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エネルギーネタあれこれ

エネルギー関係に関する情報がいくつかたまってしまいましたので、まとめてnoteにまとめました。

■バイオマス発電の問題■

福島原子力発電所の事故から10年、ようやく少しは冷静な議論ができる土壌が生まれてきたように思います。事故直後は正直、放射性物質を神道における穢れの概念と同一視し、パニックと言うかフォビアになっている人が多く、冷静な議論ができませんでしたから。あれから10年、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーは主たる代替エネルギーにはなり得ないという認識が、若い世代には共有され始めました。

バイオマスなどの、カーボンニュートラルと呼ばれた各種発電も、これまた代替エネルギーとはなり得ません。少なくとも現時点では。東洋経済が、バイオマス発電について取り上げていました。現実的にはバイオマス発電は、日本国内ではそもそもバイオマスの生産量が絶対的に不足しているので、外国からの輸入に頼るという、フランスから原子力発電所のエネルギーを輸入するドイツのような、偽善的なことにしかならないのではないかと思います。

実は個人的には、オーランチオキトリウムなどの石油精製細菌などには期待しているのですが、これもまだまだ研究が始まったばかりで、実用化には程遠いですからね。石油や石炭というのは地球が何億年もかけて溜め込んできた、膨大な量のバイオマスの成れの果てですから(石油無機由来説に関してはここでは論じませんが)。それよりも効率の良いエネルギー生成というのは、かなり難しいでしょうね。

【期待の再エネ「バイオマス発電」の理想と現実】東洋経済オンライン

 政府が掲げる2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が進められている。
 再エネの中でも間伐材や廃材などを原料にしたバイオマス発電は、風や日照量に左右されず、安定した電源として期待されてきた。しかし、そのバイオマス発電の持続可能性に疑問の声が上がっている。

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■石炭利用の可能性■

日本経済新聞は、同じ化石燃料ですが世界各地から豊富に産出する石炭、それもこれまではあまり性質が良くないとして顧みられることが少なかった褐炭を利用した、水素製造について言及しています。石炭液化に関しては、自分が小学生の頃に起きた石油ショックの頃から、かなり長期間かけて研究されていたのですが。こちらもなかなか実用化が難しい側面があるようです。

石炭には、石炭紀などに作られた良質の無煙炭(炭素含有率90%以上)から、瀝青炭(炭素含有量70%から75%)、瀝青炭の一種だが水分を含む亜瀝青炭、低品質な褐炭(炭素含有量60%以上)、褐炭の中でも出が悪い亜炭(炭素含有量60%以下)、ウイスキー製造の過程で使用される泥炭など、種類が分かれます。良質の無煙炭は産出量は少ないですが、瀝青炭や褐炭は比較的世界中から算出されます。

かつては石油の世界においても、オイルサンドやオイルシェールと呼ばれていたタイトオイルに分類される非在来型の石油は、取り出したり精製するのが難しいということで、ほとんど無視されていましたが。これも技術の進歩によって有望な石油供給源となったのは、皆さんご存知の通り。石炭の利用方法に関しても、新技術によって一気にブレイクスルーするのならば、有望なのですが。現時点ではまだまだ、高効率とは呼べません。

【Jパワー、褐炭から水素製造 オーストラリアで】日本経済新聞

Jパワーは1日、石炭の一種である褐炭由来の水素の製造をオーストラリアで開始したと発表した。川崎重工業などと参画する日豪間の水素供給網構築に向けた実証事業の一環。Jパワーが褐炭から水素を製造するのは初めてだ。
褐炭は一般的な石炭に比べて水分や不純物を多く含み、乾燥すると自然発火する可能性があることから輸送が困難だ。そのため多くの褐炭が未利用となっている。Jパワーはオーストラリアのビクトリア州にある褐炭を燃焼してガス化させ、水蒸気を加えて水素を製造する装置を稼働させた。
将来的には、褐炭の燃焼で発生する二酸化炭素(CO2)を地中に埋めるCCS(CO2の回収・貯留)を実施し、CO2を排出しないと見なす「ブルー水素」を製造することも視野に入れる。

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■切り札は高温ガス炉■

しかしここでも鍵を握るのは、実は第四世代原子炉。特に実用化が最も現実的な、超高温ガス炉と呼ばれるタイプが、実は水素の精製や発電全般に、可能性をもたらすのは調べて良いでしょう。超高温ガス炉はその名の通り、600°から1000°近い高音が出るため、これを利用して原子力製鉄も可能。またこの高温を利用して、熱化学水素製造が可能です。前述の褐炭を利用した水素生成よりよほど高効率。

これは同時に、原子力石炭液化技術とも地続きです。なので瀝青炭や亜瀝青炭、褐炭などを利用した石油液化にも、道を開きます。第4世代原子炉は一次冷却材に水ではなく、ヘリウムなどを使うため炉心溶融しにくいというメリットもあります。あるいは、アンモニアを利用した発電などでも、アンモニア生成をして火力発電所の燃料を供給するという形でも、第4世代原子炉は有望です。

原子炉夢発電自体は、メリットもあればデメリットもあります。しかし東日本大震災以降のマスコミの論調は、非科学的でヒステリックで、前述のように神道の穢れの意識のように呪術的ですらあります。そのような非科学的な発想に振り回された結果、洋上風力発電の実証のために600億円も無駄にするなどということが起きてしまっています。各地でメガソーラーも問題を起こしています。

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科学を克服するのは科学。自分はしょせん素人に過ぎませんが、それでもこうやって情報を集め比較検討することによって、専門家の足を引っ張らないという消極的な貢献はできるはずです。
万機公論に決すべし。

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