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英国流外交術
◉アメリカの叩き上げの外交官は、故与謝野薫氏が苦手だったとか。親が外交官で、子供の頃から英国流の外交術を肌感覚で身につけ、さらに祖父母は高名な文学者。そういう経験値と血統の良さに、実力でのし上がってきたタイプは、本人の努力では難しい物を持ってる人物には、ある種のコンプレックスを刺激されるようで。で、その英国流外交術、スクナ首相がG7広島サミットで、遺憾なく発揮していますね。
安心してください、はいて・・・ではなくて、実はこれ、広島カープのロゴ入り靴下。
— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 19, 2023
大のカープファンだという岸田首相。スナク首相の粋な計らいで、両首相の距離がぐっと近づきました。 pic.twitter.com/rXegy5BoJ0
G7を利用して、地元広島のアピールに力を入れる岸田総理大臣の、琴線をよく判っていますね。野球とか、イギリスではほぼ知らないでしょうに。で、カープファンのハートも鷲掴み。
岸田首相のおすすめで、スナク首相がお好み焼き作りに挑戦! pic.twitter.com/1JA6oGEssq
— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 20, 2023
そして、お好み焼きにもチャレンジ。関西風か広島風かで、仁義なき戦い第2ラウンドを起こしかねない中、海外にアピール。これでオタフクソースの派遣は確定か? オリバーソースは怒っていいです(断言)。こういう、お茶目で愛されるパフォーマンスと同時に、英国の知性を感じさせる言葉で、豪速球をど真ん中に投げ込んでくる。やはりこの国は、世界トップクラスの政治の国。
スナク首相は、広島平和記念資料館で以下のように記帳しました。
— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 20, 2023
英語のメッセージの後に、日本語の仮訳をつけます。
👇 pic.twitter.com/3iZtglxWlL
Shakespeare tells us to “give sorrow words”. Yet language fails in the light of the bomb’s flash. No words can describe the horror and suffering of the people of Hiroshima and Nagasaki. But what we can say, with all our hearts, and all our souls, is no more.
— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 20, 2023
【仮訳】
— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 20, 2023
シェイクスピアは、「悲しみを言葉に出せ」と説いている。しかし、原爆の閃光に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ。
自国の文豪の言葉を引き、広島のメッセージを的確に世界に伝え、でもアメリカを非難する文脈は避ける、この剛腕ぶり。なるほどこれが、英国流外交術なのかと。老獪ですが、そのスマートさに唸るしかないですね。二枚舌三枚舌の老獪な国ですが、勝てば官軍。しかし、常に勝ち馬の側につくその上手さは、やはりすごいです。植民地支配でも、酷いことをやってる割には旧宗主国として、関係は良好ですから。したたかな国です。
7つの国、1つの使命
— 🇬🇧UK in Japan🇯🇵 (@UKinJapan) May 19, 2023
🇬🇧🇺🇸🇫🇷🇮🇹🇯🇵🇨🇦🇩🇪
#G7広島サミット は、膨大な経済的課題と世界的な不安定さの中で開催されています。
世界の繁栄、安全保障、主権に対する脅威に直面している今こそ、我々は団結しなければなりません。 pic.twitter.com/GkvBULk6db
今回のG7サミットは、イギリスが政治的な絵図を書いたのではないかと、疑いたくなるほど。こうやって広島にアメリカ大統領を引っ張り出すことで、追い詰められたプーチン大統領が戦術核を使う可能性に釘を差し、西側の団結を見せる。そこに、さらにゼレンスキー大統領まで招待し、世界の耳目を集める。これはもう、安倍首相でないと難しいと思われるレベルのことを、立派にやり遂げました。立憲民主王政権だったら、100年経っても無理。共産党政権なら、プーチン大統領・習近平主席・金正恩三代目将軍様と一緒に、志位和夫氏が献花していたでしょう。
今回のゼレンスキーの移動
— 図星 (@zuboc) May 20, 2023
『中東アラブから』
『フランスの飛行機で』
『G7サミットやってる日本に向かう』
『それを世界のメディアが報道』
この世界を巻き込んだ移動そのものにセレモニーの意味を持たせているのか。
国内向けに戦車一台のパレードやったばかりのプーチンと対比するため? pic.twitter.com/0rPKCBnbh9
そして、一般社団法人Colabo弁護団のメンバーである堀弁護士は、このG7の意味をちゃんと理解できてるようです。そう、パラダイムが変わったのです。いや、正確には昨年のウクライナ侵攻で、昭和の時代の戦後民主主義は、大きく崩れてしまったのですが。非武装中立論や憲法9条が、お花畑平和論だと、大衆が気づいてしまった。そこを認めていなかったマスコミや文化人、アカデミズムが必死に抵抗しましたが。最もホットな左派の弁護団である堀弁護士まで気づいてしまった。ついに、そこに止めを刺されたのです。
広島を舞台にしてゼレンスキーの参加するG7で「核兵器反対」を強調するということは
— Shin Hori (@ShinHori1) May 20, 2023
「ウクライナ戦争でロシアが核の脅しを手段として使うことを許さない」
という非常に限定された具体的な意味になる。
この種の文脈で「核兵器反対」を使うのは、日本の平和運動の言説が想定していなかった事態で
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— Shin Hori (@ShinHori1) May 20, 2023
ここでもこれまでの戦後日本の平和運動言説のあり方に難しい問いが突きつけられたと言えるだろう。
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— Shin Hori (@ShinHori1) May 20, 2023
これまで日本の平和運動的な言説の世界では、主に「核のない世界を願う」とか「米国等の核実験や配備に反対」という文脈で「核兵器反対」が唱えられてきたのであって、今回のように特定の国家間の戦争で、一方当事者が核兵器を利用するのを牽制する意味で「核兵器反対」を唱える事態はほぼなかった
そう、昭和の時代のパラダイムと、変わっている。昭和の時代のテンプレートで、デモに手書きダンボールプラカードにヘルメットという、SEALDsの背後にいた線学連・全共闘の老人たちの手法が、もう通用しなくなっているのと同じで。その主張さえも、自家撞着を起こしているのです。でも、当の左翼自身が、その事に気づいていない。「アメリカや西側諸国の核はきれいな核だと言うつもりか!」と非難しても、「共産主義国の核はきれいな核」の裏返しで、ブーメランになるだけの地獄絵図。
反自民で完全におかしくなって「侵略戦争は絶対に許さない」とすら言えなくなってしまい、ゼレンスキーさんを日本によんでG7の場で侵略を許さないメッセージすらだすことを反対するようになってしまった自称リベラルの反自民のあしたはどっちだ。
— もへもへ (@gerogeroR) May 20, 2023
これが、反自民党を至上命題にしてしまい、是々非々の議論ができずカルト化した、左派の終着点。戦後民主主義の恩恵を受けながら、荒れる中学・荒れる高校・荒れる大学と暴れ続け、そのくせバブルの恩恵は一番受け、年金は逃げ切り世代で、でも暴走老人と化した全学連全共闘世代の老人たちは、もう転向はできないでしょう。そして、彼らの多くが死ぬ10年後ぐらいに、戦後が終わるのでしょうね。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ