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福井県立大学に恐竜学部

◉自分が子供の頃は、日本からは恐竜化石は出ないと言われたものです。戦前に樺太から出土した恐竜化石はありましたが、本土はフタバスズキリュウのような首長竜が精一杯で、ジュラ紀・白亜紀の日本は海の底であったので、陸生爬虫類である恐竜は存在しえなかった、なんて言われましたが。今は福井からたくさんの恐竜化石が発見され、九州屋北海道、るいは関西でも大型の恐竜化石が発見され。恐竜学部の創設は、時代の必然と言えるでしょう。

【福井県立大学に日本初の「恐竜学部」 卒業後の進路は?】デイリー新潮

 映画「ジュラシック・パーク」は、琥珀(こはく)に閉じ込められた蚊の化石からDNAを取り出し、恐竜のクローンを作るという設定だ。それだけに「恐竜学部」と聞けば、どんな研究をするのか想像をかき立てられるのである。
 福井県立大学が、その名も「恐竜学部」を新設すると発表したのは2月10日のこと。それによると、新学部を設置するのは3年後の4月で、1学年30人の学生を募集するという。コースは恐竜学と地質学だ。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、福井駅前の恐竜像の写真です。

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■恐竜は推理小説だ■

古生物のロマンというのは、ある意味で推理小説のような面白さがあります。自分たちが子供の頃のティラノサウルスの復元図などは、ゴジラ型で直立し、尻尾を引きずる姿勢でしたが。今では前傾姿勢で、それどころか羽毛恐竜であった可能性さえ示唆されています。でもそういう変化は、研究者による地道な研究の結果ですからね。わずかな手がかりから、原生の生物などからの類推から、謎を一つ一つ解き明かしていく。まさに推理小説です。

恐竜の研究が進んだ結果、日本でも数多くの恐竜化石が発見され、中には日本独自の種類と認定されたものも多数出てきています。日本には恐竜は存在しないと、言われていた小学生時代を送っていた身としては、化石の発掘体験ができるなんて、夢のような状況ですね。名作『のび太の恐竜』ではフタバスズキリュウのような首長竜でさえ、恐竜と思われてていた時代ですから。モササウルスがティラノサウルスの頭骨ではと、鑑定されていましたしね。

今は、鹿児島県から首長竜と翼竜の化石まで発見され、翼竜が主に海辺に住み、魚を主食としていた可能性と合致するなど、ジュラ紀白亜紀の正体はどんどん解明されています。恐竜以外の翼竜や魚竜、海生爬虫類の研究もどんどん広げていけばいいと思います。確かに恐竜というブランド力は大きいですが、自分は翼竜や海生爬虫類に価値がないなんて、微塵も思いませんから。むしろ今は、モササウルスなどにロマンを感じる人も多いでしょう。

■日々更新される恐竜学■

自分などは、恐竜から海棲爬虫類の方にも興味が広がり、さらに魚竜やダンクルオステウスなど、海の怪物への興味が広がりましたからね。さらにそこから、バージェス頁岩から発見されたカンブリア爆発と呼ばれる時代の、生物の多様性に思いを馳せたり。

ダーウィンの進化論もその意味では、歴史的文化的な意味の大きさも、改めて感じたり。共産主義思想への間違った影響の面もありますが。恐竜の方は恐竜の方で、羽毛恐竜の発見が相次ぎ、鳥類は恐竜の子孫ではなく生き残った恐竜、という部分で面白いですから。ロバート・バッカー博士が提唱した恐竜ルネッサンスなどは、「バッカーの言ってることなんて、彼の名前が日本語として正しいのです」なんてジョークを飛ばす、ライバルの研究者もいたぐらいでした。

これもまた当然で、例えば恐竜に鎖骨がない問題とか、恐竜と鳥類の指の問題など、とてつもなく大きなハードルがあったのですが。これも数多くの科学者の地道な研究によって、密室トリックを解き明かす名探偵のごとく、解き明かされましたからね。恐竜学というのは恐竜だけで完結するようなものではもうなくなっていて、分子生物学や発生学、遺伝子研究などなど、他の学問と学際的に融合し、深い部分で繋がっています。化石を発掘してクリーニングするのが、恐竜学ではないのです。

■閑話休題:化石と原発■

ちなみに、原子炉夢発電所がある場所の近くというのは、恐竜化石や貝化石などの産地であることが多いんですよね。福井や福島、九州だと玄海原発や川内原発などは、恐竜化石の産地のすぐ近く。島根原発や伊方原発、北海道の泊原発などは近くに貝化石の産地がありますね。第三世代の原子炉は、古くて硬い岩盤──第三期以前の岩盤が理想的──の上に建築されるので、化石の産地の近くに建てられるんですよね。

そういう場所は、地表近くに岩盤が出ていることも多いので、表土が薄くて農耕にはあまり向かない土地が多く、また海岸線は切り立った崖であることが多いので、漁業も難しい。反原発派の人達は受け売り金太郎飴で、貧しい地域に原発を押し付けているといいますが。それは因果律が逆です。原発建設の好適地は元々、貧しくなる要素を持っているのです。「そんなに安全なら、東京に原発を」何て、気の利いた皮肉のつもりでしょうが。単なる無知です。

逆に言えば、そういう貧しい僻地から恐竜化石や生物の化石が出てくるのですから、それを生かして博物館などや発掘体験によって、村おこし町おこしをしてもいいでしょう。関東平野や大阪平野、濃尾平野など、河川の土砂が堆積してできた扇状地からは、ロクな化石が出土しませんから。大都市の子供達がそういう場所に行って、本物の化石に出会う。なんなら修学旅行に組み込んでもいいぐらいでしょう。

■恐竜は銭にもなる■

さて。デイリー新潮の記事は、まるで西村博之氏のような皮肉で閉めていますが。大学というのはそもそも学問、学びて問う研究機関です。でも日本では、就職のための通過点と思われていますけれどね。そもそも日本の私立大学のほとんどは、そもそもが専門学校だったわけで。それが箔をつけるために大学と名乗った。欧米でマンションといったら超豪邸のことなのですが、豪邸とは呼べない分譲の集合住居に、過剰の名前をつけるのは日本人の悪い癖。大学も同じです。

どんな学問にも先の道はある。さぞや応募者殺到かと思えば、大学によると、問い合わせは「ぼちぼち」。履歴書に「恐竜学部卒」と書くのは気が引けるのだろうか。

商社やメーカーへの就職のために大学に行くのであれば、恐竜学部は不利なのかもしれませんが。でもそれは狭い考え方ではないでしょうかね。これだけ日本中で恐竜化石が発見されている時代。これから各地の恐竜博物館などの需要や、人気を掘り起こしていけば、それ自体が十分な利益にもなると思いますけどね。だって恐竜って、半世紀以上子供の心を捉えて離さないのですから。大人だって大好きですからね。単純に、村おこしや町おこしの素材になり得るのに。

そういう目先のゼニ勘定ばかり考えてるから、平成の30年間で日本はボロボロになったわけで。アインシュタインが相対性理論を発表した時、それが何の役に立つかなんて思いついた人はほとんどいないでしょう。しかしそれは原子爆弾という兵器にもなれば、電子力発電や放射線治療などの分野にも広い意味で応用でき、現在だとカーナビのようなものにも、相対性理論の正しさがあってこそ存在し得るのです。こういう形で揶揄されるのは、残念ですね。

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