平田オリザ氏の負の遺産
◉これは……小さなビッグニュース。左派マスコミは自民党三戦全敗と嬉々としていますが、それは単に局地戦での勝利でしかないのでは、との疑義ひとつ前のnoteで書きました。それよりも豊岡市長選挙、「演劇のまちなんかいらない」と訴えた新人候補が勝利。豊岡市と言えば、平田オリザ氏が主催する劇団・青年団を移転させ、2021年開校の公立大学である芸術文化観光専門職大学の初代学長に就任した地域。この選挙結果は重要ですね。
【新豊岡市長に関貫氏「演劇のまちなんかいらない」 現職を批判】神戸新聞
当選確実の一報が入った関貫氏の選挙事務所(兵庫県豊岡市大手町)は、大きな喜びに包まれた。
当初、3回連続の無投票が予想された同市長選。市議会で保守系会派の代表を務めた関貫氏が立候補の意向を明かしたのは、3月議会の最終日。告示のわずか20日ほど前だった。
「演劇のまちなんかいらない」。現市政に真っ向から異議を唱え、「市民の感情に合っていない」と繰り返し有権者に訴えた。
何度か批判していますが、平田オリザ氏の他業種見下しの傲慢や思い上がり、そしてその弟子筋の深田晃司監督の問題点の指摘は、このnote内では比較的多くのアクセスと評価をいただいています。両者に共通するのは、公金へのタカリ体質。それは、あいちトリエンナーレの津田大介芸術監督と黒幕の永田浩三元NHKプロデューサーや、伊是名夏子社民党常任幹事の言動にも感じる部分ですが。こういう形で、NOを突きつけられたのは、大きいです。
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■文化は大事……だが■
文化や芸術、大事です。それ自体は、人間が生物として生存するためには、必ずしも必要ではないモノ。ですが、人はパンのみにて生きるに非ず、です。ただ生きるためだけだったら、アフリカにいた約400万年前から約200万年前前の、オーストラロピテクスの狩猟採集の生活でも、充分だったはずです。でも人類はムダを生み出してきました。そうやって、人間が生み出した数々のムダのことを、別名で〝文化〟と呼びます。
ところが、平田オリザ氏は演劇以外の存在を馬鹿にしまくり、そのことを自覚せず言い訳しては、さらに他の職業を馬鹿にし、炎上しまくったわけで。でも同業者やファンがそのことを窘めない、窘めてもアリバイ作りのように通り一遍という、さらにマズい状況に。だいたい反体制を気取るなら「御上からは一銭も貰わねぇよ!」という気概がない。裕福な家のボンボンの道楽という点で、共産趣味と同じです。
■衣食足りて礼節を知る■
身も蓋もない言い方をすれば、平田オリザ氏や劇団が来て、市が優遇措置を与えて、公金を投入して、それで文化の香りは高くなったとしても。それで間接的に豊岡市に雇用が生まれましたとかなら、こういう話にはならなかったでしょうね。残念ながら、管仲が「倉廩満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る」と喝破したように、人間はまず食えねば、礼節や栄辱は後回しになるものですから。いわんや、食うに困らぬ高等遊民には付き合いきれぬ訳で。
豊岡市の人口は、ウィキペディア先生によれば7万7005人。兵庫県では日本海側で、神戸市などからも遠く、産業と言えば鞄産業という記述しかなく、後はコウノトリとの共生の街という点ぐらいでしょうか。ウチの田舎(人口10万人だが面積は豊岡市の3分の2)と大差ない地方の田舎町だろうと、想像はつきます。JR西日本の山陰線と、京都丹後鉄道宮豊線があるぶん、ローカル線が廃止されバスも撤退した我が故郷よりは、マシかもですが。
■反体制ポーズの権威主義者■
平田オリザ氏の劇団が大衆性も持ち、それこそ舞台興行を打てば近隣から客が押し寄せるような劇団ならともかく。YouTubeなどにあがった演劇を観る限り、いかにも小劇団の小難しいお芸術演劇で、東京や大阪などの大都市でないと成立しないタイプに思えます。自分は、伝統芸能は文化の連続性という点で、部分的に保護する必要はあると思います。しかし現代劇はちゃんと客を集め、身の丈に合った黒字を出すべきだと思います。
なのに、彼らは公金にタカルのを普通と考えているわけで。辻元清美センセーが創設したピースボートが自衛隊の護衛を受けたり、反体制の弁護士であった福島瑞穂センセーが、坂本弁護士一家失踪事件が起きたら、証拠もない時点で犯人はオウム真理教に違いないから別件逮捕て泥を吐かせろ(大意)と週刊プレイボーイ誌上で口走ったように、本質は権威主義者でいざとなれば権力に頼る、ただの反体制ポーズの人達です。繰り返しますが、御上の世話にはならんという気概がない。
■伊是名社民党常任幹事との共通性■
今回、伊是名夏子社民党常任幹事の言動が批判を浴びているのも、彼女が昔から確信犯的に公共交通機関にクレームを入れていたことが発掘され、その独り善がりのバリアフリー要求が、反発を呼んだ部分も大きいです。無人駅の廃止や廃線が切実な問題の地方在住者からすれば、彼女や社民党の支持者の擁護論は地方に対する視点を欠いた、富める都会人の傲慢──平田オリザ氏的な発言に思えます。
今回、こういう形で豊岡市の有権者が、NOを突きつけたのは時代の変化ですね。これ自体は地方行政の小さな事件で、全国紙はほとんど報じない、報じても通り一遍の報道になるでしょう。でも、東京のコンサルなどが地方行政を食い物にする、横文字ビジネスが通用しなくなりつつある象徴であると、自分は思いますよ? 若い世代はインターネットで情報を取得し、マスコミのウソを見破る人が増えました。地方行政の健全化に期待です。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
■追記■
地元の人の声をTwitter上で見掛けましたので、転載しておきます。豊岡市というとピンときませんが、但馬国の出石といわれると、小京都と呼ばれる守護大名山名氏の本拠地だったところ。地方都市ながら、歴史と文化のある土地。
劇団と市民の間に、軋轢も生まれていたようで。平田オリザ氏の高等遊民的な、お芸術家様は偉いんだ・演劇は特に偉いんだという底意が滲む暴言の数々が、実績ある現職市長を落選に追い込んだ……と。小演劇の狭い世界では批判もなく、聞こえても来ないですが、これが民草の声というヤツです。これで、平田オリザ氏が「市の協力を得られず、限界を感じた」とか言い訳して、学長辞任したら大笑いですが。豊岡市に骨を埋める覚悟を見せないと、ダメでしょうね。でも、こんな意見も。
あらあらあらあら……。昔っから公金タカリ体質なんだなぁ。こりゃあ期待薄ですね。そのうち「市民の理解が得られず、がんばったが限界を感じた」とか言って市民の側に責任転嫁して、逃げ出す可能性高し。竹宮惠子先生は、京都精華大学の学部長に2008年に選出され、2013年に次期学長に選出され、2020年に定年退職されていますが。平田オリザ学長は何年がんばるか? じっくり観察いたしましょう。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
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