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REGとTCPの間にある壁(REG勉強した人向け)

こんにちは。USCPA受験生のもぐらです。私はP校を利用し、2023年からUSCPA試験に取り組んでまいりました。これまでの戦績は2023年8月にFAR合格。2023年12月AUD合格です。

今年(2024年)に入ってからは4月にREG、そして5月14日にTCPを受験いたしました。
日本人の受験生の大半がBARを選択しており、他の科目についての情報が少ないため、受けたてホヤホヤのTCP体験談を記録すれば少しでもお役に立てるのではないかと思い記事を書かせていただきました。

この記事の目的

以前の記事↓で、TCPはREGの延長であり、対策が容易だったと述べました。
しかしながらTCPの学習を進める中で感じた困難も確かにあり、中には何度も教科書を見直さないと理解できない論点もあった為、「TCPは簡単なわけじゃないよ」ということをお伝えするために記事を書かせていただいております。


TCP受験で感じた壁

CorporationのBasis計算

TCPにおいて求められるC corporation, S corporation, PartnershipのBasis計算の知識はREGよりもかなり深いと感じました。
特にC corporationでその差は顕著で、TCP合格には以下のレベルの問題にも対処できる必要があります。

Aさんが単独でC corporationを設立し、Adjusted Basisが20,000ドルの土地を出資しました。土地には5,000ドルの負債がついており、会社がそれを引き受けます。さらに会社はAさんに現金5,000ドルを渡しています。株のFMVが15,000ドルのとき、Aさんが認識するGainはいくらですか

現金5000ドルに飛びついてしまいたくなりますが、冷静にRealized Gain と Recognized gainの低い方を選ぶと、認識すべきGainが0であることがわかります。
このような問題で留意すべきポイントは以下のとおりです。

「80%テストをクリアしているか」
「Realized gain と Recognized gainは何か」
「引き受けてもらった負債はその資産のBasisを超えているか」

そしてこのGainの算出方法を理解していない限り、出資者の株のBasisは計算できません。
この難易度の問題はREGでは出たらアンラッキーですが、TCPではおさえておく必要があります。

Like-kind Exchange

お次はLike-Kind Exchangeです。REGではこの論点が嫌いだった人も多いのではないでしょうか。
しかしながらTCPではここを避けては通れません。Like kind exchangeの応用とも言えるInvoluntary conversionもこの科目では頻出だからです。

Like-Kind exchange
納税者がReal Property同士を交換するに適用される。この取引は原則として課税されないが、BootやDebt Reliefを伴う際は特殊な計算が要求される。
試験に出るのはこのパターンのみ。

何がややこしいかというと、Like-kind exchangeのbasis計算はC corporationの出資時のそれと若干似通っているんですよね。Recognized gainとRealized gainの低い方をgainとして認識し、それによりbasisを導き出すという点が。
このことに留意せずにMCに取り組むと、それぞれ完璧に理解したつもりでも次第に混乱してしまい、何を信じていいかわからなくなるフェーズがあります。
したがって各論点におけるBasis計算の方法を深く理解した上で、それぞれの違いも同時に記憶することが求められます。
(「そんなことREGでも当たり前だろ!」と言われてしまいそうですが、、、)

Trust

TrustがTCPの中で一番嫌な論点でした。
「試験に出るな!!」と念じながら試験会場に向かったと記憶しています。

Trust(信託)は年間を通して資産を運用して収入を得ますが、税務上その収入を「Income(収益)」と「Principal(元本)」に分類しなくてはなりません。(すごく端折ってます。)
それらを踏まえて適正なTrustの課税所得を計算するために、「Distributable Net Income, Accounting Income, Trust taxable income」という3種類のIncomeを計算する必要出てくるのですが、それが本当にややこしい。
正直、この範囲は捨てて試験に挑みました。
この範囲を完璧に理解している人はいないのではないかと思うほど、難しいです。(アビのテキストもここに関しては微妙です)

PartnershipのAt risk basisとBasis

Partnershipの所得は法人単位では課税されず、そのPartnershipを運営する個人に持分に応じて課税されます。
そしてPartnershipが赤字の場合でも、同様にPartnershipを所有している個人にLossがPass throughされます。(Aさんが20%所有するPartnershipに100ドルのlossが出た場合、AさんのLossの持分は20ドル)
しかしながらその個人は必ずしもその全額を控除できるとは限らず、その個人のPartnershipへのBasisが控除の上限となります。言い換えれば、そのPartnershipに対し出資している金額までしか控除できないのです。

さらに!

個人はBasisの他に、At risk basisによってもLossの控除が制限されます。
At risk basisとは、ざっくり言うとBasisからノンリコース負債(Partnershipが払えなかった負債の責任を個人が負わなくていいヤツ)を引いたBasis。
At risk basisがBasisよりも低ければ、At risk basisが控除できる金額の上限になります。(なんやこの制度)
TCPでは通常のBasisとAt risk Basisの計算が問われます。またそれぞれの
Basisがどのような特徴を持っているかについて精密な理解が求められます。
税制はどうしようもないほど面倒ですね。


まとめ

最後までお付き合いいただきありがとうございます。
今回はREGと比較した際のTCPの難しさについて記事にさせていただきました。REGよりもさらに発展的な内容を問われるため、苦手な方が多いでろうBasis計算はかなり注意深くインプットする必要があると思います。
しかし他の選択科目の中に、「一ヶ月の準備期間」で仕上げられる科目は他にあるとは思いません。
僕は永遠にTCPを推し続けます。



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