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巨大魚竜化石を発見

◉魚竜。恐竜とほぼ同じ時代に栄えた、海棲爬虫類のことですが。「なぁんだ、恐竜じゃないのか」というクソガ…お子さんもいらっしゃるもしれませんが。それを言い出したら翼竜だって、恐竜じゃありませんからね。この海棲爬虫類は、首長竜(長く頭が小さいプレシオサウルス類と首が短く頭の大きいプリオサウルス類がいる)の仲間も含まれますが、その名のとおり魚類や後に出現するクジラやイルカに似た、なかなか興味深いグループです。

【巨大な魚竜の化石を発見、1億8000万年前に生息 英】CNNニュース

(CNN) 1億8000万年前の魚竜のものとみられる巨大な化石がこのほど英国で見つかった。研究者らは現地における過去最も重要な発見のひとつと位置付けている。
化石はイースト・ミッドランズのラトランドにある貯水池で見つかった。英国で発見された魚竜の化石としてはこれまで最大かつ最も完全なもので、長さは約10メートル。頭骨の重さは1トンに達するという。

ヘッダーのイラストはnoteのフォトギャラリーから、恐竜と魚竜が混在していますが、堅いことは言いっこなし。

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■魚類の可能性■

現在、この魚竜はひょっとしたら、シロナガスクジラよりも大きな個体がいたかもしれないと、話題になっています。少なくとも、25メートルクラスの大物がいたのが、現在は議論されています。シロナガスクジラが30メートルで、それに次ぐナガスクジラがオスで25メートル、メスで27メートルぐらいですから。化石になっていないだけで、ひょっとして40メートル級の魚竜が存在しても、自分は驚きませんけどね。

現在の地球では、最大体重10トンのアフリカゾウが最大の生物ですが。恐竜の時代は、それこそ100トンぐらいあったと推測される、大型の竜脚類が存在しましたしね。例えば海の方でも、現在だとシャチが10メートル弱の巨体で、海の生態系の頂点に君臨しますが。同じくモササウルス類ではモササウルス・ホフマニが全長17メートルもあり、やっぱりジュラ紀や白亜紀の生物は全体に巨大。であるならば、海棲爬虫類がシロナガスクジラより大きい可能性も、充分あるんですよね。

■絶滅と収斂進化の地球史■

もちろん、例えばサメとかはメガロドンでも現在のジンベエザメとそんなに変わらない大きさで、軟骨魚類の大きさの限界みたいなものは、あるのかもしれません。でも、25メートルクラスの魚竜が見つかった以上、どうも大きさの限界値としては、もっと上なんでしょう。アルゼンチノサウルスとか、陸上で歩いていたのに全長は約30~45メートル、体重は約80~100トン以上あったと見積もられていますから。魚竜で50メートルだって、不思議ではないのではないかと。

生物の歴史を見ると、どうも地球上では現在いる生物によく似た、先行する生物がいて、それが絶滅しては新しい種が出てきてを、繰り返してるんですよね。魚類・魚竜・鯨類という、収斂進化の部分はとても面白いです。ちなみに、ある時期はワニが陸上では犬やアルマジロのように進化し二足歩行するものもいました。海では足がヒレになってモササウルスのようになったワニや、プランクトンを濾過して食うジンベエザメやひげクジラ類のようなワニも。

■過去を知るのは未来を知ること■

もっと狭いところでは、例えばサーベルタイガー(剣歯虎)と言われる牙の長いネコ科動物でも、実際には1種類ではなくいろんな種類がいて、絶滅と進化を繰り返してるんですよね。原生生物だと、中南米のジャガーが、もっともサーベルタイガーに近いんだそうで。ここらへんは、山本貴嗣先生の名作『セイバーキャッツ』のあとがきで知った知識ですが。自分たち人類だって、ネアンデルタール人だけではなく、多くの人類の先祖から分岐した人類がいて、それらが絶滅して現生人類が生き残っっているわけで。

人類とティラノサウルス・レックスも、直立二足歩行の覇者、という点では、実は似ているんですよね。古代のワニが大繁栄して、恐竜のように二足歩行するものがいたように。考えるヒントは、いろんな処にあって。未来予測は過去の類例から学ぶことが出来るんです。そういう意味では、恐竜絶滅を研究することによって、巨大隕石に人類は意識を持てるようになったんですよね。無駄な学問なんて、基本的にはないんですよ。無用の用って言葉さえ、あるんですから。


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