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21世紀のステルス零戦?

◉日本の次期ステルス戦闘機に、韓国の次期大統領候補が危機感を持っている……という報道ですが。これって、そう単純な話ではなく。韓国はこういう形で対日での危機感を煽ることで、右にも左にも訴求しますからね。韓国も、次の産業は航空機部門という部分はあり、そのための国産戦闘機開発でノウハウを蓄積し、それを民間企業にフィードバックする、という部分はあるでしょう。日本だと三菱やIHIなどがそうですが。

【「21世紀のステルス零戦が来る」日本の次期戦闘機に韓国が緊張】ZAKZAK

 韓国の与党・共に民主党の大統領候補である李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事は14日、慶尚南道の泗川市にある韓国航空宇宙産業(KAI)を訪れ、次期戦闘機KF-21の開発現場を視察するなどした。
(中略)
 第2次世界大戦当時、連合軍を恐怖に震わせた『零戦』の後を継ぐ『21世紀のステルス零戦』が登場するのではないかとの観測が少なくない。4.5世代のKF-21開発を進めている韓国との技術的格差をいっそう広げる見込みだ」

ヘッダーの写真はウィキペディアより、先進技術実証用航空機X-2です。

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■韓国の対日軍事戦略■

韓国では、日本の全通甲板の艦艇に対抗するために、載せるヘリコプターの計画も曖昧なまま強襲揚陸艦を建設しましたが。日本に対抗だと、政治家の人気燃えやすく、また予算が取りやすいのでしょうね。日本が、F-2の後継となる戦闘機が必要で、できれば双発機がほしいのは事実です。片方のエンジンが壊れても、もう片方でなんとか帰還できるので、双発機はマンパワー不足の日本では、譲れない部分。F-35の高性能は認めても、です。

もともと、韓国には核武装幻想と、戦略原潜幻想があります。日帝を降伏させた原子爆弾にある種の幻想をいだいているのでしょうけれど。これは朴正煕大統領の時代からの悲願で、北朝鮮が先に実現させてしまいましたが。戦略原潜も、日本(と中国)に対する核攻撃というカードを持ちたい、という願望ゆえなんですが。北朝鮮相手に戦略原潜を保つ意味がないのですから、当然ですね。まぁ、実際に北朝鮮は核開発でアメリカを振り回していますから。

■次期戦闘機の実力■

でも、F-2は昔の区分で言う支援戦闘機ですからね。メインの戦闘機ではないですし。残念ながら、世界の半分の軍事費を費やすアメリカに、ノーベル賞級の科学者を多数抱えるアメリカに、日本が単独で対抗できる戦闘機を作れるはずもなく。そのアメリカも、単独での開発が難しくなって、F-35は共同開発になったわけですから。零戦に過剰な幻想を持って、国粋主義に走るのは、ダメでしょと。これは石原慎太郎氏の『「NO」と言える日本 』の昔からですが。

零戦は防御を極限までケチったがゆえの軽量化で、操作性の良さによる格闘戦の強さ、燃費の良さでの長距離飛行が可能だったので、その点では優れた戦闘機でしたが。そのエンジンパワーの弱さや、防御の甘さという弱点がバレた後は、いいように撃墜されていましたしね。特攻隊という人命軽視の戦法に走ったのも、パイロットは育てるのに金も時間もかかるという現実を無視した、戦法ですしね。マンパワー軽視と現場のマンパワー依存という、矛盾した部分が。

■反日と民族主義の裏表■

たとえば、F-15は70年代に設計されていますが、大型大出力のエンジンのおかげで、今でも現役ですからね。というか、公式には未だ撃墜されたことがなく(非公式では撃墜を主張する国はある)。それぐらい、日米には軍事技術から予算、差がありますしね。日本は米英などを引き込み、双発機で航続距離が長く、爆撃機などにも使える汎用性の高い戦闘機を開発すべきで。まさに、名機F-16の代替になるステルス機開発が必要。本来なら、韓国もコレに一枚噛んでくるぐらいの強かさが必要なんですが。

反日の国是(何しろ憲法にも大韓民国臨時政府の正統を継いでいる旨が書かれていますから)の韓国には、それは無理。地政学的には、米軍の後ろ盾がなければ、下関条約以前の大陸の王朝の属国に戻るしか無いのですが、そういう意識は乏しいようで。そういう部分で、日本の国粋主義者と韓国人はにてると、自分が主張する部分。コレはある意味当然で。中華のコピーであることが国是だった半島に、民族自立を教えたのは日本ですから。

■国粋主義の危うさを知る■

日本という国号も、天皇号も、元号も、実は対中華王朝への独立宣言。少なくとも、冊封体制から距離を置くという宣言。ただし、おおっぴらには言いませんけどね。白村江の戦いで大敗し、日本はこの島国を天下として、皇帝のような天皇を戴く、小中華として聖徳太子や天智天皇の時代から、ずっとやってきましたから。まぁ、コレは実はベトナムとかもそうなんですけどね。だから、日本もベトナムも元朝と戦ったし、アメリカとも戦った部分があります。

極真空手の大山倍達総裁とその師である曺寧柱が、石原莞爾に心酔し、東亜連盟に馳せ参じていたのは、偶然ではないです。それは、拳道会の中村日出夫師範が純日本的な武道精神をインタビューで語っていたように。ナショナリズムは1000年以上前からそれを育んだ日本の影響が大きいんですよね。でも、民族主義を置いs通しすぎて、建国の正統性で北朝鮮にコンプレックスを持つという状況ですが。韓国の政治家の発言は、こういう事情を知った上で読むと、興味深いです。

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