顔を出されていた印象です。2000年に志ん朝師匠が亡くなってから、ある意味で古今亭一門の、外せない縁者でした。

中尾彬さんの御冥福をお祈りします。合掌

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