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脱炭素・脱温暖化ネタ2題

◉脱石炭火力発電や、脱天然ガス発電、ついでに脱原子力で、どうやってっ暮らすんですかね? 活動家の皆さんは禁欲的ですから、それでも江戸時代やそれ以前の生活に戻っても我慢できるでしょうけれども。エネルギーの供給低下は、医療のレベルもガクンと落としますが、自分の愛する人間が病気になっても「寿命だ」と延命治療せず、見送るんでしょうね。自分にはとても出来ませんが。エネルギーと現代文明が密接な関係にあるという、想像力がないのでしょう。

【脱石炭・脱天然ガスが日本を停電させる】WEDGE

 英国を本拠とする環境NGO「絶滅への反逆」は、「充分な温暖化対策が取られておらず、世界は絶滅の危機にある」と主張し、過激な行動を取ることで知られているが、8月23日からロンドンにおいて行動を開始すると宣言している。今までも何度かロンドンを中心に抗議活動を行い各地で混乱を引き起こしているが、今回も8月23日午前10時にロンドン中心部トラファルガー広場に集まることを呼び掛けている。
 スローガンは「すべての化石燃料関連投資を直ちに止めろ」であり、2週間の休暇を取って参加するようにと呼びかけているので、混乱は2週間続くかもしれない。
 今年11月に英国グラスゴーで開催予定の第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に先立ち、コロナ禍で活動を控えていた温暖化問題に係わる活動家の動きが活発になってきた。彼らの目標は反石炭から反天然ガスにシフトしてきているが、化石燃料の供給に問題が生じれば、やがて日本は停電のリスクを抱えることになる。

トップのイラストは玄海原子力発電所だそうです。福岡県民だったことあるけど、見たことないや。

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■科学は連鎖している?■

科学というのは、相互に関係していますからね。例えば、アインシュタインの相対性理論。あんなのなんの役に立つんだという人もいますが、相対性理論が正しいから、カーナビのGPSが正確に動くわけで。でも、理論が発表されたのは大正時代で、その頃はなんの役に立つかはわからなかったわけです。だから、アインシュタインは実は相対性理論ではノーベル賞をもらっていないんですね。ノーベル賞は社会に貢献したのが証明されないとダメなので。

カーナビが社会の役に立つためには、まずは自動車が普及し、そのうち航空産業が生まれ、その成熟の先にロケットエンジンや宇宙開発が進んで、人工衛星が打ち上げられるようになって、伝播関係の技術が進んで、ようやく役に立つわけです。脱石炭だ脱天然ガスだ脱原子力発電だと迂闊に言ってしまう人は、それらのエネルギーの供給が滞ることで、どんな影響が出るかの想像力がない。ちなみに、アインシュタインは「光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明」でノーベル賞を受賞したそうです。

■自然保護活動の浅薄さ■

自分は欧米の自然保護運動に、昔から疑問を感じています。それは単品ダイエット主義と言うか。「●●さえ実行すれば問題解決」という。もっとも日本でも、毒蛇のハブの被害に苦しめられる奄美沖縄地域を救おうと、マングースを放ったら、マングースはハブを襲わず天然記念物のアマミノクロウサギを襲ったという、笑えない例が多いですが。そして、成層圏に二酸化硫黄を散布することで太陽光を遮断するというアイデアも、それに近いものを感じます。

【成層圏に二酸化硫黄をまいて太陽光を遮断して地球温暖化を防ごうという「Geoengineering」とは?】GIGAZINE

二酸化炭素などの温室効果ガスの増加によって20世紀以降、かつてないほど急激に地球の気温が上昇しています。気温上昇に伴って気候が変化して異常気象が起こるなど地球環境の危機とも呼ぶべき地球温暖化に対して、成層圏に気体を散布することで太陽光を遮断するというアイデアが出され、その是非について議論が紛糾しています。

Climate Hackers: One man’s plan to stop global warming by shooting particles into the atmosphere | The Verge
http://www.theverge.com/2016/8/24/12589796/climate-hackers-david-keith-geoengineering-climate-change

成層圏に二酸化硫黄を散布するGeoengineeringがどんなものかについて、The Vergeがムービーを作成しています。

さて、この危うさの原因は、何に由来するのでしょうか? たぶんに、キリスト教文化の本質が、最後の審判と千年王国思想の強い影響を受けているからでしょうね。最後の審判によって、虐げられていた少数者だけが救われ、虐げてきた強者は全員がぶっ殺される。ものすごく単純化すると、そういう思想がユダヤ・キリスト教の思想ですから。この劇的な変化を好む性質は、たしかに画期的な発明や発見につながるのですが、画期的であること、劇的であることが目的化する悪癖も。

■温暖化と寒冷化の地球■

でも社会や環境とか、そう劇的に変わるものではないです。少しずつ変わっていって、その積み重ねとして過去と比較すれば、ずいぶん変わったなぁと思うもの。チャップリンの名作『モダンタイムス』は、自動給餌マシーンとか今見ても面白いですが、同時にチャップリンの時代はこのレベルでも進みすぎた科学文明・物質文明と悲観していたのかと、そう思います。そういう悲観主義は楽観主義より無難で、たとえ予想が外れてもさほど批判されないという側面もあります。

地球温暖化はたしかにいろんな問題を引き起こすでしょうけれど、それだけなのかという疑問もあります。今は永久凍土のシベリアも、昔はキンポウゲの花が咲き乱れるぐらい、温暖だった時代があります。逆に、東南アジアにはかつてタイやマレーシアのあるインドシナ半島と、ボルネオ島やインドネシア、オーストラリア大陸を含む巨大なサフル大陸が存在した時代もあります。それだけ海水面が下がって、陸地が広がっていたんですね。地球はそれぐらい、温暖化と寒冷化を繰り返してきたわけで。

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■千年王国思想の亡霊?■

そもそも、「このままでは地球は滅びる」という思想も、キリスト教の終末思想───ゾロアスター教由来の思想に由来する部分があります。「悔い改めよ。天の国は近づいた」あるいは「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と、ナザレのイエスが語ってからほぼ2000年経ちますが、天の国=神の国=神の王国は、やってきたか? それは此処にある彼処にあるという具体的なものではないと言いつつ、でもキリスト教腹いせ宗教でもないという矛盾を抱えています。

それに対する神学論争はどうでもいいのですが。カール・マルクスの共産主義思想は、ダーウィンの進化論に影響を受けて本人は科学的な理論のつもりでしたが。実際は、キリスト教に改宗したユダヤ人の家系という、宗教コンプレックスを持つマルクスが、千年王国思想を焼き直して、最後の審判を革命に、神の王国を共産党一党独裁に置き換えただけの疑似宗教でした。現代の環境保護・自然保が運動が、同じように千年王国思想の焼き直しである確率は、かなり高いと自分は思っています。

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