中国当局がSONYに罰金1770万円

◉SONYの中国法人が、盧溝橋事件の日の7月7日に新製品を発表しようとしたら、北京市朝陽区の市場監督管理局が「中国国家の尊厳を損なった」と言い出して、100万元(約1770万円)の罰金を科したとのこと。これがチャイナリスクってやつですね。理屈と膏薬はどこにも着くし、イチャモンも何処にでも着けられるわけで。ウイグル弾圧に香港の民主化弾圧をする国家ですから、こういう動きは当然。他の法人も、狙い撃ちにされるでしょう。

【ソニーに罰金1700万円 中国の尊厳損なうと当局】産経新聞

 日中戦争の発端となった盧溝橋事件から84年に当たる日に新製品を発表するとの広告を出し中国国家の尊厳を損なったとして、北京市朝陽区の市場監督管理局は18日までに、ソニーの中国法人に100万元(約1770万円)の罰金を科した。12日付。
 同局などによると、中国法人は今年6月30日夜に、7月7日夜に新製品を発表するとの広告をインターネット上に出した。これが1937年の盧溝橋事件発生とほぼ同じ日時だったため、中国で批判の声が殺到。7月1日に広告を削除し、不適切だったとして謝罪していた。

ヘッダーの写真はnoteのフォトギャラリーより、上海の写真です。

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■事件の発端は?■

こういうのは、部落解放同盟の朝田理論と同じで、なんにでも文句をつけて、追い込むことができますからね。そもそも、1937年(昭和12年)に起き日中戦争(支那事変)の発端となった盧溝橋事件は、中国では日本の陰謀が定説なんでしょうけれども。実際は、いくつかの説がありますしね。

・中国側第二十九軍の偶発的射撃説
・中国側第二十九軍の意図的射撃説
・共産党による策謀説
・日本軍による挑発説

日本共産党はこんな記事を赤旗に出していますね。断言は避けていますが、中国からの発砲は間接的に認めていますね。でもまぁ、偶発的事件であっても、それを利して関東軍が勝手に動き、近衛文麿内閣は強硬派におされ増兵を決定して、泥沼の日中戦争になっていくので、そこの批判は自分にもありますけれど。

■中国のしたたかな外交術■

SONYの現地法人は、単に七夕の夜ということで企画したんでしょうけれど。中国は歴史的に戦争に弱く、漢の高祖・劉邦にしても匈奴に親征して、事実上の朝貢国になるほど、大敗しているんですが。なので、政治的な駆け引きや調略が発達した部分があります。合従連衡の策とか、そういう文化ゆえ。田中角栄総理大臣一行が、日中国交回復で訪中したときも、さんざん歓待していい気分にさせておいて、いきなり無理難題をふっかけてきます。

田中角栄総理の「過去数十年にわたって、わが国が中国国民に多大のご迷惑をおかけしたことについて、私は改めて深い反省の念を表明する」という謝罪の文言に対して、条約締結直前で「迷惑」という言葉は中国では軽い意味だと難癖をつけ、今さら締結をやめられない日本側の足元を見て、妥協を引き出したとか。したたかですねぇ。六韜などを読むと、そういう健忘症を数千年、研究してる国なんですから。チャイナリスクは当たり前なんです。

■言必信行必果と田中角栄■

また、田中角栄総理の教養の無さを悪用して、周恩来は『言必信行必果』という色紙を贈ります。この言葉の意味は、「言葉には決して偽りが無く、行いは必ずきびきびとする者である」という意味です。ちょっと聞くと、何やら良さげな言葉ですね。でもこれ、論語子路第十三の中の言葉で、子貢に優れた官吏とは問われた孔子が、最上レベルから次善のレベルを挙げます。そう、これはセカンドベストの人間の資質を述べたものです。

この後で『硜硜然小人哉』という孔子の言葉が続きます。意味は「しかし、これは融通の利かない小人だが、セカンドベストとすることができよう」という意味です。つまり、日本の内閣総理大臣を小馬鹿にする内容だったんですね。これを聞いた安岡正篤は、激怒したとか。西村博之氏は、古文漢文を教師のコヨを守るためだけにあると、常々言っていますが。かれも中国のしたたかな政治に巻き込まれたら、漢文の教養の無さでからかわれるでしょうね。


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