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安倍晋三元総理の命日に

◉もう、二年が経ったんですね……。あの日は、寝坊して昼前にゴソゴソ起き出し、Twitterを開いたら、何やら安倍元総理を揶揄する投稿に怒っている内容が飛び込んできて、一瞬混乱。どうやら安倍総理に何か起きたという突然の情報で、慌てて検索。銃撃されたという情報に驚き。なんとか、助かってほしいと思ったのですが、願いも届かず。

【山上とあるテロ犯 「名前」巡る彼我の報道格差 NZ銃乱射事件】産経新聞

 2人の男には共通点がある。母ときょうだい、それにオンライン上のわずかなつながり以外、他者との交わりがないこと。1年以上にわたって周到に準備し、一人でやり遂げたこと。自身の計画への執着ぶりは、鏡像のように重なって見える。

 2年前の7月8日に、元首相の安倍晋三を銃撃した山上徹也(43)。それにニュージーランド・クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で5年前、凄惨な銃乱射事件を起こした白人至上主義者、ブレントン・タラント(33)。いずれも世間を震撼させたテロのローンオフェンダー(単独の攻撃者)だ。

https://www.sankei.com/article/20240707-2EL3HVKPWRMJRFVDH5DK2BFQGQ/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■テロリストに名は与えない■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。こういうテロに対する部分で、まともな記事は産経新聞だけのようですね。できるだけ、左右ともに広くフォローしている自分のタイムラインにも、流れてきませんし、もしあるならコメント欄で指摘いただければ、幸いです。テロによって社会は変わらないし、変えてもいけないんですね。だって、正義は人の数だけあるんですから。当時のニュージランド首相ジャシンダ・アーダン氏は議会で、銃撃犯の名前を今後一切口にしないと宣言したのですが。

「犯人の目的の一つが悪名を世に知らしめることだ。私は今後一切、男の名前を口にしない。犯人の名前ではなく、犠牲者の名前を語ってください。犯人に名前など与えてはいけない」

自分もこの考えには賛同して、記事の引用とかは仕方がないにしても、できるだけ安倍晋三元総理暗殺犯の名前は、noteでも𝕏(ペケッター)でも書かないようにしています。これは、京都アニメーション放火殺人事件の犯人も同じです。テロリストを英雄視する国もありますが、テロリストは名を残さないのが世界の常識です。だから、サラエボ事件の犯人の名前を、ほとんどの人が知らない。それでいいと思います。そうでないと、英雄願望のバカが、次々とテロを起こしますから。

■死者を悼むこともできない■

あの事件当時、自分はいくら安倍晋三元総理を親の敵のように憎んでいる人たちでも、テロによる暗殺という、許されざる行為には怒りを表明し、併せて凶弾に倒れた元総理へ、哀悼の意を表すると思っていました。ところが、
「でかした!」
「山◯様!」
「いままで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えば、暗殺が成功して良かった」
「今回のような事件が起こりうる社会を作ってきたのはまさに安倍政治であって、自民党政権ではないか。」
「国葬儀に反対する」

目を疑うような言葉が、次から次に出てきて、驚きました。

先ほど、大和西大寺駅の献花台に花をたむけてきました。安倍元総理は、私が初めて党首討論をした相手でもあり多くの思い出があります。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

https://x.com/tamakiyuichiro/status/1810220562322702449

玉木雄一郎国民民主党代表のこれが、政治家の本来あるべき姿であって。
政敵であっても、死は悼む。それは、政策批判で手心を加えるのとも、また違うことです。そういう是々非々ができず、感情的に全否定か全肯定に走るのは、実に幼児的な風景でした。日本の左翼が、ダメな理由です。野田元総理の国葬儀での弔辞はその意味で、褒めるべき点は褒め、批判すべき点はきちんと指摘し、自身を省みて反省すべき点を語り、でも哀悼の気持ちを率直に述べられた、日本憲政史に残る名演説だったと、自分は思っています。

ですが、それすら全否定せずにおれない野党維持者の罵声の数々に、暗澹たる気持ちになったものです。それって、ルーズベルト大統領が亡くなった時、ヒトラーが浴びせた罵倒と、何が違うのか? 同時に、鈴木貫太郎総理大臣の声談話が、アメリカに亡命していたドイツ人作家トーマス・マンは感動したとか。礼儀とは、人間関係を円滑にする文化ですが、それすら出来ない人間と、交渉できるでしょうか? 安倍元総理暗殺から二年が経過し、少しは左派は反省したのでしょうか?

■情緒的な記事にはご注意を■

一方で、毎日新聞はそのテロリストに対して、情緒的な記事を書いています。有料記事ですが、リード部分で読む価値がないと分かるという意味では、優れた文章です。前から書いていますが、大手マスコミが情緒的な記事を書くときは、読者の情に訴えて無理を通し道理を引っ込めたいときですから。注意が必要です。

【山上被告「信じた母」との関係絶つ 解散命令や宗教2世への思い】毎日新聞

 安倍晋三元首相が奈良市で参院選の応援演説中に銃撃されて死亡した事件で、殺人罪などで起訴された山上徹也被告(43)が母親との関係を絶っている。拘置所での面会は一度も実現していない。被告は母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)にのめり込んだことで、家庭が崩壊したと供述。銃撃に結びつく背景とされ、自らの事件に向き合う日々が続いているという。

https://mainichi.jp/articles/20240705/k00/00m/040/213000c

産経新聞の記事に比較して、毎日新聞はレベルが低いですね(断言)。オカルト大好き産経新聞以下の、毎日新聞。けっきょく五・一五事件の昔から、日本のマスコミは何も変わっていないわけです。犯罪者に肩入れして、忠臣蔵と現実をゴッチャにし、大衆の情動に迎合する。そうでなければ、捏造してでも情動を煽る。日本にはジャーナリズムは存在せず、野次馬根性や除き根性に迎合する、瓦版屋が入るだけなのか? 優れた記者はいるんですが、組織となると途端に駄目になる。警察からのリークがなくなったら、弁護士からの情報に頼るだけで、まともな記事も書けない。

ちなみに、Twitterの毎日新聞のこの記事のポスト、61.5万閲覧・77イイネ・イイネ率0.012%ですね。たぶん、0.009%以下に落ちるでしょう。これがサイレント・マジョリティの評価ではないかと。

この国は、平家・海軍・国際派は出世できない、と言われます。聖徳太子や蘇我入鹿から始まって、平清盛、細川政元、足利義満、足利義教、織田信長、石田三成、荻原重秀、田沼意次、大久保利通、高橋是清と、そろばんができる国際派は暗殺か失脚です。このことは、何年も前から書いていたのですが……まさかその系譜に、安倍晋三総理も加えなければならなくなったのは、残念でなりません。テロではなく、言論できちんと意見を戦わせるのが民主主義。万機公論に決すべし。合掌


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