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テレビ朝日社長が横領で辞任

◉経費の私的使用という見出しになっていますが、要するに横領のことですね。左派系マスコミの筆頭として批判されがちなテレビ朝日ですが、トップが交代となると穏やかではないですね。これが社内調査の結果、偶然出てきた不祥事なのか、あるいはテレビ朝日内部の権力闘争の結果なのか、朝日新聞本社の意向を受けての不祥事発覚なのか、自分には分かりませんが。ひょっとしてこれも、昨年の野党共闘の失敗による、リベラル陣営の亀裂の余波だとしたら、興味深いですが。

【テレビ朝日・亀山慶二社長が辞任 会食・ゴルフなど経費の私的使用】スポーツ報知

 テレビ朝日は10日、取締役会を開き、亀山慶二代表取締役社長・COOの辞任の申し出を受理し、決議したと発表した。早河洋代表取締役会長・CEOが兼任する。
 昨年8月以降、スポーツ局の社員・スタッフによる不祥事が連続して発覚したことについて、業務監査・検証委員会が調査した結果、スポーツ局統括でもある亀山氏とスポーツ局長との意思疎通の欠如、不適正な伝票処理による会社経費の私的利用などが発覚したとしている。

ヘッダーはWikipediaより、テレビ朝日本社ビルの写真です。

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■朝日新聞とテレビ朝日■

朝日新聞とテレビ朝日。グループの二本の柱なのですが、凋落が激しい新聞部門に比較して、テレビの方はまだまだ娯楽の王者の地位にあります。インターネットに、だいぶ押されてはいますが。親会社であるテレビ朝日ホールディングスの売上高は、Wikipediaによれば連結で2645億5700万円、単独でも67億0600万円(2021年3月期)と、やはり巨額です。一方、朝日新聞社は、売上高は連結で2937億71百万円(2021年3月期)と、上回ってはいますが。

純利益で見ると、テレビ朝日ホールディングスは連結で126億8500万円、単独で71億3400万円。従業員数は連結で5332人、単独で79人。朝日新聞社の純利益は、連結441億94百万円で、従業員数連結で4341人。とはいえ、社員の給料を一律165万円もカットして、朝日新聞労働組合副委員長が自殺する事態に追い込まれたのが、2019年のことでした。本業の新聞の売り上げはどんどん落ちて苦しく、不動産業などで利益を出しているのが実態のようです。

■右旋回する朝日新聞社■

2014年3月、植村隆記者が朝日新聞を早期退職した途端、朝日新聞は出会えるかっこ月の「従軍慰安婦」報道について、誤報を認めました。朝日新聞 OB で、古巣の欺瞞を舌鋒鋭く批判していた稲垣毅史は生前、朝日新聞が右旋回するとしたら実売で600万円部を割り込んだあたりだろうと、予言されていました。実際の販売部数よりも多くの押し紙を、新聞社が販売店に押し付けているのは周知の事実。

朝日新聞本社としては2014年の段階でもう、右旋回を始めていたというのが自分の見立て。もちろん、現場の新聞記者やデスク、部長レベルでは会社の方針に反対している人も、多かったでしょう。しかしそれが5年後の2019年には経営陣に給料の大幅ダウンを押し切られ、それからさらに3年経って、テレビ朝日の社長が、横領で辞任。金額は明らかではありませんが、会食やゴルフの経費などというのは、大金ではないでしょう。

■トカゲの尻尾切りか?■

それが辞任という形になったのは、表沙汰にはできない形でもっと大きなお金が動いていたのか? ひょっとして立憲民主党絡みで、CLP問題やブルージャパン疑惑のような、もっと大きな問題があって、トカゲの尻尾切りに走ったのか? あるいは本社の一行で、テレビ朝日社長の首をすげ替えるべく、内部抗争が勃発したのか? 詳細はわかりません。しかしながら、何やら大きな動きがあるような気がしてなりません。

ひょっとしたらそれは、数年後にようやく真相がわかるのかもしれません。いずれにしてもテレビ朝日は、新聞本社は東京オリンピックを批判しておきながら、テレビ朝日の社員たちは緊急事態宣言下にあったにも関わらず、打ち上げと称して酒を飲み、謎の転落事故という不祥事まで起こしています。かなり好き勝手にやっている状況が社長以下、現場にあったのは想像に難くありません。

■旧メディアの権力闘争■

ここら辺はテレビ東京も含め、テレビ業界全体の体質なのかもしれませんが。新聞・テレビ・ラジオ・雑誌など、昭和の時代から続く旧メディアが、インターネットという双方向メディアの出現によって、急速にその権威が失墜し、利益的な部分でも苦戦しているのは事実です。自分ももう20年近く、テレビは壊れてしまってから自宅では見ていない状況です。最近は仕事中でも、YouTube の動画を流していることが多いです。

貧すれば鈍す。グループ全体の中で、主導権争いが起きているのかもしれません。そこら辺に関しては正力松太郎以来、独裁者をいただく読売新聞グループは、そういう話はあまり聞きませんね。朝日新聞や毎日新聞、その系列のテレビ朝日やTBSなど、左側のメディアの方が何かとお金にまつわる噂話が絶えません。CLPも「TBS 別働隊」などと、須田慎一郎氏に揶揄されていましたね。TBSラジオも怪しい動きをしていますし。

■スマホがインフラへと■

これは単なる勘にしか過ぎませんが、東京新聞の望月衣塑子記者の件も、この流れで理解すべきかもしれません。Netflixという、インターネットをベースにした新興メディアの、番組制作をきっかけに文春砲が炸裂してしまったのですから、非常に象徴的です。インターネットという新興メディアに、旧メディアの人間が関わろうとする時、必ず金の問題が発生するのは、新聞からテレビの時代に移行する時も起きたようですし。

上記の記事によれば、2011年には8.5パーセントしかなかったスマートフォンの普及率は、2021年9月の調査では86.9パーセントに達しています。たった10年で驚異的な伸びを見せています。10代や20代では98%、20代から50代でも90%に達しています。パソコンはテレビのような復旧は出来ませんでしたが、スマートフォンは完全にインフラになってしまいましたね。スマートフォンの正体は、携帯電話のふりをしたパソコンですから。

■風見鶏の方向転換か?■

その結果、一歩通行の旧メディアの問題点が、可視化されましたね。パソコンもインターネットも、2000年代にはかなり普及した印象だったのですが。テレビのようなインフラにはなり得ていなかった、ということなのでしょうね。インターネットが出現した時も、これが世界を変えるとは思いませんでした。それはスマートフォンにしても同じで。スティーブ・ジョブズが世界を変えてしまった。

時代の変化というのはそんなものなのかもしれません。逆に言えば、旧メディアに頼り切った高齢者層と、ネットで幅広く情報を得る若者層と、分断が起きてるわけで……。この社長辞任劇も、テレビの時代からインターネットの時代へ移り変わる、時代の変化の象徴かもしれません。ただはっきり言えるのは、戦前から戦後への朝日新聞の変わり身と同様に、この変化によってマスコミが良くなるとは、自分には思えないんですよね。

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