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とりいかずよし先生死去

◉漢字で書かれるとピンと来ませんが、漫画家のとりいかずよし先生が亡くなられたそうです。中日新聞の子会社である東京新聞からすれば、愛知淑徳大学教授という肩書きの方が、訴求力があるのかもしれませんが。自分たちの世代にとっては、『トイレット博士』のとりい先生ですから。下ネタのどぎついギャグや、うんこがいっぱい登場する作品でしたが、大好きでした。

【鳥居一義さん死去 漫画家、愛知淑徳大教授】東京新聞

 鳥居一義さん(とりい・かずよし=漫画家、愛知淑徳大教授)9日、すい臓がんのため死去、75歳。愛知県形埜村(現岡崎市)出身。葬儀・告別式は家族で執り行った。喪主は長男翼(つばさ)さん。
 漫画家の故・赤塚不二夫さんに師事。68年、とりいかずよし名義で「週刊少年サンデー」に読み切り作品『くちなし犬』を発表してデビュー。69年から「週刊少年ジャンプ」に連載した『トイレット博士』などで人気を集めた。

赤塚不二夫先生のアシスタント出身で、師匠譲りの強烈なギャグ漫画でしたが。タイトルのトイレット博士は最初の頃こそ主役でしたが、途中から担当編集者をモデルにしたスナミ先生と、マタンキ団の活躍に軸足が移っていったという点では、ある意味でジャンプらしい行き当たりばったり方式が成功した、稀有な事例とも言えます。うんこネタが枯渇したが故の方向転換で、当時としては異例の全30巻の長期連載に。

担当編集者だった角南さんは、ギャグ漫画家を育てる名手として知られており、名物編集者として知られます。ヤングジャンプの立ち上げにも関わり、編集長にも就任。その後は一ツ橋グループの白泉社の社長になり、ヤングアニマルの売上を安定化させるために、ベルセルクのアニメ化にも奔走し、とても有能な編集者だったのですが。2014年に肺癌で亡くなられていますね。

そもそも、売れっ子の赤塚不二夫先生の連載が難しかったため、赤塚プロの若手だったとりいかずよし先生の起用というのも、この世界の不思議な巡り合わせを感じますね。同じ時代、大人気だった車田正美先生の『リングにかけろ!』が単行本25巻で完結し、異例の長期連載とされたのですから。ギャグ漫画家で30巻というのは、とんでもない大ヒットですけどね。ピンチヒッターから野球殿堂入りみたいな、サクセスストーリーです。

とりいかずよし先生のご冥福をお祈りします。合掌

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