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習近平主席が台湾統一「必ず実現できる」

◉台湾への野望を、隠そうとしませんねぇ。アメリカがバイデン政権になって、日本の左派の期待とは裏腹に、対中国強硬姿勢が鮮明なのも、この習近平主席の台湾への野心を、かなり早い段階で掴んでいたのでしょう。自由主義の一員として、台湾は重要な存在。日本列島からフィリピン・ボルネオまで、中国の海洋進出を押さえる第一列島線の要石的ポジションですから。習近平主席も、解ってて言及したのでしょう。

【台湾統一「必ず実現できる」 辛亥革命110年で中国主席】時事通信社

 【北京時事】中国の習近平国家主席は9日、北京の人民大会堂で開かれた辛亥革命110周年記念大会で演説し、台湾問題について「祖国を完全統一する歴史的任務は必ず実現しなければならず、必ず実現できる」と述べ、統一への強い意欲と自信を誇示した。習氏は来秋の共産党大会で異例の3期目入りが確実視されており、自らの手で台湾問題を解決する姿勢を示した格好だ。


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■中華の正統の概念■

中国の歴史を少しかじると、皇帝たちはその権力の絶頂で、対外戦争を仕掛けます。漢の劉邦の匈奴親征、武帝の対匈奴戦、隋の煬帝の高句麗遠征、唐の太宗の高句麗遠征、北宋の太宗の燕雲十六州親征、明の永楽帝のタタール・オイラト遠征、清の太宗の朝鮮遠征、清の康熙帝のモンゴル高原への遠征……多くが親征で、カリスマ性を高めるには最適の手段。現代の赤い皇帝も、行動原理は同じかと。

もうひとつ重要なのは、中国の正統という概念。これは伝説の黄帝から歴代の皇帝まで、為政者が天下を支配する権利というか支配権のようなモノが、連綿と続いているという考え方です。故に皇帝は同じ時代に2人は存在せず、三国時代の呉の孫堅や蜀の劉備は皇帝を自称しても、後代の史書は魏の皇帝しか認めません。もっともコレは、あくまでも中国の言い分でしかありません。

■習近平主席は僭主■

例えば、モンゴル帝国の元王朝。これを朱元璋の明朝が滅ぼして、皇帝の正統は受け継がれたことになっていますが。モンゴル帝国は滅んでおらず、本来の本拠地のモンゴル高原に退いただけ。中国ではコレを北元と別の名で呼んでいますが。後に、モンゴル帝国皇帝の帝位と玉璽は清王朝を開いた太宗ヌルハチに禅譲されます。そして、明は清に滅ぼされます。ということは、明の歴代皇帝は、皇帝を僭称した地方政権と言うことに。

そう、実は台湾は正式には中華民国。明朝にとっての元朝のような存在です。単に領土的野心ではなく、皇帝としての正統が脅かされる存在。その意味で、中華人民共和国の皇帝として、開祖・毛沢東にも中興の祖・鄧小平にもできなかった偉業は、中華民国を攻め滅ぼすこと。中国も北朝鮮も韓国も、実は未だに皇帝制度の時の価値観で動いています。彼らの奇妙な言動の理由は、ここを理解するのが大事です。

■そして表現弾圧へ■

そして、現代の赤い皇帝は、漢の武帝が反論を述べた司馬遷を宮刑に処したように、人民への支配と圧力を高めています。ゲームの規制から始まって、BL漫画家の投獄やら、普通に言論弾圧していますから。香港の民主化団体は骨抜きにされ、解散させられ、一国二制度なんてその場しのぎの方便だったと、明らかになりましたし。この皇帝による専横は、止まらないでしょう。これまた、中国史で繰り返されてきたこと。

ついでに言うと、そうやって対外遠征を行ったり、弾圧をした王朝は、だいたい衰退していますけれどね。漢の武帝の政治は膨大な赤字を生み、隋の煬帝の高句麗遠征は国自体を滅ぼしたのですが。どうにも、典型的な王朝滅亡史を、習近平主席は歩んでいるように思うのですが。それこそ、延命してきたバブルが崩壊して、内部から破綻しそう。そういえば日本の共産党も、コチラのツイートに付いたリプライを、非表示にしまくっていますが。

ノーベル平和賞への報道規制も、習近平主席は始めたように。日本も中国も、程度の違いで言論弾圧体質の本質はいっしょ、と。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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