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小田嶋隆さん死去

◉コラムニストの小田嶋隆さんが亡くなったそうです。今年6月に初の小説集『東京四次元紀行』を刊行されたそうですから、なにか予感というか、心に期すモノがあったのでしょうかね。ある種、コラムニストというのは何かをクリエイトしているようで、実際は〝浮世のアラで飯を食い〟な部分があって、世の中やら他者の言動をネタに、アレコレ言う部分がありますから。そうではない創作の世界への、憧憬というか未練というか思いがあったのか――。

【小田嶋隆さんが死去、65歳 反権力の論客、コラムニスト 雑誌「噂の真相」で執筆】東京新聞

 反権力の立場で世相を斬る論客として知られたコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日、病気のため死去した。65歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。
 早稲田大卒業後、食品メーカー勤務などを経て、1980年代前半からパソコンのマニュアルを書く「テクニカルライター」の草分けとして執筆活動を始めた。
 その後、反権威、反権力、タブーへの挑戦を掲げた雑誌「噂の真相」(2004年休刊)でコラムを連載し、各界の著名人らを鋭く風刺して幅広い読者の支持を獲得。新聞や雑誌、10年ごろからはツイッターでも社会的発言を続けた。早稲田大、関西大では教壇にも立った。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、大輪の菊の花。

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個人的には、書家の相田みつを氏を「便所の神様」と批評する記事を著し、遺族からの内容の事実誤認について抗議を受けて、詫びを入れていた頃が好きでしたね。あの頃は保守系言論紙の『諸君!』にも寄稿して、愛嬌がある文体でしたから。ところが、TBSラジオでレギュラーになったあたりから、どんどん発言が左傾化し、アレレと想うことが多かったです。まぁ、東京新聞的には〝反権力の論客〟ということになるのでしょうけれども。

文章も段々と愛嬌がなくなり、何かに対して怒ってカリカリしてる感じがして、ツイッターで見かける文章は、思いつきや行き当たりばったりで書いてるような内容が多くなってしまいました。もちろん、転倒事故による大怪我やご病気もあって、精神的にも余裕がなくなっていたのかもしれませんが。自分自身は何度かTwitterでリプライをもらいましたが、その時は嫌な感じはなかったですが。ツイッターで見かけた黒猫亭氏の評価が辛辣ですが、かなり正鵠だと思います。

小田嶋氏はそれでも、コンピュータ系の知識がまずはあったわけで。そっちから文化や政治にシフトして……という点では、某芸術監督も似ていますが。黎明期のパソコン雑誌とか、知識が雑でも仕事があったし、そういういみではテクニカルライターというのも、製品在っての返し技、という部分はあります。零落したカウンターカルチャーとしての和製サブカルって、評論家的なんですよね。自分はクリエイトしない・できないのに、創作物や作家にアレコレ言って飯を食う。

90年代やギリゼロ年代は、それでも成立したんですが。雑誌はどんどん潰れ、原稿仕事も少なくなり、左派系マスコミに迎合して、そういう芸風で食っていこうとする芸人とか、最近増えていますね。でも、小田島氏と似た芸風で、でも小田嶋氏よりも学がない連中とか、見ていてキツイなと思いますね。テレビやラジオのマスコミも、まだ10年ぐらいは社会の中心にいるとは思いますが。もう、スマートフォンが90%普及すると、その地位はなくなるでしょうし。

小田嶋隆さんのご冥福をお祈りします。合掌

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