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岸田内閣、原発新増設へ

◉検討するばかりで動かない、と揶揄されている岸田内閣ですが。原発に関しては、参院選選挙前から発言が増えた感じですね。どっちかと言えば、手続きやら見通しやらで、確実なことが出るまで動かない、慎重居士といだけで。広島選挙区だからといって、けして反原発派というわけでもないようですし。将来的な新増設となると、いよいよメルトダウンしづらい構造の第四世代原子炉──高温ガス炉の小型モジュール炉に、舵を切るのでしょうかね。

【原発フル活用へ布石 岸田首相、新増設も視野か―GX会議】時事通信社

岸田文雄首相が地球温暖化対策のため27日に発足させたグリーントランスフォーメーション(GX)の実行会議は、東日本大震災・東京電力福島第1原発事故後の「脱原発」の流れを反転させ、原子力エネルギーを再び積極活用する布石でもある。首相は原発再稼働を加速したい考えで、将来的な新増設も視野に入れているようだ。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072700995&g=pol

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、福島第一原発のイラストです。

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■脱原発から再稼働へ■

そもそも、脱原発・脱炭素という流れ自体が、耳障りの良い理想論であって、現実を見ていないんですよね。結果的に、ドイツのメルケル政権はそちらに舵を切り、自国の原発は停止しつつ、フランスの原発から電気を買うという、いかにもの左翼仕草。結果的に、ロシアの天然ガスへの依存を強め、そこを見切られてのウクライナ侵攻を招いたのですから、お話になりません。日本が二次大戦で無謀な対米開戦に踏み切ったのも、エネルギー問題が根本にありますからね。

エネルギー問題は国家の命運を握るほど、大事なもの。平和ボケの日本では、外交や軍事やエネルギー問題への関心が薄く、ウクライナ侵攻でようやく慌てたという感じです。でも、真夏に停電の危機がアナウンスされて、ようやく危機感が増しています。無能な方の菅元総理大臣が独断専行で原発を止めてしまってから10年、再稼働のハードルはずいぶん下がりましたが、それでも多くは西日本のもの。東日本の原発は、遅々として進んでいません。

■イギリスとの関係強化■

第四世代原子炉は、多数のタイプが研究されています。基本は、メルトダウンしづらい、安全性の高いものが多いようで。特に、高温ガス炉は昨年9月には中国の商用実証炉が臨界に達するなど、実用化の目処が立っている唯一の第四原子炉でもあります。アメリカとイギリスは、2029年に商用炉の稼働を目指していますから、日本もそれより少し遅れての稼働ができれば、御の字ですが。それ以外の原子炉の新増設は、今からだと難しいのではないでしょうかね。

日本は、東芝が原発事業を精算しましたし、そういう意味では原発事業自体は、遅れ気味。日本が次世代戦闘機の開発を、アメリカとの共同開発からイギリスとの共同開発に変えたのも、原発絡みでイギリスとの関係を強化したかったのか。ジェットエンジンの開発力があるロールス・ロイス社は、原発開発でも有名な企業ですしね。日英同盟の復活はともかくとして、イギリスとの関係強化は、政治面でのアメリカ一辺倒からの脱却でもあり、軍事や産業や金融など、多方面で好影響がありそうです。

■第四世代炉の可能性■

そして、第四世代炉。小型モジュール炉(Small Modular Reactor=SMR)の別名で呼ばれることも多いですが、小型モジュール炉とはその名の通り旧来の原発よりも小型で、各構造を機能ごとにユニット化(モジュール化)して、工場で大量に同じ部品を作り、現地で組み立てて建築できるタイプのため。それまでの原発って、一品物的な部分があり、建造費が高くなるのですが。こういう経済効率の良さも、魅力です。で、コレって日本にも有効なんですよね。

何度か書いていますが、第二世代や第三世代の原子炉は、古くて硬い岩盤と冷却用の豊富な水が必要です。理想は、第三期よりも古く、安定した岩盤。福島や福井、北海道の止まり、島根、伊方、玄海、川内などの原発が、恐竜化石や貝化石の産地の近くなのは、理由があるんですね。それは、沖積平野の関東平野は岩盤まで3000メートルも掘らないと到達しないので、基本的に無理(大量のパイルを打ち込んでコストを無視すれば可能)。貧しい地域に原発を押し付けてるなんてのは、無知か詐術のどっちかでしょう。

■エネルギー研究は続く■

しかし、第四世代炉は冷却材にヘリウムや溶融塩を使うタイプで、メルトダウンが起こらない構造ですから、冷却用の河川や海水が不要。理論上は、砂漠でも極地でも稼働できますしね。小型ゆえ、出力は原稿の原子炉の3分の1ほどとされますが。一箇所で大規模発電よりも、分散させてのほうが、大規模停電も避けられますしね。まさに、地産地消。県庁所在地に1原発、ぐらいが理想でしょう。現実には、原発だけで電力は賄えませんけどね。水力や火力は依然として、有力な発電。

高温ガス炉は、その高温を利用しての原子力製鉄や、石炭の液化や水素の生成も期待されます。原発で石炭を液化して、火力発電所に回すというのも、結果的にリスクの分散や、エネルギーの安定供給の面で、大きいのではないでしょうかね。次に国政選挙があるとしたら、衆議院が解散するであろう2025年頃。アメリカやイギリスでは、商用炉の建設着手している頃でしょう。日本もその頃には、新増設はの目処が立っていれば良いのですが。

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