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秋葉原通り魔事件犯人の死刑執行

◉秋葉原通り魔事件、あるいは秋葉原無差別殺傷事件とも呼ばれますが。7人が死亡し10人が重軽傷を負った大事件でしたが、あれが2008年ですから、もう14年ですか。死刑判決が確定したのが2015年ですし、2016年から犯人は再審請求をしていましたので、死刑執行自体は遅いとは、思いません。附属池田小事件を起こした犯人が、死刑確定から3年で執行されたのが、むしろ早いほうですから。死刑執行までの期間や、死刑制度自体について、いつものような人たちが湧いていますが。

【秋葉原通り魔事件死刑執行 重傷男性「本当に反省したのか」】毎日新聞

 東京・秋葉原で2008年6月に7人が死亡、10人が負傷した無差別殺傷事件で殺人罪などに問われ、死刑が確定した加藤智大死刑囚(39)の刑が26日に執行された。加藤死刑囚に背中を刺されて重傷を負った大阪府の自営業、平松新さん(67)は同日、毎日新聞の取材に「やっと終わったという感じ。ただ、『本当に反省したのか』『申し訳ないと思っているのか』と問いたい気持ちもある」ともどかしい胸の内を語った。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、秋葉原のモノクロ写真です。

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■加藤死刑囚と山上容疑者と■

「さっさと死刑にしろ税金の無駄だ」という人もいますが。さっさと死刑にしたら、自殺願望があるのに自分では死ねないタイプが、犯罪を犯すのを助長しますからね。何かというと税金が税金が~というタイプも、なんだその守銭奴ぶりはと思いますね。五輪選手にも税金が~とか言うバカがいますが、あんなもん飛行機代ぐらいですから。国民一人あたりで割ったら、何円だって話ですしね。安倍元総理の国葬についても、税金が~とか言いますが。だったら、モリカケサクラの空転で税金を無駄にした野党も批判しろって話です。

加藤容疑者は、2014年には弟が自殺していますし、彼の両親がどうなったかは、続報はないですね。犯罪者と家族は、罪においては同一視はできませんし。それをやったら、罪九族に及ぶ族誅であって。でも、たぶん加藤死刑囚が本当に殺したかったのは、たぶん母親でしょうね。それは、宅間守死刑囚にとって、父親がそうであったように。そして、安倍元総理を暗殺した山上容疑者も、本当に殺したかったのは、たぶん宗教に狂って家庭崩壊に追い込んだ、母親でしょう。もっと言えば、宮崎勤死刑囚も。

■本当に悪いのは話法■

こういう事件が起きると、必ず「本当に悪いには〇〇だ」と言い出す人がいます。〇〇には政治や社会や家父長制や、その人が攻撃したいものが入ります。大月隆寛先生が、統一教会関係で活躍される紀藤正樹弁護士を皮肉っていますが。普通に考えれば、手製の銃で殺人に及んだ容疑者がダントツで悪いのは疑いなく。億単位の寄付をして、旦那は自殺に子どもたちは育児放棄で家庭崩壊に追い込んだ母親が、問題なのは動かないでしょうに。

統一教会信者と言っても、この母親のような異常な寄付をしている人間もいれば、そうでない人間もいるわけですから、責任を教会だけに帰すのは、無理があるでしょう。統一教会側が、彼女から多額の金を巻き上げるように支持を出していた、なんて証拠が出てくるならともかく。ここらへん、宗教カルトにとって不利益になる消費者契約法改正をした安倍政権が統一教あkに支配されてたとか、発想の飛躍をする人はどこか似ていますね。拉致被害者の帰国阻止に慰安婦合意、竹島問題にGSOMIAなど、韓国政府と統一教会が嫌がることを、イロイロやってるのに。

■ネグレクトの連鎖■

さて加藤智大死刑囚は、職を転々としていて、当初は就職氷河期と経済格差が原因だとか、アホな政治批判が出ましたっけ。本人がこれを否定し、実際に彼は正社員や正社員待遇で就職したこともあるんですよね。彼は職場で不満なことがあると、その相手である同僚や上司と話し合うことなく、無断欠勤という形での抗議からズルズル退職で、職を転々としていたらしいです。そして、自殺した死刑囚の弟の手記を読むと、これって加藤死刑囚が母親から受けたネグレクトと、同じ手法なんですよね。

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母親は気分で急に怒り出し、そして私がなぜ怒ってるか察しろ、というネグレクトを行っていたようで。そう、自分が母親にやられていたことを、同僚にやっていた。会社から見たrただの無断のサボり何しか見えないので、親から子へのネグレクトの怖さが見えますが。けっきょく掲示板荒らしをされたから秋葉原で無差別殺人を起こしたって思考の飛躍が、もう理不尽なネグレクトの投影です。そう、母親が宗教にハマったから安倍元総理を暗殺した、ってのと類似性を感じるでしょう?

■気持ちを察しないほうが悪い?■

一般的に、女性は男性の2倍ぐらい相手の心情を察する能力が高いそうで。これは、曖昧な表情をした人物の写真を見せ、その感情を当てるテストで、女性の方が2倍ぐらいスコアが良かったそうで。自分が察する力が高いので、逆に相手にも察することを求める面があり、男女間のトラブルになりがちですけどね。しかしなぜ母親が、行き過ぎたネグレクトを行うようになったかといえば、地元の名門進学校に入学できたが、大学は地元の国立大学のみしか受験できず、浪人は許されない状況で、受験に失敗したため。

自分も二浪した身ですが、例えば一緒に福岡で浪人した友人は、現役では宮崎大学と鹿児島大学に落ちましたが、一浪後には九州大学と千葉大学にダブル合格、滑り止めの早慶やらの工学部にも合格したように。一浪できると、ずいぶん結果が違います。加藤死刑囚の母親も、もし浪人が許される環境なら、地元の青森大学やもっと良い大学───旧帝国大学のひとつである北海道大学や東北大学などに進学でき、人生は大きく変わったかもしれません。それが、学歴至上主義のネグレクト毒親になった一因。

■理屈と膏薬と恨み辛み■

そういう、進学したかった気持ちを察してくれなかった親への不満とかが、息子への過剰な進学への期待になり、私の気持ちを察しろのネグレクトに。
娘に医学部進学を強要して9浪させ、ついに娘から殺された母親も、このタイプ。子供が優秀なら、自分も優秀だった間接的な証明になると、そういう発想。逆に、子供の成績が悪いと、自分もその程度の人間だったと言うことになるので、子供がズルやサボりで頑張っていないと、そういう発想になる。結果、愛のムチのつもりでネグレクトに走る。

こう書くと、「進学を許さなかった祖父の家父長制が〜」とか「女性の社会進出に対する無理解が~」とか言う、フェミニストが出そうですが。女子の四大進学率が5%いかない時代に、地元でない大学への進学どころか、大学院進学まで許容した医者の父親でも、娘は恨みを口にするんですから。うちの叔母のように、学年トップで校長がなんとか高校に進学させられないかと頼みに来ても、貧乏人の子沢山で中卒で集団就職した人間からすれば、加藤死刑囚の母親の父親でさえ、高校進学を許してくれた良い父親ですから。理屈と膏薬と同じように、恨み辛みも何処にでも付くと。

■異常な殺人犯の共通点■

神戸連続児童殺傷事件の犯人も、母親からネグレクトに近い教育を受けていましたし、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(警察庁公式名称:警察庁広域重要指定117号事件)の犯人である宮崎勤死刑囚も、父親との間に確執がありました。彼は手に障害があり、手のひらを上に向けられなかったそうです。この病気自体は、手術すれば治る可能性があったのに、親はそれをせず。彼の家が手術代が出せない経済状態ならともかく、地域紙を発行し、むしろ裕福な家庭だったわけです。

古いところでは、単独犯の大量殺人事件としては、長らく世界記録でもあった津山事件(津山三十人殺し)の犯人の都井睦雄もまた、両親が早くに亡くなり跡取りの孫を溺愛する祖母によって進学が阻まれ、そこが凶行につながったようで。なにしろ、真っ先に寝ている祖母の首を斧で刎ねて殺すという、行為に及んでいます。アメリカ猟奇殺人会のスーパースター、エド・ゲインも、政敵なものを過度に忌避する母親から、過度に禁欲的な教育を受けた結果、ああいう犯行を起こしています。

■連鎖を断ち切るのは自助共助公助■

社会が~政治が~、そういう部分は否定はしませんよ。影響がゼロのはずもなく。でも、80%か90%は、親子関係ですよね。例えば、ネグレクトの連鎖はあります。でも同時に、その連鎖を断ち切る努力も行われたわけで。終戦後の日本は、貧乏で犯罪も多発しましたが、個人に責任がなく社会に責任があるなら、それらの貧困や犯罪は連鎖し、日本はずっと悪い状態のままだったでしょう。でも、現実には貧困も犯罪も、確実に減っています。

それどころか、江戸時代の記録を見ると、今よりひどいネグレクトなんて、なんぼでもあるんですよ。なにしろ、親不孝な息子を見せしめに死刑にして、拍手喝采される倫理観の時代で、子供は親の所有物という封建的価値観が当たり前で、ネグレクトが普通に躾と思われていたんですから。それでも、時代とともに変わって来たのですから。社会が、政治がと言う前に、その他責性と免罪の構造を、考えるべきではないですかね。そうなると、自分たちの運動に不都合なのかもしれませんが。

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