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脱石炭のドイツが石炭回帰

◉脱炭素社会・脱石炭を掲げていたドイツが、石炭火力発電所に回帰ですか。あ~、はいはい。またゲームチェンジャーですか。日本は明治維新で万国公法を守るというのが、国際社会の一員になる道だと思い、割と生真面目にそれを遵守しようとしてきた部分があったのですが。現実には、都合が悪くなれば、その法を破ったり変えたりするのが、欧米の社会の現実なんですよね。それを明治の元勲たちに教えてくれたのが、ドイツの鉄血宰相ビスマルクであったというのも、皮肉ですが。

【「脱石炭」のドイツ、石炭利用増加へ 露産ガスの輸送減対策で】毎日新聞

 ドイツのハベック経済・気候保護相は19日に声明を出し、ロシア産天然ガスの輸送量が大幅に減少したことを受け、石炭火力発電の利用を増やす緊急措置を講じる考えを示した。関連法の整備を急ぐという。
 ロシア国営ガス大手ガスプロムは、海底パイプライン「ノルド・ストリーム」経由でドイツに輸送するガスの供給量を16日から計画より約6割減らすと表明していた。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、蒸気機関車の石炭投入口のイラストです。

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■ビスマルクの教え■

オットー・フォン・ビスマルク。岩倉使節団は欧米の文化を学び、不平等条約の解消のための方法論や、これからの日本の舵取りを学ぼうと、長期間世界を巡ったのですが。どこも通り一遍の建前論しか言わない中、鉄血宰相ビスマルクのみは、本音で欧米の建前と本音を語り、目地の元勲たちに、大きな影響を与えます。日本の官僚制度の生みの親・大久保利通はその最たる例。ウィキペディアから、その言葉を転載しておきましょうかね。

「現在世界各国は親睦礼儀をもって交流しているが、それは表面上のことである。内面では弱肉強食が実情である。私が幼い頃プロイセンがいかに貧弱だったかは貴方達も知っているだろう。当時味わった小国の悲哀と怒りを忘れることができない。万国公法は列国の権利を保存する不変の法というが、大国にとっては利があれば公法を守るだろうが、不利とみれば公法に代わって武力を用いるだろう」
「我々は数十年かけてようやく列強と対等外交ができる地位を得た。貴方がたも万国公法を気にするより、富国強兵を行い、独立を全うすることを考えるべきだ。さもなければ植民地化の波に飲み込まれるだろう」

さすが、少領主の連合でしかなかったドイツを、世界屈指の大国であるドイツ帝国に押し上げた名宰相。毀誉褒貶はあれど、やはり世界の政治史に残る大政治家。そりゃあ、伊藤博文ら影響を受けますし、明治日本が初版の連合体だった幕藩体制から、ドイツを手本にしようとしたのは納得です。ただ、ビスマルクは大政治家でしたが、彼がいみじくも「政治とは学問ではなく名人芸だ」と語ったように、彼が政治の表舞台を去ってから、ドイツはずっと瞑想を続けてヒトラーに至るわけです。

■石炭回帰=脱メルケル■

ドイツは長らく、アンゲラ・メルケル首相が政権に付き、その期間は第四次内閣で2005年11月22日から2021年12月8日までの16年間。日本の憲政史上、かなりの長期政権であった第二次安倍晋三内閣が 2012年12月26日から2020年9月16日ですから、その長さに驚きます。未だに人気は高いようですが、結果的に彼女の長期政権で、ドイツはかなり左重心になってしまったのも事実。しかも、悪い意味で。今回のロシア連邦のウクライナ侵攻も、ドイツの間接的影響が。

多少は歴史好きな人間の、個人的な感触ですが。どうにも政権にしても社長の座にしても、10年を超えるとだいたい腐りますね。アメリカの大統領が2期8年を上限とするのも、割と合理的な気がします。日産のカルロス・ゴーン社長も長期居座って、結果的に腐敗しましたが。HONDAなど、割と数年で社長が交代するのは、藤沢武夫氏が残した役員大部屋制で、社長以下毎日顔を合わせているので、社長が変わっても方針がガラッとは変わらないので。

■風見鶏に付和雷同しない■

もちろん、長期安定性権だからこそ、長いスパンでできる部分があるんですが。開発独裁と呼ばれる、国家の黎明期には特に。でも、韓国の朴正煕大統領による独裁政権も、1963年から1979年まで16年の長きに渡りましたから。奇しくも、メルケル首相の在任期間と同じ。朴正煕政権は暗殺で終わったので、もっと長く続いた可能性はありますが。1972年の金大中拉致事件や1974年の文光世事件など、10年ぐらいで綻びが見えていますからね。10年が限度でしょう。

日本は、欧米のこのような浮ついたリベラルの言説に付和雷同する出羽守によって、ずっと振り回されてきた部分はあります。ニューディーラーたちが、自分の国ではできもしない理想を日本に押し付けた憲法9条とか、その最たるものですけどね。ドイツは、メルケル政権の終焉とともに、ウクライナ侵攻で軍事費増加に石炭火力回帰と、あっさりメルケル路線を捨てて、方向転換。もっとも、ほとぼりが冷めたらまたすぐ、クルクルクルリンと方向転換するでしょう。

日本は日本で、石炭火力発電とかの研究はけっこう世界的にもレベルが高いですし、そこをちゃんと主張していくことが大事でしょうね。広報の下手さは、昔からですが、そこはもう死ぬ気で何とかせんと、ダメでしょうね。苦手です、で通用する時代ではないですし。でもなぁ。日本国内で優秀なkん料って、やっぱり国際感覚がダメダメって傾向があるようで。安倍政権は、そこは国際的にも、かなりまともな方で評価が高いんですが。

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