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レーザー核融合発電の未来

◉世界各地で、レーザー核融合のスタートアップ企業が立ち上がっています。大学などと連携するところも多く、それだけ 現実味が増しているということでしょうね。これは研究も、一気に加速するかな、と思ったり。自分が小学生の頃は、核融合の実現にはあと30年かかる、と言われていたのですが。アメリカのローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)のレーザー核融合実験の成功で、永遠の30年がついに終わるかもしれませんね。

【二酸化炭素を排出しない「レーザー核融合発電」に注目集まる理由「海水の中に無尽蔵」】gooニュース

新たなエネルギーについてです。二酸化炭素を排出しない「レーザー核融合発電」がいま注目されています。実用化に向けた研究が始まっている静岡県の現場を取材しました。

美しく輝く緑色のレーザー。浜松市の施設ではスタートアップ企業がレーザー核融合発電に向けた研究を進めています。

https://news.goo.ne.jp/article/tbs/nation/tbs-1205612

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、レーザー光線の写真です。

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■成功の鍵はトリチウム■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。核融合に使われる水素はトリチウム、三重水素。そう、福島県の福島第一原子力発電所から海洋放出されているALPS処理水に含まれていると、科学音痴のリベラル勢や、中国や韓国の野党、日本の社会民主党の福島瑞穂党首や大椿裕子副党首が、騒いでいるやつです。水素の放射性同位体である、ジュウテリウム(重水素)とトリチウム(三重水素)を用いて、核融合反応は行われます。このトリチウムの回収は難しく、世界中の原子力発電所で海洋放出が行われています。

元記事では、燃料は海水から無尽蔵に得られるように書いてあるのですが……。上記記事に詳しいですが、「核融合炉を動かすにはトリチウムを数キログラムから数十キログラム程度投入する必要がある」のですが、日本で主流のトカマク型核融合炉では、ドーナツ型の核融合炉のなかで、重水素と三重水素が融合されるのですが、トリチウムの価格は1グラムで3万ドルにもなるとか。円安の現在だと、本日のレート1ドル157.41円だと、472万2200円になります。そりゃあ、回収できるなら回収しますよね。

しかも、核融合発電に必要なトリチウム量は、年間200キログラムになるんだとか。1キログラムで4億7220万円ですから、200キロで944億4000万円ですか。うはぁ、これは国家プロジェクトや大企業が参入する形で動かないと、なかなか難しい気がしますね。しかもその供給源が、上記記事によれば重水炉という古いタイプの原子炉で生産されるため、カナダや韓国など供給源がかなり偏っていて、今後はトリチウムの確保が、争奪戦になることが予想されるとか。そのうち、トリチウム採取用の重水路が作られたりして。

■米国のエネルギー戦略■

そうなってくると、アメリカとかすぐに重水素や三重水素の輸出制限とか、仕掛けてきそうですね。飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故は、産出地の限られていたヘリウムの輸出制限をアメリカがかけたため、燃えやすい水素を使わざるを得なかったことが、原因のひとつなのですが。トリチウムでも、同じことが起きたりして。さて、この核融合とエネルギー問題に関してペケッターで、うぃっちわっちアカウントさんが、興味深い指摘をされていました。連続ポストで長いのですが、資料的価値が高いと思われるので、以下に引用を。

あまり話題になってないんですが、ここ十数年で米国の石油に関する戦略が大きく変わりつつありまして、これがおそらくはウクライナ紛争を含む今後の世界情勢に大きく関わって来ると思われるんでその辺の考察を以下に長文で。

https://x.com/Witchwatch99/status/1797456713643430280

米国は昔は主要な石油生産国のひとつで、戦前は日本もほとんど米国からの輸入でまかなってたくらいには輸出していました。

ところがここ数十年は「石油の輸出国」というイメージはあまりありません。
何故かというと、生産量自体を絞って輸入する様になったからです。
下のグラフは米国における原油の生産量と輸入量のグラフです。
それまでずっと右肩上がりだった生産量が1970年前後からあからさまに減り出して、逆に輸入量は跳ね上がってます。

ちょっとお歳を召した方ならピンと来るかと思いますが、この頃は73年のオイルショックの様な世界的な「石油危機」が現実味を帯びて来た時期です。

https://x.com/Witchwatch99/status/1797456720392053246

昔は原油の値段って今と比べ物にならないくらい安かったんですね。
この表で見ると第一次石油ショック以前は1バレル3ドルくらい。

70年以前はは燃料としては石炭がまだ重宝されていたんですが、石油ショックの頃にはすっかり逆転どころか燃料としての石炭のシェアはすっかり無くなって石油に置き換わってしまいます。
それが世界中で起きたので石油の需要は急激に増加、当時確認されてる埋蔵量に対して「あと2~30年で石油は枯渇する」なんて話が出て来ます。

「世界中で需要が増加して価格が上昇」って言ったら商売としては売れるだけ売ろうぜ!ってなる訳ですが、米国はここで原油生産量を絞ってその高い原油を輸入する様になります。

https://x.com/Witchwatch99/status/1797456727300096300

何でそんなビジネスチャンスに売り物を下げたのか?というと、おそらく米国は原油の枯渇は現実的だと考えていて原油が枯渇した未来に備えてたのではないかと。

米国は技術立国であるとと共に資源大国でもあります。
米国以外の先進国と言われる国々は自前の油田を持っていたとしても微々たる規模の物ばかりで自国の消費量を賄う事が出来ません。
なので将来原油が枯渇した場合は産油国(主に中近東諸国)の奪い合いになるんですが、米国は自前の油田を持ってるので高みの見物が出来る、という訳です。

その時のために埋蔵量を消費せず温存して備えよう、という事だったのでしょう。

https://x.com/Witchwatch99/status/1797456730558984702

第一次石油ショックから50年、原油は枯渇する事なく相変わらず掘り続けられてます。

衛星などを使った油田探索技術の発展で新たな油田が発見・開発されたり、それまで組み上げるのが困難だと思われていた油田から原油を汲み上げる「シェールガス」といった新たな技術の実用化などによって原油生産量は維持されて来ました。

とはいえ、原油は無限に埋まってる訳ではないのでそのうち枯渇する事は間違いないんですけど、米国は2010年辺りから急に生産量を増やして輸出も増大させてます。

これが何を意味しているかというと、米国は石油の枯渇を心配する必要がなくなった、と考えているのだと思います。

どういう事かといいますと、石油に取って代わる代替エネルギーの目処が立った、という事ではないでしょうか。
その代替エネルギーはおそらく「核融合発電」です。

核エネルギー発電といえば既に原子力発電所があるのですが、あれは発電量の微調整が困難で消費電力の増減を吸収する為に原発とは別に火力発電所を稼働させる必要が必要だという結局化石燃料頼みな所があるので石油の代替エネルギーには成りきれませんでした。

一方で核融合発電は未だ実用化の目処は立ってませんが、実用化出来ればかなり融通の効くエネルギー源となり、尚且つコスト面でもブッチギリになりそうなので太陽光やら風力やらが無くなるのでは?って言われてるくらいには強い。
そうなると石油の使い道は合成樹脂の原料か道路の舗装くらいになります。
原油価格はおそらく石油ショック以前の水準に戻るでしょう。

その新エネルギー源の実用化がそう遠くない将来になりそうだと確信出来たのなら、手持ちの石油は埋まったままにしておいたらそのうち値段が付かなくなって掘った手間賃さえペイ出来ない状態に成りかねません。
ならば価格が高い今のうちに掘れるだけ掘って自家消費出来ない分はジャンジャン輸出して現金化した方が賢い。

https://x.com/Witchwatch99/status/1797456733033697461

興味深い指摘ですね。どこまで信じるかは、各自が判断していただくとして。レーザー核融合で、核融合の商業化が目処が付いたので、アメリカが石油に対して動いた部分は、ありそう。そもそも、陸地で形成された石炭より、地表の約70%を占める海で生成されたであろう石油の、埋蔵量が少ないはずもなく。陸地は、山岳地帯もあれば砂漠もあって、全ての地域で石炭が形成されたわけではありませんからね。それに比較して、海洋は比較的安定していますから。

■日本のエネルギー戦略■

現実問題として、核融合発電はアメリカが同盟国や友邦にのみ、技術提供した面があります。ただ、ソビエト連邦の産業スパイが活躍したことと、原爆の製造技術も含めて、アメリカが単独でスーパーパワーを握ることを恐れた科学者たちによって、東側に核分裂関係の技術が流された面もありますが。いずれにしろ、そのような高度な科学技術とエネルギー政策は、アメリカが覇権国家であり続けるために必要な、ファクターです。ある程度コントロールされつつも、核融合の核心的技術は、日本にも供与される可能性は高いでしょう。

ただ、核融合発電が実用化しても、核分裂発電はもちろん、火力や水力は100年後も一定の需要をまかなっていると思うのです。将来的には、より安全性が高い 第四世代原子炉が主流になるでしょうけれども。上でも書いたように、核融合発電に必要な重水素や三重水素を得るためには、重水炉が必要ですから。軽水炉の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働も、待ったなし。電気料金も上がりますし。

そうやって、第二世代の重水炉、第三世代の軽水炉、第四世代の高温ガス炉が、2030年代の日本では稼働している可能性があり。2040年代に核融合発電炉が稼働しても、核分裂反応を用いた各種原子炉は依然として、発電の中心にあるような気がしますね。それどころか、石油や石炭や水素、アンモニアなどを用いた火力発電所も、バリバリ現役かもしれません。エネルギー問題に関しては今後50年(下手したら100年)はそこまで劇的に変わることはないのかもしれません。むしろそういう漸進的な変化の方が、良いのかもしれません。


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