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次期戦闘機F3は日英共同開発に

◉現在のF2戦闘機の後継機であるF3戦闘機なのですが。当初の日米開発から日米英開発にという話が、日英開発に。イギリスは、航空浮きのエンジン開発では老舗のロールスロイス社とBAEシステムズがありますから、これは興味深いですね。もちろんこれは、アメリカの同盟国としては最も関係が深いイギリスが、裏で根回ししてのことでしょうから、直ちに日米関係にどうこうはなく、F-35をたっぷり購入するので、こっちはある程度は自前でやらせてくれと、そういうことかと。

【次期戦闘機、日米→日英共同開発に転換する理由 日英共同開発にメリット、4つの理由】東洋経済オンライン

 航空自衛隊が保有するF2戦闘機の後継となる「次期戦闘機(FX)」の開発をめぐり、日英両政府はイギリスの航空・防衛大手「BAEシステムズ」と日本の三菱重工業を主軸とする日英共同開発とする方向で調整に入った。日本の大手メディアが14日、一斉に報じた。日英の両政府筋も筆者の取材に認めた。
 戦後日本は日米同盟強化のもと、対米追従路線をひた走ってきただけに、一大国家プロジェクトの次期戦闘機開発で、イギリスとタッグを組むのは極めて異例だ。ましてアメリカは世界最先端の戦闘機技術を有している。

ヘッダーは防衛省の次期戦闘機のイメージ画像より、この形で開発されれば、面白いのですが。

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■F3は主力戦闘機ではない■

現在のF2戦闘機は、昔で言うところの支援戦闘機。メインの戦闘機を支援する、つまり補助的な役割です。実際、ベースになったF-16戦闘機は、値段の割に高性能という傑作機で、F-15という主力戦闘機と組み合わせて使うハイロー戦略の機種。現在は、マルチロール機という呼び名で、戦闘機の役割も爆撃機の役割も担う、魚雷や対艦ミサイル対地ミサイルの運用も可能です。まぁ、軍事予算が潤沢ではない日本の、苦肉の策の部分もあります。要するになんでも屋。

ゆえにF3も、役割はあくまでもF-35の支援的な任務+なんでも屋。なにやら、日本は素晴らしい戦闘機を開発する能力があるのにアメリカが邪魔してると、石原慎太郎氏的な国粋主義を振り回す人がいますが。アメリカの軍事予算に、ライト兄弟以来の航空機産業の蓄積と文化の積み重ね、圧倒的な数のノーベル賞学者と研究環境を考えれば、そんなのただの思い上がりだと、気づきそうなものですが。実際、F2戦闘機も日本独力では、エンジンがダメダメだったでしょう。

■日本の戦闘機事情■

日本のIHIは頑張っていますが、日米の差はまだまだ大きく。でも、最強のF-22を持ち、F-35Aが支援戦闘機の扱いで、さらに空母艦載機用のF-35Cを運用する潤沢な予算があるアメリカと違って、日本やイギリスには独自の防衛戦略がありますから。特に、日本やイギリスのような島国は、F-35のような単発エンジンは、避けたいんですよね。できれば双発機で、片方のエンジンがぶっ壊れてもなんとか片方のエンジンだけで帰ってこられる、保険がほしいわけです。

日本のような南北に長く、排他的経済水域の大きさなら世界6位で、447万平方キロと国土面積38万平方キロの約12倍と、とんでもなく大きいですから。で、できればエンジンは出力が弱くても、自前のやつを載せて、軍事産業も育てたい。それは、将来的には航空機産業にもつながりますからね。日英でエンジン開発して、自国の戦闘機には自国で開発し、改良したものを随時搭載する。そういう部分で、主力じゃないしアメリカさん、お目溢ししてよということでしょうね。

■自主防衛能力と日英の思惑■

日本もイギリスも、主力戦闘機はアメリカから購入して儲けさせるので、支援戦闘機は自前で。できれば、他国への輸出にもつなげたい。そもそも、輸出できるレベルの戦闘機を造れる国は、世界的にも限られていますから。でも、ロシアが今回のウクライナ侵攻で、ムチャをする国だというのは認識されましたし。そういう国が、まだまだ日本の周囲には他に2国もあるのですから。自国での生産ラインを確保しておくのは、防衛上も必要な戦略。

アメリカとしても、そこまで強欲に利益を取りに行く気はないでしょうし。そもそも、F-22はもう生産ラインを閉じていますし、第6世代の次期戦闘機の開発に入っているようで。アメリカの圧倒的な軍事力は動かず、日英がアメリカに対立する懸念も薄い。日本としても、アメリカべったりよりはイギリスという、政治外交力では未だに世界のトップの国と、関係を強めるのが大事。日英同盟の伝統もありますしね。そういう意味では、悪くない選択だと思います。

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