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平和ボケからの防衛費増額

◉文化放送の『おはよう寺ちゃん活動中』に時々登場する川口マーン恵美さんですが、ドイツの現実とか目ウロコな情報が多く、ドイツ出羽守のデタラメな情報に惑わされないですみ助かります。で、今回はドイツの防衛費増額についての裏側。どうもドイツって、問題が起きたら大規模な臨時予算を組んでお金を突っ込むんですが、それって実は日頃からの備えをいい加減にやって、それで災害が起きたらドンと突っ込むという感じで。見栄えはいいけれど、予防を蔑ろにしているって部分と同じですね。

【「防衛費増額」の是非を議論している場合ではない…平和ボケで国防軍がボロボロになったドイツの教訓】プレジデント・オンライン

日本と同じく平和ボケは重症?
 
今年の2月27日、つまり、ロシアのウクライナ侵攻の3日後、ドイツのショルツ首相(SPD)は臨時国会を召集し、2023年には1000億ユーロ(約13兆円)を国防強化のために臨時に投入するとか、23年以降は一般の国防費をGDP比の2%台にのせるとか(現在は約1.5%)、歴史的ともいえる国防強化計画を発表した。

 それどころかベアボック外相(緑の党)に至っては、戦車やらミサイルなど重火器をウクライナに供与すると言ったので、皆がビックリ。戦後のドイツは平和主義を貫き、今では徴兵制も停止。特にSPDと緑の党は、戦争はもちろん、武器の輸出などにも反対で、国民も皆、それに満足していた。ポーランドがロシアの脅威を言おうものなら、「何を大袈裟な」と本気にしなかったのだから、要するに日本と同じく平和ボケが進んでいたわけだ。

https://president.jp/articles/-/63867?page=1

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、自衛隊の戦車だそうです。

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■ドイツの打ち上げ花火方式■

さて。この記事を読んで思ったのが、兵庫県明石市の泉〝暴言で政治家引退を表明〟房穂市長の政策に似ているな、と。あれも見栄えは良いですが、要は100年に1度レベルの天災に備えることなく、浮いた予算を子育てに注ぎ込んでるだけの、人気取り政策という批判があります。まぁ、毎年備えるより、それで人が死んでも見舞金を出して、そのときだけの予算を組んでぶっこんだほうが、マスコミ受けはするんでしょうけれど。

 ただ、私は当初から、ドイツ政府の動きには懐疑的だった。彼らの大風呂敷は毎度のことで、メルケル前政権も、ここぞというところで派手に打ち上げ花火を上げて世界中の人々を感動させたが、たいていは尻すぼみだった。しかし、花火の美しい残像だけが見た人の脳裏に長く留まるのである。

同上

的確ですね。事態を予防する地道な予防策よりも、派手な打ち上げ花火の方ばかりを、大衆は覚えていて。その打ち上げ花火は有効だったかどうかさえ、覚えていない生き物です。そもそも未然に防がれた災害は、なかったこととして意識にさえ残らない。福島第一原発事故は執拗に語られても、女川原子力発電所は語られない。政治家としては、メルケル前首相の手法の方が、人気取りにはいいのでしょうけれど。果たしてそれでいいのかという疑問は、常に付きまといます。

■ドイツの刹那的平和主義■

こうなると、日本国民の世論が防衛費増額容認に動いたのも、ロシア連邦軍によるウクライナ侵攻という大きな事態が、あったからこそです。安保法制など着実に体を売っていた安倍晋三元総理ですが、それでも世論も動かすことはできなかったわけですから。このいい加減で、付和雷同する国民を的確に導いていくことの難しさ。もちろん問題の大半は、広報下手の政府や政治家と、それ以上に反政府姿勢が自己目的化してしまって、軍事音痴を恥じないマスコミにあるんですが。

 政府、および国防省に対する批判は、実は他のところからも来ている。ドイツの宇宙・航空関連の企業連合会であるBDLIによれば、購入が決まったステルス戦闘機F-35(ロッキード社製)と大型輸送ヘリCH-47Fには、160億ユーロという莫大ばくだいな税金が注ぎ込まれるが、そのメンテナンスはすべて米国に委ねるという。
 整備や維持補修をドイツ国内で行えば、何十年にも亘わたって確かな収入が保証されるし、最新武器に関する技術の共有、および向上など安全保障上の利点が大きい。将来の研究開発への参入もあり得る。

同上

ドイツがこんな状態とは……出羽守の口からついぞ、聞いたこともありません。これに比較すると、F-35Bを自国で整備できる日本は、堅実に手を打っていますね。大衆やマスコミを説得するのを、あきらめているのかもしれませんが。日本の防衛省に対して自分は多少不信感を持っているのですが、それでもドイツのあまりの酷さを見てしまうと。いずも級護衛艦の軽空母改造や、次期戦闘機開発なども含めて、割と未来を見越して手を打っている感じがしますね。

■明確な目標と現実路線■

日本は、広報が下手ですが、こればっかりは昔から。そもそも、野党が昔から「ガラス張り外交」とか寝言を言っていますからね。それをさらにブーストさせるマスコミ。軍事なんて機密の塊ですから、そもそもちゃんと広報すること自体に意味があるのか? これはなかなか難しいところですね。いずも級護衛艦も、最初からF-35B対応を説明していたら、中国やロシアや北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対応されてしまっていたでしょう。

【岸田首相、防衛費27年度にGDP2%に増額指示 財源で工夫を】ロイター

[東京 28日 ロイター] - 岸田文雄首相は28日、総合的な防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)の2%程度に増額するよう鈴木俊一財務相と浜田靖一防衛相に指示した。鈴木・浜田両氏が会談後記者団に明らかにした。今後は具体的な増額規模や財源が焦点となる。

浜田防衛相によると、首相からの指示は、1)予算は財源がないからできないということではなく、様々な工夫をした上で必要な内容を迅速にしっかり確保、2)27年度に防衛費とそれを補完する取り組みを合わせ、現在のGDPの2%に達するよう予算措置を講ずる、3)強化された防衛力は、27年度以降も維持強化する必要があり、27年度に向けて歳出・歳入両面での財源確保の措置を一体的に決定すること。このような原則のもとで、今後、与党との協議を進めて政治決着を図る。

https://jp.reuters.com/article/japan-defense-idJPKBN2SI0RM

でもこうやって、防衛費を対GDP比2%まで引き上げると、トップが明言するのは、すごく重要だと思うんですよね。まぁ、財務省は防衛費増額を理由に、増税する気満々かもしれませんが。本来ならば中曽根康弘政権で1%の壁を突破した後、毎年少しずつ増額していて今頃とっくに2%に達しておくべきでした。と言うか、核保有国の軍事独裁国家が三つの隣接し、危険な状況なのですから。本当なら3%でもいいぐらいなんですけどね。

ドイツ出羽守の戯言に振り回されず、日本はしっかり合理的に、厄介な隣人たちに対処していかないといけませんね。理想はあくまでも戦わずして勝つ、これです。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ