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電力関連:核融合・SMR・革新軽水炉

◉朝日新聞の輿論調査ですら、原発再稼働に賛成が51%と過半数を超える状態です。マスコミが右も左も、反原発の論調で煽りまくったのに、福島第一原発事故から12年近く経ち、大衆の側もようやく冷静に事態を見極められるようになった……というより、東日本を中心に電力料金が軒並みアップになるため、ようやく他人事から自分事として、捉えるようになったのでしょう。天然ガスなどの火力発電に使われている燃料費は、今まで実感できませんでしたからね。

【理想的な次世代エネルギー「核融合発電」、早期商用化へ参入続々】日経テック

 核融合発電の商用化に向けて産業界の動きが活発化している。各国政府主導の研究プロジェクトが進んでいるほか、近年は核融合発電関連のスタートアップの起業が相次いでいる。基礎研究の進展で商用化が視野に入ってきたことで、企業の参入や開発がさらに加速しそうだ。
 核融合は「地上の太陽」とも形容される次世代のエネルギー技術だ。1gの燃料で石油8トン分に相当する膨大なエネルギーを得られるとされ、実現すれば世界が抱えるエネルギー問題を一挙に解決できる可能性がある。発電への応用は2050年以降になると見られていたが、企業の参入が増えたことで実現時期が「2030年代後半から2040年代に早まるのでは」との期待が高まっている。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07726/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■核融合発電の可能性■

核融合に対して、ちょっと行動が過剰に進みすぎてるような気がしますね。自分が小学生の頃からあと30年後と言われ続けてきた技術ですから。それがようやくいろんな条件が揃ってきて、かなり実現性が高まってきたとはいえ。まだあと20年はかかりそうな感じですから。ただこうやって投資が盛んになれば、潤沢な研究費によって人材が集まり、研究が更にスピードアップする可能性はありますから。そこには期待ですね。

例えば、米Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学、MIT)発のCommonwealth Fusion Systems(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)や、ワシントン州に本社を構えるHelion Energy(ヘリオン・エナジー)は2021年までに約20億米ドル(約2600億円)を調達したことで話題になった。米Microsoft(マイクロソフト)創業者のビル・ゲイツ氏や米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)創業者のジェフ・ベゾス氏など著名人がこうしたスタートアップに出資していることで知られる。調達した資金を生かしてスタートアップが自前の核融合炉を開発する動きも出ている。

同上

それでも、2040年代に突入する可能性があるのは、そうだろうなとしか。とにかく核融合に関しては、なかなか結果が出ませんでしたからね。研究が進むと新たな課題が出てきての繰り返しで、技術的な問題点が多いですから。レーザーを使った核融合がかなり可能性が出てきたのは事実ですが。期待し過ぎるのは良くないですね。研究炉レベルで実現するのと、実証炉が稼動するのと、商用炉が稼働するのは別の話ですから。

■頼れる小型モジュール炉■

そもそも核融合が実現したところで、水力発電や火力発電といった旧来の発電方法は、まだまだ何十年も発電の主力であり続けるでしょう。それぐらい、エネルギーの安定供給は多様性が必要ですから。もちろん原子力発電もまだまだ重要なグリーンエネルギー。そういう意味では、安全性の高い第4世代原子炉の、高温ガス炉は管理可能性が高い発電方法ですから。小型モジュール化することで、建設費がかなり安価になる部分も期待です。

【小型モジュール式原子炉は頼れるエネルギー源になり得る】Forbes JAPAN

再生可能エネルギーは、蓄電池が成熟し送電網が拡大した暁には、原子力など24時間年中無休で稼働する発電所に置き換わる存在となれるだろうか。天候に左右されて断続的にしか稼働できず、バックアップ電源が必要となる点を考えると、どうも難しそうだ。

安定的に稼働し、柔軟性が高く、温室効果ガスを排出しない小型モジュール式原子炉こそ、頼れるエネルギー源となるかもしれない。米政府が奨励策を講じ、金融機関や電力会社にとって魅力が増したことで、小型原子炉は存在感を強めている。米国各州政府や各国政府が導入を前向きに検討しており、成長の可能性は非常に大きい。

https://forbesjapan.com/articles/detail/61070

無能な方の菅元総理大臣のせいで、日本の高温ガス炉研究は10年間ストップしてしまいましたが。その隙に中国は、商用実証炉が一昨年臨界に達し、アメリカとイギリスは2029年の商用炉の稼働を目標にしています。日本はそれよりも数年は遅れるでしょうけれど、2030年代の稼働ができれば御の字かと。そう考えると、核融合炉に過剰な期待を持つのは慎むべきでしょう。まだ不確定な部分が多い核融合炉よりも、現実的な第4世代核分裂炉。それが政治というもの。

■改良にすぎない革新軽水炉■

さて、そうなると第三世代炉は順次、廃炉という感じなのでしょうけれど。これもそう簡単な話ではありませんし。元々頑丈に設計されていますから、稼働年限を60年に延長するの自体は、そんなにおかしいことだとは思いません。そもそも福島第一原子炉夢発電所の事故は津波による外部電源の喪失が原因であって、地震の揺れそのものが原因ではありません。

【三菱重工「革新軽水炉」は既存炉の改良にすぎない 日本に原子力産業を残すべきかが問われる】東洋経済オンライン

「脱炭素のベースロード電源」として、その活用が政府のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議の基本方針で位置づけられた原子力。当面は既存の原発の安全対策と再稼働に取り組むが、仮に今後長く原子力を利用するなら、新しい原子炉の開発は欠かせない。政府方針に歩調を合わせるようにメーカー側も開発を進めている。

https://toyokeizai.net/articles/-/651587

反原発派の人達の口から、外部電源喪失の可能性がある原発やその因果関係について、具体的な指摘を聞いたことがありません。ひたすら怖い怖い怖い怖い……と言ってるだけで。そうであるならば、すでに技術的に確立された軽水炉や、高速増殖炉の研究にもある程度リソースを割くのは必然ではあります。枯れた技術の改良、現実的な未来の技術、可能性のある技術と三つの技術追求するのがバランスの良いエネルギー政策でしょうから。

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