見出し画像

豪州連邦科学産業研究機構の水素貯蔵・発電技術

◉水素は、昔から知られた存在ですが、その可燃性の高さや貯蔵の難しさから、期待されつつもなかなか次世代のエネルギー源として浮上してこなかったのですが、日本ではTOYOTAなどが水素エンジンに力を入れ、注目が高まっています。オーストラリアでは、ディーゼルエンジンを置き換える存在として、期待されているようです。自分も、期待する燃料のひとつですし、ご紹介を。

【水素貯蔵・発電システムをディーゼル発電機の代わりに、オーストラリア国立科学機関の技術をEnduaが実用化】TechCrunch

水素を利用する発電機は、従来のディーゼル燃料発電機に代わる環境に優しい発電機だ。しかし、その多くは太陽光や水力、風力に頼っており、いつでも利用できるとは限らない。ブリスベンに拠点を置くEndua(エンドゥア)は、電気分解によってより多量の水素を生成し、それを長期貯蔵することで、水素を利用する発電機をもっと使いやすくしようとしている。Enduaの技術は、CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)によって開発されたもので、CSIROが設立したベンチャーファンドのMain Sequence(メイン・シーケンス)とオーストラリア最大の燃料会社であるAmpol(アンポル)によって商業化される。

水素の場合は、飛行船ヒンデンブルグ号の大爆発のイメージが大きいですからね。もっとも軽い原子としておなじみ。身近な水もH2O、水素分子2個と酸素分子1個が結合した構造と、実にシンプルなんですが。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

■水素の問題点■

水素自体は、水を電気分解すれば得られますね。これは、自分たちの頃は小学校の理科の実験でも、見せてもらいましたね。ただ、もっとも軽い元素のため、量がかさばるんですよね。気体の水素は容器に入れてもリーク、漏れ出てしまう割合が多く、沸点が−252.87度という超低温です。−268.93度のヘリウムよりは、もうちょっと高いんですが。そうやって作った液体水素は、蒸発損が大きい、という問題もあります。ちなみに融点は−259.14度だそうで。

液体にして保存するのが大変という部分があるんですね。ロケットとか、液体水素を使うのでうが、発射直前に充填しないと、漏れるは蒸発して失われるはで、扱いが難しいんですね。逆に、大陸間弾道弾とかを液体水素のミサイルで打ち出すときは、事前にこの充填作業でスパイ衛星から発見されるんだそうですが。このため、容器の研究と同時に、例えば水素をある種の合金に吸着させるとか、比較的安定的な別な物質にして、貯蔵する研究が進みました。

■水素の貯蔵方法■

それが、エタノール(C2H6O)やアンモニア(NH3)などにして運ぶという方法。これらの物質は昔から知られていますし、貯蔵方法も活用方法も、ずいぶんと昔から研究されて、いろいろとすでに運用されていますからね。アンモニア自体は、各種の化合物がありますし、利用方法も多いですし。また直接アンモニアを燃焼する研究も、だいぶ進んでいます。あるいは、石炭などの他の物質と混ぜて、火力発電所で燃焼させる研究も進んでいます。

しかし、TOYOTAの豊田中央研究所が、人工光合成の効率を0.04%から7.2%まで向上させたのですが。そこで出てきたのが、いったん蟻酸(CH2O2)を発生させて、それから水素を取り出すという手法。TOYOTAの水素エンジン推しは、こういう研究ともセットなんですね。水素の貯蔵方法自体は、そういう形で日進月歩、期待したいですね。下記notesも参照してください。

■再生可能エネルギーの問題■

しかし、素直に喜べない部分はあります。それは、太陽光を利用した発電や光合成は、日本では難しいという問題。島国で四方を海に囲まれた日本は、高温多湿で雨が多く、日照量が世界の平均よりも少ないんですよね。国土も山がちで、太陽光発電に使える平地が少ないのに、森を切り倒してメガソーラーをという、環境破壊を進めてしまったら、本末転倒も甚だしいです。それは、台風が北海道まで到達することもある風力発電も同じですが。

オーストラリアのような、広大な土地があって砂漠地帯も抱えるような国ならば、環境に負担をかけないところで太陽光発電をして、それを水素に変換することで、二酸化炭素排出の提言に力を発揮するかもしれませんが。日本には単純に当てはめられないので。逆に、そういう国からエネルギーを輸入し、日本は技術を提供する。そういう関係が理想的ではあります。もちろん、洋上発電の可能性とかは、研究し続けることが大事。広大な排他的経済水域を持つ国の、アドバンテージですから。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ