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温泉RNAウィルス発見

◉70度以上の高温でも生きられるって、すごいですね。人間なんて、43度を超えると身体を構成するタンパク質が変化して、元に戻らなくなり、死に至るんですが。だから、体温計ってそれぐらいまでしかメモリがないんですよね。地球が原初の時代の特徴を、そのまま残している可能性があり、進化の解明にも役立ちそうな発見ですね。霧島や雲仙といった九州の温泉以外でも今後、発見される可能性がありそうですね。

【「温泉RNAウイルス」雲仙や霧島で見つかる…70度以上で存在し「段違いに新しい発見」】読売新聞

 新しい系統に属する可能性が高いRNAウイルスを発見したと、筑波大などの研究チームが発表した。見つけたのは九州地方の高温酸性の温泉で、チームはウイルスを「HsRV(温泉RNAウイルス)」と名付けた。論文が、科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」に掲載された。

 同大の浦山俊一助教(RNAウイルス学)らは2015~17年、雲仙(長崎県)や霧島(鹿児島県)の噴気地帯で、セ氏70~80度で酸性の水を採取。独自に開発したRNA検出技術で調べたところ、RNAウイルスのゲノム(全遺伝情報)が見つかったという。チームによると、70度以上の高温で存在するRNAウイルスが見つかったのは初めて。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20240121-OYT1T50053/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ウィルスを顕微鏡で見た写真? イラスト? どっちか解りませんが、それぽいヤツです。

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雲仙で見つかったウイルスは、既知のRNAウイルスの二つの系統とは異なり、中間的な特徴を持っていた──とのこと。ひょっとしたらこれ自体は進化の結果なのかもしれません。温泉という隔絶された場所で、過去の形質を保持していたのではなく、新しい特徴を獲得したのかもしれません。それであっても、遺伝子と生物進化の謎を解く上では、貴重なサンプルですけれどね。

地球の生命はどこで生まれたかという問いに対して、かつては原始地球で雷が海面にバンバン落ち、この電気エネルギーと海に溶け出した 各種成分が混ざり合って、単純なアミノ酸が形成されて、生命誕生につながったという仮説が、有力でしたが。現在は、海底でマグマが紛失するような熱水噴出孔が、生命誕生の場ではないかという仮説も有力です。

高圧の熱水噴出孔では、水温が200度になることもあります。100度で沸騰するはずが、高い圧力で気体になることができずに、液体のままなんですね。でもその熱水噴出孔は、周囲にハオリムシ(ワームチューブ)や甲殻類など、数多くの生物が密集して コロニーを形成しているんですよね。熱水噴出孔から出てくる硫化水素を元に、独自の生態系が形成されているそうで。つまり、原始的な生物も、24時間エネルギーが出続ける熱水噴出孔で生まれた可能性。

熱水噴出孔は1979年に発見され、意外と新しいんですよね。熱水噴出孔近くにいる原核生物は、多くの生物にとっては有害な硫化水素から、化学合成により有機物を生産し、これを元に生きる微生物がいて。ハオリムシとか、原核生物を数種類、体内に共生させてエネルギーを得ていて。熱水噴出孔周辺には独自のコロニーができていますからね。あんがい、そんな形で原始の生命も生まれたのではないかと。DNAより先にRNAが生まれたそうですから、ここらへんの生命史を、紐解くきっかけになればいいですね。

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